広い視野を持って、自分らしく表現する。

〈TATRAS〉MA-1 DOWN JACKET ¥143,000(TATRAS)、〈REVERBERATE〉HOODED SHIRT ¥33,000(ELIGHT Inc.)、〈Armor-lux〉TURTLENECK SWEATER ¥20,900(Armor-lux Nakameguro)、〈Wrangler〉PANTS ¥9,900(エドウイン・カスタマーサービス)、〈Timberland〉SHOES ¥23,100(VFジャパン)、その他スタイリスト私物
― 今年は映画『メンドウな人々』で初主演を務められました。舞台とカメラの前とで、演じ方に違いはありましたか?
映像の経験はまだまだ少ないので、なにかを言えるほどではありませんが、全然違いました。でも、歌舞伎で積んできた経験と共通する部分もあるので、それを映像で発揮できるようになりたいです。
― 歌舞伎と映像作品で、お互いに還元し合えるのでは?
そうですね。別ものですがつながっているので、いい相互作用があると思います。歌舞伎の舞台上でも、心情の移り変わりの表現など、細かい仕草や見えない芝居も大事な要素。そういったところでも、映像作品は勉強になります。来年は、出演させていただいた多くの映像作品が公開されます。今後も映像作品に出演したいし、現代劇にも挑戦してみたいです。

― 挑戦の矢印は様々な方向を向いていそうですね。
挑戦したいことは、たくさんありますよ。例えば、音楽。楽器を学びたいし、歌ってみたい。あと、香水が好きなので、調香もやってみたいです。歌舞伎役者に縛られず、視野を広く持って、いろんなことに挑戦したいと思っています。自分の内側から湧き出てくることを放出する。それがぼくにとって生きること。表現できなくなると、きついですね。
― 千之助さんにとって、表現することが日常なんですね。
ドラマや映画で、“片岡千之助”というキャラクターを生きている感覚です。喜劇があり悲劇もあるスリル満点な人生で、この先はどんな展開になるのか分からないけど、自分次第でどうにでもなると思っています。
― 芸歴20周年の節目ですが、この先の目標はありますか?
意外と、目標や夢がないんですよ。いまを自分らしく楽しみながら、演技に生かされていることに感謝する。それだけです。芸能生活はこれから先も長いので、先のことよりもこの瞬間を生きることが大事だと思っています。でも、興味あることには挑戦し続けたいです。表彰してもらったり認めてもらったりすることは、あとから付いてくる。ただ単純に、自分に対して素直に表現し続けていきたいです。
