やっぱりお店は10年くらいやらないとわからない。
ーお店や〈オーロラシューズ〉に関して、これからどうしていきたいですか?
高須:〈オーロラシューズ〉はもう何周もしてきたから、いまは若い子たちに見て欲しいし、そのためには新しい履き方を提案しようとしているところですね。そのためにビジュアルブックもつくったので。
ーすこしだけ中身を拝見しましたが、すごく充実した内容ですよね。

高須:ここによく来てくれている常連のお客さんが、たまたまそういう仕事をされていて。それで企画してくれたんです。いまはニューヨークでもロサンゼルスでもなく、葉山がいいっていう話になって。葉山を取り上げながらつくったんですよ。
ーファッション業界にも葉山に住んでいるひとが多いですね。
高須:裏葉山なんて呼ばれたりしてね(笑)。ビジュアルブックに関わってくれたスタッフの方々も、このお店や葉山に縁があるひとたちで構成されていて、みんな「『サンシャイン+クラウド』のために」ってがんばってくれましたね。
ーそこにもやっぱりウソがないですよね。
高須:ただ著名だけで集めてきたチームだと、ちぐはぐになっちゃいますからね。お互いがわからないから。分かり合える頃に、分かり合えないまま終わっていくみたいなことが起こりやすいでしょう。やっぱり関わりがあって、このお店や〈オーロラシューズ〉を好きでいてくれているひとたちでやることによって、奥行きのあるものが生まれたような気がします。ただかっこいいだけじゃないっていうかね。

ーそうして誕生したビジュアルブックをきっかけに、ファッション的なアプローチで〈オーロラシューズ〉に新しい価値観を加えていくわけですね。
高須:オーセンティックであってもマイナーチェンジは必要だし、見え方も時代に合わせて変えてかなきゃいけないと思っているので、今回はそのきっかけだと思ってます。
ー「サンシャイン+クラウド」はどうしていきたいですか?

高須:お店はいい方向に向かっているし、間違っていないという確信があるので、いろんな部分のレベルを上げていきたいですね。もちろん、服のクオリティも含めて。
ー今日はいろんなひとやブランド、お店を巻き込んでポップアップイベントを開催されていますが、こうしたことを定期的に開催して、コミュニティの輪を広げていこうという気持ちもあるんですか?
高須:せっかく駐車場をつくったので、まずはそれを稼働させないと(笑)。まぁ、やりたいっていうひとがいるし、場所もあるからやったほうがいいですよね。フリーマーケットとかをやってもいいですしね。


ー長くやっているからこそ、そうやってひとがどんどん集まってくるわけですね。
高須:話題性で集客するというよりも、ぼくらは時間の経過と共にひとが増えていったんですよ。そのなかにたまたま歌い手のひとがいて、「じゃあ、歌ってくれる?」ってなったりして。ここに移転して10年が経過して、やっとそうやって機能するようになってきたんです。やっぱりお店は10年くらいやらないとわからない。移転したばかりの頃は本当に手探りだったけど、自然とそういう流れになってきましたね。コロナ前はよくビアガーデンを開催してたんですけど、今年からはすこしづつ、そういうことをやっていきたいなと思ってます。
ーそしてまた、地元のひとたちのコミュニケーションが生まれるわけですね。
高須:そうですね。地元の飲んだくれがどんどんやって来るわけですよ(笑)。それもまた、おもしろいんですけどね。
