腕時計の楽しみ方。
―みなさんは、何本くらい腕時計を持っていますか?
泉:そんなにたくさん持っていないです。
小松:ぼくもそう。機械式を1本とデジタル式を2本だけ。
泉:機械式を選んだポイントは?
小松:機械式は1本だけでいいと思っていて、めちゃくちゃ厳選しました。ケースの大きさとか、数字のフォントが他と違うのがいいとか、ああだこうだと難しく考えちゃって、何年も見つかりませんでした。

泉:慎重になっちゃいますよね。ぼくもいろいろ見ているけど、まだ決まらない。中島さんは何本くらい持っているんですか?
中島:20本くらいです。
泉:さすがです。買うタイミングはあるんですか?
中島:新しい服を買ったら、それに合う腕時計も新しく欲しくなってしまうんです。ほかにも、新しい機能が搭載されているモデルが出たら試したくなるし、誰かがつけているのを見て欲しくなることもあって、いろんな角度から物欲センサーが働いています。
小松:腕時計の楽しみ方はたくさんあるんですね。
中島:ベルトを変える楽しみ方もありますよ。カスタムすれば印象が変わって、長く使えます。

―毎日、どんな選び方をしているんですか?
中島:洋服を軸にして腕時計を選ぶこともあれば、この腕時計をつけたいからこんなコーディネートにしようって日もあります。
小松:楽しそう! 「チックタック」の店頭では、どんなニーズが多いんですか?
中島:その時のトレンドによって変わります。ひと昔前なら大きめのフェイスが人気でしたが、最近だったら汎用性を求めるお客様が多いです。
小松:汎用性というと?
中島:シンプルな文字盤で、仕事と休日を問わずにつけられるもの、ですね。インデックスもシンプルなほうが人気で、秒針はなくてもいいと考える人も多いです。
小松:腕時計には機械的なかっこよさもありますが、ファッション的感覚を求める人が多いのかもしれませんね。汎用性が高い時計の選び方は?
中島:仕事でも着用するなら、文字盤のカラーは白・黒・青系が基本。ケースはシルバーやガンメタは合わせやすいです。
泉:ベルトはどうですか?
中島:普段あまり腕時計をつけないなら、メッシュブレスをおすすめしています。腕時計は着用に慣れていないと、手元に違和感があるんです。メッシュブレスは軽いので、ストレスは少ないと思います。


―泉さんはスタイリングする際、腕時計にどんな役割があると思いますか?
泉:袖口から腕時計がチラッと見えるだけで、コーディネートが引き締まると思います。袖と肌の間にワンクッションあるとないとじゃ、全然違う。アイテム自体は小さいけど、存在感は大きいんです。
小松:ブレスレットとは異なる存在感ですよね。
―ブレスレットはカッコつけすぎているみたいで、小っ恥ずかしく感じる人もいるみたいですね。
泉:ブレスレットか腕時計かで、人となりも感じられますよね。腕時計をつけていると、しっかりしている印象ありません?
小松:たしかに。なんとなく好印象です。
泉:腕時計は種類やデザインによって個性が出るので、キャラクターを演出することもできると思うんです。
―泉さんは普段あまり腕時計を着用しないそうですが、どんな時につけているんですか?
泉:カチッとした格好の時、物足りなさを解消するために着用することが多いです。個人的に、長袖に合わせて、さりげなく見えるほうが好きですね。

―スマホで時間を確認できますが、腕時計を着用する意義はなんだと思います?
泉:大人の嗜みみたいなところがありますよね。
小松:そうですね。最近はヴィンテージも人気ですけど、それをきっかけに来店する方もいますか?
中島:多いです。「チックタック」ではヴィンテージも取り扱っているんですが、以前より売れていますよ。
小松:憧れるけど、値段を見ると手が出ないし、自分にはまだ不相応だと思っちゃう。
泉:自分にはまだ早いし、これ見よがしに着用したくない気持ちもありますね。
小松:スマホでも時間を確認できるけど、あえて腕時計をつけるのがかっこいいと思うんです。同じ時間の確認でも、気に入った腕時計を見たほうが気分はいい。
中島:そうですね。腕時計をつける意義として、ぼくが一番大事にしているのはテンションが上がるものを選ぶこと。時間を確認したくなるデザインがいいです。
泉:ぼくも最初に腕時計を買ってもらった小学生の頃、用事もないのに着用して出掛けていましたよ。
小松:つけたくなっちゃう気持ち、分かります。ファッションの一部であり、機械だから、心をくすぐられますね。
