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あの人のインテリアが見たい。 ご自宅、お邪魔します!
MONTHRY JOURNAL DEC.2023

あの人のインテリアが見たい。
ご自宅、お邪魔します!

「あの人、どんな部屋に住んでるんだろう?」。なかなかプライベートな部分で踏み込みづらい分、その興味が尽きることはありません。ファッションと同じか、もしくはそれ以上にパーソナルな面が反映される部屋=インテリアをのぞけば、その人のスタイルがもっと見えてくるはず。今回は河村康輔さん、山下丸郎さん、shunさんのそれぞれのリビングを中心に、こだわりやプラスで欲しいインテリアアイテムを聞いてきました。年末の忙しい時期に恐れ入りますが……、ご自宅にお邪魔します!

  • Photo_Teppei Hori(Maruro Yamashita、shun)、Takaki Iwata(Kosuke Kawamura)
  • Writer_Ryo Tajima(DMRT)
  • Edit_Yusuke Suzuki, Soma Takeda

01.河村康輔

PROFILE

1979年生まれ、広島県出身。コラージュアーティスト、グラフィックデザイナー、アートディレクター。数々のファッションブランドや企業などと協業する傍ら、作家活動も精力的に行なっている。

Instagram @kosukekawamura

「コラージュの素材選びと同様で好きなものを置きたい」

独立した作りでプライベート空間が確立されている、閑静なマンションにお住まいの河村康輔さん。広々としたリビングには効率的にインテリアが配置されていて、すっきりと落ち着いた空間が広がっています。天井周りはコンクリートが見える設計でインダストリアルな風合いがありますが、ウッド調のフローリングに温かな照明が照らされていてリラックスできる空気が来訪者を心地よく包み込みます。

〈バウンティハンター(BOUNTY HUNTER)〉のフィギュアや、同ブランドのデザイナーであるヒカル氏から譲り受けたというアメリカンシリアル、ゼネラルミルズの激レアフィギュアなど大人の遊び心をくすぐるおもちゃばかり。

ーこの家に住まわれてから何年くらいになるんですか?

河村:ちょうど1年経ったくらいですね。もともと同じマンション内の別の階に住んでいたんですけど、もう少し広くしたいと思っていたところで、この部屋が空くってことを聞いてすぐに引越しを決心したんですよ。前の部屋とインテリア自体は大きく変わっていないんですけどね。

ー〈USMハラー(USM Haller)〉のラックにフィギュアやレコードがぎっしりと詰まっているのが印象的ですが、これは以前から愛用されているんですか?

河村:そうですね。この棚は前の部屋にも置いていました。定番ですけど増減しやすいですし形も変えられるので、やっぱり飽きがこないんですよ。高いですけど(苦笑)。シンプルなデザインなのでどんな部屋にも合いますし、扉などの色も変更できるので便利ですね。

ーダイニングテーブルとして使われている丸テーブルはどんなブランドのものですか?

河村:〈ヴィトラ(Vitra)〉の『ゲリドン』というテーブルのリプロで、最初見た時に惚れ込んで友人から請ってもらいました。このマンションに引っ越してきてから数年使っていますけどほどよいサイズ感で便利です。制作や仕事もけっこうここでやっていますね。チェアも同じブランドで揃えています。

ーいま河村さんが座ってらっしゃるソファはどこのものですか? けっこう硬めで沈みこないので座りやすいですね。

河村:この〈アルフレックス(arflex)〉の『マレンコ』はこの部屋に来てから導入しました。前に使っていたソファはL字で組んでいたんですけど、そんなに人も来ないからサイズダウンしようと思って探していたところ、これを先に買っていた友人が作品とトレードしてくれたんですよ。まだ渡せていないんですけど、その友人のポートレートを作るっていう話になっています。

ーそんな風に家具のやりとりがあるなんて素敵ですね! 椅子繋がりで、この1人用のチェアはどんなものでしょう?

河村:これは〈レディメイド(READYMADE)〉のイージーチェアで、ペットボトルのキャップをリサイクルして作ったという1脚です。デザインのモチーフはジャンヌレ(ピエール・ジャンヌレ)らしくて見た目も可愛いし座りやすくお気に入りです。たまに友達が来てソファに座りきれないときによく使ったりしていますね。

ーこの趣と雰囲気があるコーヒーテーブルはどこぞの高価なヴィンテージものですか?

河村:いや(笑)、これは15年以上前に買ったのかな。20代の頃、東京に来た母が買ってくれた何でもない安物で、引っ越す度に捨てようとするんだけど、戻ってきちゃうんですよ。

ー戻ってくる、というのは?

