Ultra Deep × Keisei Kawahara ブルーのグラデーションと重厚感にシンパシーを感じた。
PROFILE
2019年、不慮の事故に遭い、右膝下を切断。過酷なリハビリを経て、諦めかけていた水泳競技をリスタート。21年、パラアスリートとして400メートル自由形と100メートル平泳ぎで当時の日本記録を更新。現在は競泳から引退し、モデルとしてさまざまな媒体で活躍している。
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ー川原さんの名前、渓青には “青” という漢字が使われていますね。ご両親はどんな気持ちでその名前をつけられたんですか?
川原:自由に生きてほしいという気持ちがあったようです。川原という名字にも自然にまつわる漢字が使われています。だから名前も渓谷の “渓” に青空の “青” で、渓青にしたということを聞きました。あと、うちの家族はみんなイニシャルが “KK” なんですよ。だからKではじまる名前っていうのもありますね(笑)。自分でもすごく気に入っています。
ー青という色から何を連想しますか?
川原:すごく落ち着いていて、リラックスしたムードを感じます。青と黒が自分は好きで、ディープブルーというか、海がどんどん深くになるにつれて青から黒へと変わっていく様子が好きなんです。そういう色を自分のファッションにも取り入れたいなって常に思っていますね。
ー今日つけてもらった「ウルトラディープ」も、まさに深海のディープブルーが美しく表現されています。
川原:いくつか用意してもらった時計を見た瞬間に「これがいい!」ってなりました(笑)。ダイアルのデザインに落ち着きがあるなと思って。重厚感のあるつくりも、いまの自分に合っているし、本当にシンパシーを感じました。
ーつけてみて気分に変化はありますか?
川原:やっぱりありますよ。よくピンキリって言いますけど、やっぱりいいものを身につけると気分が上がります。服も同じで、デザイナーが丹精込めてつくったもの、職人が技術を駆使して仕上げたものは、値が張るかもしれないけど、やっぱり違います。ファッションだと時計がその最たる例だと思うんです。かけがえのないものだし、思い出が生まれますよね。
ー〈オメガ〉というブランドにはどんな印象をお持ちですか?
川原:自分が競泳をやっていたとき、一番最後の大会でタイムを測っていたのは〈オメガ〉の計時機器なんです。だから実はすごく親近感があるというか、自分にとっては馴染みのあるブランドです。正確にタイムを計ってくれるからこそ、ぼくたちも切磋琢磨できる。0.01秒を競う競技だったので、その性能がすごいし、競技をフェアなものにしているのはまさに〈オメガ〉の技術があるからこそだと思います。
ー普段、腕時計はつけますか?
川原:もともとスマートウォッチをつけていたんですが、最近壊れてしまって家にある時計を使っているんですけど、機械式時計の魅力を再確認しました。やっぱり古きよきというか、つけていて気分が変わる何かがあります。だけど、ふとした瞬間にぶつけて壊さないか心配だったりもします(笑)。
ー「ウルトラディープ」は通常よりも硬い「O-MEGAスティール」を使っているので、強度に優れているのも特徴です。
川原:いいですね。ぼくの義足にもスティールが使われています。錆びないし、頑丈だし、しっかりと重さもあるんです。普通は軽い方がいいかもしれないけど、ぼくはその重さが好きで。ある意味、無駄かもしれないけど、そういうところにひとの個性が宿ると思うんです。軽量化して負担を減らすことも当然大事なことだけど、無駄を楽しむことも同じように大切だなってぼくは思いますね。
ー時間の使い方で意識していることはありますか?
川原:そのときそのときで自分のやりたいことに従うように意識しています。動画を撮りたければ撮るし、休みたいときは休む。あとは家族や友達との時間は大切にしています。競泳をしていたときは、タイムを伸ばすために食事を制限したり、遊ぶ時間も削っていました。
ー競技をやっていた当時、ストイックに時間を突き詰めていたからこそ得られたものはありますか?
川原:努力をすることの大切さを知りました。それによっていい結果が得られたし、水泳のことを考えれば考えるほど上達できたので。それをいまの仕事に置き換えて、頑張って働くことも大事だなって思います。自分の父は建築関係の仕事、母は看護師として、いつも現場で汗水流して働いていました。そういう姿を見ると、素敵だなって思うし、忙しいなかでも自分を育ててくれたことに感謝の念が湧いてきます。
ー川原さん自身は、これからモデルの仕事を続けていくお考えですか?
川原:4年前に義足になったとき、その後の生活が全く想像つきませんでした。不安を解消するためにいろんなことを調べたけど、納得のいく答えは見つからなかったんです。いまは義足をひとつの個性と捉えて、世界に向けて発信しています。自分と同じ境遇のひとたちにも普通に生活できることを伝えられるので。だから競泳にトライして、より世界を広げるためにモデルの道を選びました。ただ、いまは楽しいけど「本当にこれなのか?」という疑問を感じる場面もあったりします。
ー実際にモデルとしての活動やSNSで反響はありますか?
川原:すごくあるんです。怪我をしてしまったひとたちからもメッセージが届きます。水泳だけストイックにやっていたら、ここまで多くのひとたちに自分の想いを届けることができなかったので、モデルをやっていてよかったなと思います。でも、もっと新しいことにもチャレンジしたくて。ぼくはバイクの事故で義足になってしまったんですが、またバイクの免許を取ろうかなと考えています。義足でバイクに乗っているひとを見たことないし、ひとがやらないことにトライしてみたくて。
ーそのポジティブなマインドは、どんなところから来るのでしょうか?
川原:性格かもしれないですね(笑)。両親はぼくがやりたいことを昔から肯定し続けてくれたんですよ。それがすごく影響していると思います。だから、まずは両親に感謝。そしていつも一緒に遊んでくれる友達にも感謝しています。
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