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FEATURE|ラグ & ボーンの意味を知っていますか。

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ラグ & ボーンの意味を知っていますか。

それまでの広告キャンペーンに別れを告げ、2016年よりスタートさせたMen’s Project。俳優やミュージシャンをモデルに迎えて服と同等か、あるいはそれ以上に注意深く着手の素の顔を切り取ってきた写真と映像はアートとしても高く評価された。そしていま、もっとも勢いのあるトライベッカ映画祭に招待されたばかりの〈ラグ & ボーン〉がはやくも新たなショートフィルムを完成させた。ブランドのアイデンティティに迫る意欲作だ。

  • Photo_Hiroyuki Takashima(Still Life)
  • Text_Kei Takegawa
  • Edt_Ryo Muramatsu

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“HAIR” with Japanese Subtitles
About 5 min.

飾る必要のないブランド。

作為からの脱却。それは嫌悪といいかえてもいいかも知れない。

ジョン・タトゥーロとボビー・カナヴェイルという二大俳優をキャスティングしたショートフィルム『Hair』はその名の通り、ヘア・スタイルにまつわる台本のない二人の掛け合いが見ものだった。ニューヨークのクラシカルなバーバーを舞台に繰り広げられるショートフィルムは4月、トライベッカ映画祭に選出された。

監督もつとめたタトゥーロは感想を求められ、このように答えている ── 〈ラグ & ボーン〉の世界観にふさわしい場所を求めてロケハンを重ねたが、このバーバーはパーフェクトだった。ファッションとヘアスタイルはそもそも相性がいいしね。

タトゥーロにすべてを委ねたスタンスは〈ラグ & ボーン〉に一貫したものだ。デザイナーのマーカス・ウェインライトはいう。「服もロケーションも着る人に決めてもらうのが〈ラグ & ボーン〉の流儀。なぜならば、彼らが心地よいと感じることがもっとも大切だからさ。ブランドをプロモーションするために捏造する時代は終わったんだ」。あのケイト・モスを起用したシーズンも例外ではなかった。「ロンドンの街をバックに自然光、フィルムで通したよ」

〈<ラグ & ボーン〉は根っこに骨太なものづくりがあったから、作為的なものと一定の距離を置くことができた。これを解き明かしてくれるのが、トライベッカ映画祭に選ばれた興奮冷めやらぬこのタイミングで発表したショートフィルムである。

“Quality Guaranteed” with Japanese Subtitles
About 3 min.

ハスに構えたショートフィルム。

煉瓦造りの外観。太陽が降り注ぐ、全面ガラス張りの高い天井。糸を引き揃える職人の作業風景。目まぐるしくカットバックされるサンセットパークのワークハウスから一転、モノクロームの映像に切り替わると、そこに映し出されるのはその日の操業を終えたのか、電気を落とした無人の空間にひとり佇むウェインライトだ。

英国人の俺にとって──。そう切り出し、ウェインライトが訥々と語り出したのはものづくりにかける思い。インディゴの種を取り寄せ、バルコニーで栽培するところからはじまった手探りの時代を振り返り、そうして輪郭を鮮明にしていったブランドのアイデンティティ ── ショートフィルムのタイトルにもなったQuality Guaranteed ── に話は及ぶ。それは伝統の技を受け継ぐ職人への賛辞、あるいはショップはもちろん、ショールーム、オフィスに設える家具をすべて手づくりしている事実に端的に表れている。偽りのない本物の追求 ── それこそが〈ラグ & ボーン〉だよとウェインライトはいう。

vol.4まで制作されたそのショートフィルムは、アブラハム・ムーン社のツイード、フェイサ社のトリプル・レイヤード・ジャカード、ショラー社のテクニカル・ファブリックの製造現場に撮影クルーを送り込んだ。いずれもウェインライトが全幅の信頼を置くファクトリーである。

ラグ & ボーン〉はお尻に “man” をつければイギリスではくず拾い、の意になる。人を食ったようなネーミングだけれど、世の中が傾いているんだから、大切なものを見逃さないためにはハスに構えざるを得ない。ウェインライトはショートフィルムのなかで「生地はとくに日陰にいる」と嘆いたが、時代に取り残されつつあったその魅力を拾い上げることができたのは長いものに巻かれなかったからだ。そして子どものような澄んだ目でこう憤慨しているのである ── これがガラクタだっていうのかい。とんでもない。あんたの目はどうかしているんじゃないか。

“Abraham Moon Fabrics” with Japanese Subtitles
About 40 sec.

“Triple Layer Jacquard” with Japanese Subtitles
About 40 sec.

“Schoeller Switzerland” with Japanese Subtitles
About 40 sec.

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FIT 1 / DK KINGSTON
2013年冬から展開している定番を謳うライン「スタンダード イシュー」のデニムには3つのシルエットがあり、もっともタイトな一本がこちらのスキニーレッグ、FIT1。ポリウレタン混紡でストレスのない穿き心地を確保しつつ、シルエット美を追求した。熟練の職人技を感じさせる見事な色落ちと切りっぱなした裾も見どころ。¥33,000+TAX

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FIT 2 / INDIGO LINEN
テーパードが美しいスリムレッグ、FIT2。インディゴリネンのそれはやわらかな肌触りがあり、これからの季節におすすめ。インディゴ染めを省いた裏地のコットンもポイントである。タキシードにヒントを得たその裏地はタックインしたシャツに色移りする心配がない。「スタンダード イシュー」のデニムに共通するスペック。¥26,000+TAX

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FIT 2 / DUKES
おなじくスリムレッグ、FIT2の新作。ほどよくストレッチをきかせたデニムを採用しており、穿き心地もすこぶる快適だ。斜めにカットし、着脱を容易にするボタンホール、手を突っ込みやすい深めのヒップポケットといった機能へのこだわりも「スタンダード イシュー」の醍醐味。¥30,000+TAX

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SMITH SHORT
1837年に創業したイギリスの名門老舗「アブラハム・ムーン」社の生地を使ったショーツ。一見ヒッコリーパンツだが、艶やかな風合いがそこに上品な印象を加える。「ストライプは映画『炎のランナー』で育ったイギリス人としてはおざなりにできない。だから、本家のアブラハム・ムーンを選びました」(ウェインライト)¥34,000+TAX

ラグ & ボーン 表参道
電話:03-6805-1630
www.rag-bone.com

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