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セットインが踏み込む、テニスウェアの領域。
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セットインが踏み込む、テニスウェアの領域。

ランニングやゴルフ、さらにはサッカーなどなど、スポーツの要素をファッションに取り入れるのが、もはや当たり前になっている昨今。そこにテニスのエッセンスを注ごうとするブランドが現れました。その名は〈セットイン(Setinn)〉。ディレクターを務める新井伸吾さん曰く「テニスコートと街って、めちゃくちゃ近い」とのこと。たしかにテニスって都会的なイメージが強い。ということは、街でも着やすいということでは? コートでも、ストリートでも、日常のさまざまなシーンをテニスカラーに染める新たなブランドについて、新井さんにたっぷり語ってもらいました。

PROFILE

新井伸吾

1980年生まれ、東京都出身。2003年に新卒で「ビームス」に入社後、2017年にメンズカジュアル部門のバイヤーに就任。以後、さまざまなスポーツブランドとの別注企画を実現させる。小学生の頃から続けるテニスでは、高校ではインターハイ、大学ではインカレに出場を果たすなど、生粋のテニスラバーとしても知られる。一昨年リリースされたアメリカ名門テニスメーカー〈PRINCE〉とのコラボ商品は、即日完売の大盛況となり、世界で最も売れているテニスのグリップテープブランド〈TOURNA〉との別注も過去に手がけている。

テニスと一緒の生活を提案したいという想い。

ーはじめに〈セットイン〉を立ち上げた経緯を教えてください。

新井:「ビームス」のバイヤーとして仕事をする中で、「次は何をやろうかな?」ってずっと考えていたんです。ぼくはいま43歳になるんですが、これから年齢を重ねていく上で、自分のキャリアをどう積み上げていくか。そうゆうことを真剣に考えていて。

やっぱり、やるなら自分の好きなことをしたい。そう考えると、自分にはテニスしかなかったんですよ。高校も大学もテニスで入学して、就職先も本当だったら実業団みたいなところに入る予定だったんですけど、ひょんなことから「ビームス」に入社して。それでもずっとテニスは追いかけていたんです。

「ビームス」に入ってからは、いろんなことを経験させてもらって、その恩返しというと大袈裟かもしれないけど、なにか貢献したいという気持ちも一方ではあって。それで一度、社長にプレゼンをしたんです。

ーテニスのブランドをはじめたい、と。

新井:いえ、実はもともと服をつくるつもりはなかったんですよ。それよりも“コト発信”をしたくて、テニスアカデミーみたいなものをつくりたかったんです。いわゆる箱ですね。

ークラブハウスのようなものですか?

新井:そうですね。クラブハウスとコート。他にもカフェや物販、あとは練習スペースとして壁打ちがあったりとか。その中で「ビームス」らしいことをしたいなぁと思ってたんです。たとえば壁打ちの壁には、これまで「ビームス T」でお世話になったアーティストに絵を描いてもらったりとか。ただテニスをするだけじゃなくて、1日中いられるようなスペースをつくりたかったんです。

それを社長にプレゼンしたら、「『ビームス』は服屋だから、まずは架空のテニスウェアブランドをつくって、それが成長してテニスアカデミーを作ったというストーリーのほうがかっこよくないか?」という言葉をいただいて。

ーつまり、ブランドからはじまる物語をつくりなさいと。

新井:ぼくはすぐに箱が欲しかったですけど、たしかにそれも大事だなと思って(笑)。それでまずはウェアブランドからスタートすることになったんです。

ー〈セットイン(Setinn)〉というブランド名には、どんな思いが込められているんですか?

新井:これは“Tennis”のアルファベットを入れ替えてできた名前です。いろいろ候補を考たんですけど、いい名前って全部商標登録されているんですよね。それで原点に立ち戻る意味で“Tennis”って書いて、文字を入れ替えながら、いい名前がないか探っていたんです。何百通りと試す中で、意味のある言葉がひとつだけ生まれて。それが〈セットイン〉。“はじまり”とか、“定着する”っていう意味があって。ぼくの中でいろんなことが繋がったんですよ。ブランドのスタートでもあるし、テニスと一緒の生活を提案したいという想いもそこには含まれているので。

INFORMATION

Setinn

Instagram:@setinn_official

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