PROFILE
2000年生まれ。3歳のときに大阪松竹座『男女道成寺』で初お目見得をし、翌年に歌舞伎座『松栄祝嶋台』で初代 片岡千之助を名乗り初舞台を踏む。人間国宝に認定されている、十五代目 片岡仁左衛門を祖父に持つ。歌舞伎以外にもドラマやCMなどに出演。2023年に公開された映画『メンドウな人々』、また2024年、年明け公開の藤沢周平原作、時代劇『約束』では、主演を務めた。
シーンによって順応するファッション。

〈TATRAS〉DOWN COACH JACKET ¥132,000(TATRAS)、〈JOHN SMEDLEY〉DRIVERS KNIT ¥79,200(Lea mills agency)、〈yoshiokubo〉PANTS ¥30,800 (yoshiokubo)、その他スタイリスト私物
― 今日は〈タトラス〉を着用していただきましたが、いかがでしたか?
いろんなコーディネートにワクワクして、楽しかったです。普段からアウターはシンプルなモノトーンばかり着ているので、しっくりきました。自分では選ばないようなカラーリングのアイテムも合わせてみると案外気に入って、コーディネートの幅が広がったと思います。
― ファッションに興味を持ったのはいつですか?
母がデザインの仕事をしていたので、それを横目に真似していたのが、ファッションに興味を持ったきっかけだと思います。美しいものやおもしろいものが好きなので、ファッションも自己表現の一部です。
― ご自身でコーディネートする際に、大切にしていることはありますか?
シンプルなアイテムがずっと好きで、白Tやシャツとジーンズを組み合わせることが多いんですね。でも、歌舞伎の初日と千秋楽は、スーツを着てタイドアップするのがルール。そういう風に、TPOに合わせた服装は心がけています。

―〈タトラス〉は“in everywhere”をブランドコンセプトに、「機能的」、「洗練された」、「唯一無二」という3つの普遍的テーマを生かした造形美を追求しています。その3つは、ご自身のどんなところに当てはまりますか?
ぼくの「機能的」な部分は、順応性。自分のなかにいくつもチャンネルがあって、場面によって切り替えるようにしています。先ほどお話したTPOは、まさにこれ。誰と会うか、どこへ行くか、なにをするのか。それに加えて、季節感や気分で洋服や香水を選んでいます。
―「洗練された」部分は、どこだと思いますか?
それは、つねに求めています。いい意味で大人ぶらない、自分らしくいられるひとが洗練されていると思うんです。そうなるためには、深みや、バランス感覚が大事。

〈TATRAS〉DOWN JACKET ¥143,000、SUNGLASSES ¥39,600(すべてTATRAS)、〈yoshiokubo〉NYLON BLOUSON ¥82,500(yoshiokubo)、〈JOHN SMEDLEY〉KNIT POLO SHIRT ¥41,800(Lea mills agency)、〈REVERBERATE〉SWEAT PANTS ¥49,500(ELIGHT Inc.)、〈B’witch〉WESTERN BOOTS ¥148,500(B’witch)、その他スタイリスト私物

― バランス感覚とは?
簡単にいってしまえば、陰と陽。内向性と外向性のバランスが必要かと。外向的すぎると自分を見失うかもしれないし、内向的すぎると発信できない。誇張してアピールせず、自分を卑下しない。そんなバランス感覚を養いたいです。
― では、「唯一無二」は?
「唯一無二」こそ探求しているところ。唯一無二を意識しても、そうなれるわけではありませんよね。まあ、考えすぎないようにしています。あるがままに、自分のルーツを大切にしながら順応性を持って生きていけば、「唯一無二」と呼ばれるようになると思っています。