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ビームスを着て、どこへ行こう? VOL.1 高橋ラムダ(スタイリスト)
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ビームスを着て、どこへ行こう?
VOL.1 高橋ラムダ(スタイリスト)

「ビームス(BEAMS)」のオリジナルアイテムが、いますごく人気です。アメカジのカルチャーから得た豊富な知識と、いまのムードをきちんとキャッチして反映させるデザインセンス。これらを上手にミックスして、現代人の気分にマッチした服をつくっています。その方向性を定めるのがディレクターの吉川基希さん。この企画は、彼がいま会いたいひとをゲストに迎え、「ビームス」の服と一緒にお気に入りのスポットへでかけるというもの。その場所を通して、ゲストのパーソナルな部分に迫ります。
記念すべき初回に登場するのは、スタイリストの高橋ラムダさん。時代をリードする彼が向かったのは、都内にある古着屋とカレー屋。だけど、やっぱりラムダさんらしい一筋縄ではいかない場所だったのです。

表現方法は変化しているけど、20年周期でトレンドが巡っている。

ーラムダさんはもともと「ビームス」で働いていた経歴がありますよね。

吉川:もう大先輩です。だけど働いている時期はかぶってなくて。ラムダさんが「ビームス」にいたのは90年代の終わりころですよね?

ラムダ:それくらいだったと思います。新宿のお店で働いていて。

ーどうして「ビームス」に入ろうと思ったんですか?

ラムダ:服のことが知りたかったんです。それまでは古着しか知らなかったので、ちゃんと服について勉強したいと思ったんですよ。スーツの着方とか、そういうことを。とくに当時の新宿のお店だと「インターナショナルギャラリー ビームス」とかも入っていたから、いろんな服があるじゃないですか。それに「ビームス」はもともと憧れのショップでしたし。

吉川:ぼくも90年代、まだ10代でしたが古着屋で働いていて、そこではストリートブランドも並行で扱っていたんですよ。そこで古着についてはもちろん、ストリートファッションに関しても勉強したんです。そこから上京してセレクトショップに入ったので、ちょっとラムダさんと経歴は近いかもしれないですね。

ーここの「PAT MARKET」はどうやって見つけたんですか?

ラムダ:若い子たちの話を聞いて。さすがにこの路地裏をひとりで見つけるのは難しいですよ(笑)。だけど、インスタをチェックするのはもちろんだけど、やっぱり原宿にしても、いろんなお店をひたすらグルグルとランダムにまわりながらリサーチしてますね。

ここでは若くてフレッシュな感覚をもっているスタッフが働いていて、服の勉強をしながらお店を運営しているんです。その子たちのセンスがとにかくおもしろくて。

吉川:90年代、2000年代の服が多いですよね。

ラムダ:よくこんなブランド知ってるなっていう。ぼくも勉強しにいっちゃうくらい(笑)。懐かしい気持ちと新鮮な気持ちが両方生まれて、すごくテンションが上がっちゃって。自分の服の趣味もちょっと変わってきちゃったんですよ(笑)。

吉川:ここに『TUNE』や『FRUiTS』がたくさんありますけど、懐かしいですね。90年代後半、ぼくはオンタイムで見てました。

ーラムダさんも90年代後半のファッションは気になっているんですか?

ラムダ:ぼくが服にいちばんハマってた時期ですね。

吉川:それこそ『TUNE』や『FRUiTS』も原宿で撮影していたし、雑誌に出ていなくても、そういうひとがたくさんいましたよね。みんな本当に個性的で、ファッションにパワーを感じましたね。

ラムダ:たしかにパワーがすごかった。『i-D』とか、海外の雑誌の影響も大きかったと思います。

吉川:当時は雑誌が情報源でしたよね。それかお店でスタッフのひとたちと話したりとか、先輩に聞いたりとかして。それがすべてでした。

ラムダ:だけど、雑誌を見てヴィンテージのデニムを買いにお店へ行ったら、絶対に売ってなかったりして(笑)。

吉川:たしかに。あるあるですね(笑)。

ー2000年代後半になるとSPAブランドが台頭しはじめて、ファッションがどんどん均一化しはじめました。2010年代はノマドなど、シンプルで上質なものがトレンドになり、90年代、2000年代初頭ような個性的なスタイルをするひとがどんどん減っていったように思います。だからこそ、いまこうしたファッションがすごく新鮮に思えるのでしょうか?

ラムダ:若い子たちを筆頭に、そういうカウンター的な姿勢は感じますよね。

吉川:表現方法は当時と変わっているけど、20年周期でトレンドが巡っているなというのは感じますね。90年代は、古着を着ているひとや、ストリート系、裏原系のひとなど、とにかくみんないろんな格好をしていて。2000年代に入ってもそういう状態で、まさにごった煮だったんですよ。このお店は、その当時を思い出すようなあらゆるジャンルの服が置いてありますね。

ーオーナー曰く、「運営メンバーそれぞれが違うセンスを持っていて、各々の好きな服を混ぜて展開している」そうです。

ラムダ:〈フィッチェ〉とか、〈パーソンズフォーメン〉とか、〈ミチコロンドン〉とか、原宿っぽくないブランドも置いてあるのがいい。試着して当時の服同士を合わせてみると、不思議と着丈のバランスが合ったりするからおもしろいですね。やっぱり当時のシルエットとかバランスがあるんですよ。

ー2階のフロアでは当時の裏原系のアイテムも充実しています。おふたりはこの辺りのファッションも通ってきたんですか?

ラムダ:専門学校に入る前、17とか18歳くらいの頃に〈エイプ〉とか、〈グッドイナフ〉とか着てましたね。

吉川:90年代半ばくらいですよね。「エアマックス 95」とかが流行って、古着も着つつ、裏原系の服も合わせたり。

ラムダ:そうですね、入り込みやすかったんですよ。

吉川:裏原とはいえ、ベーシックな服が多かったですもんね。

ラムダ:藤原ヒロシさんやNIGOさんのコーディネートもかっこよくて。裏原の服を古着と合わせていたんですけど、シルエットやサイズバランスがおもしろかった。

ーちゃんと計算して合わせているというか。

ラムダ:そうですね。古着とよくなじむようにデザインされていて、いま思うと〈ラルフ ローレン〉とか、そういうブランドに近いものづくりをしていたように思います。

吉川:ぼくらも今季は2000年代をキーワードにオリジナルのアイテムをつくっていますが、基本的にはベーシックなデザインにしているんです。たとえばこのお店にあるような当時の服を合わせても、違和感なく着こなしやすいようにしていますね。

ー「PAT MARKET」はいかがでしたか?

吉川:すごくおもしろかったです。「こうゆう服着てたな」って懐かしい気持ちになって、何時間でも見ていられる(笑)。うちの20代のスタッフたちも、まさにこうした服を掘っていて、やっぱりすごく勢いを感じます。

PAT MARKET

営業時間:14:00〜20:00
住所:東京都渋谷区神宮前3丁目27−8
公式Instagram:@pat_market_tokyo

INFORMATION

BEAMS 23AW COLLECTION

公式サイト
Instagram:@beams_official, @beams_mens_casual