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手仕事の曖昧さに見える美しさ。津村将勝 × 栗野宏文 × 金子恵治が語るPERIOD FEATURES。
A tripartite discussion about Period Features.

手仕事の曖昧さに見える美しさ。津村将勝 × 栗野宏文 × 金子恵治が語るPERIOD FEATURES。

今年10周年を迎える、〈ピリオドフィーチャーズ(PERIOD FEATUERS)〉というブランドがあります。
エディター、フォトグラファー、そしてデザイナーとしてのキャリアを歩んできた津村氏は、国内メディアの取材に応じるのは今回が初めてと語ります。鼎談相手は、ブランドスタート以前から津村氏を知る「ユナイテッドアローズ(UNITED ARROWS)」上級顧問・栗野宏文氏と、〈ピリオドフィーチャーズ〉を黎明期からバイイングし続けてきた金子恵治氏。
津村氏の経歴や考え、インドでのものづくりについて、鼎談の形式で語り合うことで見えてきたのは、このブランドが持つ絶対的なオリジナリティ。そして、その背景には、誰にも真似できない津村氏ならではの轍がありました。

  • ​​Photo_Ryuhei Komura
  • Text_Yukina Moriya
  • Edit_Taiyo Nagashima

結局のところ、“おしゃれは身を助く”ですよ。

―洋服をつくろうと思ったのは、その時が初めてですか?なぜインドだったのでしょう。

津村:29歳のときに初めてインドに行ったんです。2ヶ月間。バリ島に滞在したときにプールの中で突然、「次はインドにいってらっしゃい」って声が聞こえて。それでインドに行って、すぐにデリーから南下してとあるテーラーに行き、インドで着る服を4コーディネートくらいつくってもらいました。それを着て食事に行ったりするような豪華な旅は2ヶ月のうちの2週間くらいで、あとの2週間は普通のインドの旅。残り1ヶ月は虫に刺されるような場所にいったり。200円のホテルから10万円のホテルまで泊まって、いろんな場所を旅しました。

―そこでインドの服、インドの技術に出会うと。

津村:デリーに、「インドインターナショナルフェア」というものがあって、インドから海外に輸出するあらゆる品々を集めた大規模なマーケットなんです。そこで見た生地がすごくよくて、ばーっと買ってテーラーに持っていって、シャツをつくってもらったんですよ。それを日本に帰ってからも着ていたら、どこのシャツですか?ってやたら聞かれるものだから、じゃあシャツ屋でもやろうかなと。

栗野:津村さんは常に、自らがいいと思った服を着て、そのことによって声をかけられていく。そういう話ですよね。

津村:それで、インドの知り合いに話をしたら、紹介してもらった縫製工場がさっきお伝えした、メゾンブランドの服をつくるようなところで、超一流の仕事をしていて。それを見て、インドでもやれるじゃんって確信しました。でもインドの気質は日本人とは全然違うから、基本的にはうまくいかないんですけどね。

―基本の考えやカルチャーが違うんですね。

津村:まずクオリティコントロールなんてものはないから、やったら終わり。だからぼくが目の前で見ていたらちゃんとやるけど、ぼくが帰ったらもう全然違うものになる。

金子:だからずっとインドに行かれているんですね。

津村:特にサンプル制作のときはずっといます。

金子:ぼくも一度仕事でインドを訪れたことがあって、産地や工場を回ったんですけど、とてもじゃないけどこの地でものをつくるっていう発想が絶対芽生えないというか。いいものはあるんですけど、やっぱり服の品質のコントロールができないなって。そういうことを肌で理解しました。だからこそ、ぼくは〈ピリオドフィーチャーズ〉というブランドを見た時に、誰も入れないようなところへ、ただひとり津村さんが踏み入れたんだなあと感じたんです。デザイン性も当然素晴らしいですが、ここまでやれる人がそもそもいなかったんだなと。みんなの夢じゃないですけど、実現させた人が出てきちゃったなあというところにいちばん共感したかもしれないです。

―「レショップ」でも、初期から取り扱いを?。

金子:最初のピッティでは見られなかったんですけど、その次のシーズンですかね。「金子さん絶対好きだよ」って紹介してもらって、それで見に行かせていただいたのがきっかけです。今日お話しを聞いていても思ったんですけど、津村さんの歴史はやっぱり特別なので、そこも含めて、この〈ピリオドフィーチャーズ〉に続くブランドは出てこないのかもしれないですね。洋服をデザインしてきた方がやっているような雰囲気は、最初から感じなかった。カルチャーの中で生きてきた人が、常識を飛ばしてやっていくようなオリジナリティがあって、そこにバイヤーとして驚きを感じるという。

また、「レショップ」で実際にお買い上げいただいている方は、20代の方が多いんです。ぼくや栗野さんみたいな世代はいろんな洋服を見てきて、こういうものが素晴らしいということが知識で分かる部分もあると思うんですけど、若い方はまず単純にものの美しさ、魅力に触れて、買ってくださっている。それもまたこのブランドの素晴らしさだなって。

栗野:ハイビスカス柄のアロハにタキシードパンツを合わせていた津村さんに人々は惹かれてきた。いまつくっているものにもそれが表れているんですよね。テクニックとかパターンとか教育じゃない、津村さんにしかないセンス。若い方は、「なんかすごい」っていう感覚を買っているわけですよね。結局のところ、“おしゃれは身を助く”ですよ。

INFORMATION

PERIOD FEATURES ORDER EVENT

開催日:9月29日(金)~ 10月6日(金)
開催場所:L’ECHOPPE 青山店
YouTube:https://www.youtube.com/watch?v=DuZMmMludrs
Instagram:@lechoppe.jp
lechoppe.jp

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