河村:友達が引越しを手伝ってくれたりするんですけど、その話をしていたら「これは捨てちゃダメなものですね」って、粗大ゴミに出していても持って帰ってきちゃったり。家具の相談をしている友人にヴィンテージのテーブルがほしいって相談をしても、「このテーブルがヴィンテージだから変えないでくれ」って言われて話が進まなかったり。なんでかずっと家にあるテーブルなんですよ(笑)。

ーそれだけ長く使っていたら思い出も多いんじゃないですか?

河村:それこそ『大友克洋GENGA展』のコラージュはこのテーブルで作ったりしていましたけどね。当時のアトリエが物が多過ぎて作業できなくて、狭い家の中でこのテーブルで食事して制作してってこともやっていたんですけど、こんなに長く所持し続けるとは思っていなかったですよ。ここまできたら一生使い続けるのかな? なんて危惧しています(笑)。

ーラグやテレビがあって、この空間はまさにリビングという感じですね。

河村:このラグは2019年に〈バビロン(BABYLON)〉とコラボしたものですね。もうずっとカーペットを敷きたいと思っていて、とあるブランドと昨年コラボしたものを待ち続けて買わずにきたんですけど、諸事情あってそのプロダクトがドロップしたらしくて……。まだまだカーペット探しの旅が続いています(笑)。

レコードを持ち運ぶための収納ボックスも立派なインテリア。〈シュプリーム(Supreme)〉と『スカーフェイス』のコラボテーブルランプなど、これまでに河村さんが集めてきたもののディスプレイもポイントです。

ガラス張りの部屋はセキュリティカードないと中に入れないという作りになっていますが、これは引っ越してきたときからの仕様。「このスペースをどうしようかな?」と考えていたそうですが、ちょうど以前の部屋で使っていた物が整頓できてよかったとのこと。「この部屋は防音が効いているので映画を観たりすると没入感があっていいんですよ」

ーDJもされると思うのですが音響周りにはこだわりはありますか?

河村:スピーカーは定番ですけど〈ジェービーエル(JBL)〉ですね。これが音質的にもちょうどよいんですよ。見た目もかっこいいし、正直そこまで高い音質が求められる音楽や映画などを視聴するわけじゃないので、これで十分なんです。チューナーやターンテーブル、CDプイレイヤーなどは同じく〈USMハラー〉のラックに置いて。こういう統一感を出せるから、やっぱり〈USMハラー〉は便利なんです。

ーたしかに。部屋全体にまとまりが出てかっこいいですね。

河村:そういえば、実家で使っていた〈テクニクス(Technics)〉のカセットデッキとラジオチューナーとアンプがあって、もとはと言えば近所のジャズ喫茶が捨てていたものを拾ってきたものなんですけど。それがいまやヴィンテージになっていて、いま見ると見た目もかっこいいから今度帰郷したら持って帰ってこようかな、なんて思っているんですよ。

ー最後に、インテリアを揃えるうえで重視していることはどんなことですか?

河村:空間に合うかどうかっていうのは1つの基準としてありますね。そうなると木の家具が増えていくというか。あんまりウッディな雰囲気になり過ぎるのもよくないんですけど、あんまり無骨でインダストリアルなものは自宅には合わせにくいですからね。何にしても薄めのものをベースに選んでいると思います。

あとは純粋に好きなものですね。作品を作るときも同様で、好きだから使おうって気持ちでコラージュの素材を選びますからね。感覚的には一緒です。この家具を気に入ったからどう部屋に合わせていくかってことを考えるのが楽しいんですよ。こうして年齢を重ねていくと、友人も家具は財産として所持していることも多いのでトレードしたりして楽しめるのもいいですよね。そんな風に、最近ではインテリアの楽しみ方の幅が広がってきたと思います。

 狙っているインテリアアイテム 

1_〈イームズ(Eames)〉のラウンジチェア & オットマン

¥1,089,000(ハーマンミラーストア 丸の内)

〈イームズ〉のラウンジチェアは気軽に買えるような値段ではありませんが、その普遍的な魅力と機能性を考えれば納得! 「帰宅時、ちょっと横になりたいときに使いたいんですよね」

2_〈ヴィトラ(Vitra)〉のコーヒーテーブル

¥294,800〜(ヴィトラ)

「ソファの脇にちょっとしたコーヒーテーブルがあったら便利かなと思って」ということで、選ぶのであればダイニングテーブルと同じく〈ヴィトラ〉のものが候補のひとつ。

3_大きなラグ

具体的なメーカーやブランドが決まっているわけではなく、「この部屋に合う目が詰まった感じの素材の大きなラグがほしいんですが、なかなかいいのが無くてずっと探してますね…」

INFORMATION

ハーマンミラーストア 丸の内
hermanmiller.co.jp/pages/marunouchi

ヴィトラ
vitra.com/ja-jp/home

シボネ
cibone.com/

東京リサイクルインプション
tokyo-recycle.net/

ノル
knolljapan.com/

オンリーニューヨーク
onlyny.com/

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