バッグを持ち歩かないひとのためのデザイン。
ーバッグを主軸にしながら、一方でアパレルを展開しているのも〈アントラック〉の特徴ですよね。
生本:これまでカバンだけを一途につくり続けてきましたが、やっぱりそれだけだと表現できることが限られてしまいます。それを服と一緒に展開することで、自分たちの世界観をより表現豊かに伝えられると思ったんです。
ー服にはどういったアイディアが盛り込まれているんですか?
生本:カバン屋が手がける服ということで、着られるバッグにしています。例えばこちらのコートは、一見すると普通のコートなのですが、服の内側に毎日持つであろう必需品を入れられる専用のポケットをつけたんです。


ーそれぞれのポケットにアイコンがプリントされていますね。
生本:スマホやイヤホン、タブレット、キー、ウォレット、パスポート。こうしたものを収納できるポケットなんですが、もちろん使い方はユーザーの方に委ねたいなと。世の中にはバッグを持ち歩かないひともいらっしゃるので、そうした方々に提案するものとしてデザインしましたね。すごくニッチではあると思うのですが(笑)。

ーバッグと同様に生地にもこだわっているんですか?
生本:そうですね。アウター類はコーデュラ糸を使っています。バッグにある「アウトドア」のカテゴリーでも同じようにコーデュラを使っているので、そうした親和性を考えて採用しました。摩擦に強かったり、ストレッチ性があったり、家庭で洗濯ができるなど、使い勝手がすごくいい生地なんですよ。
ーそうしたアウター類に加えて、ビジネスシーンではもちろん、カジュアルなシーンでも使えるセットアップや、シャツ、パンツも展開しています。
生本:こちらのセットアップもアウターと同様に撥水機能やストレッチ、イージーケアなど、機能的な素材を使用しています。