フライフィッシングとヒップホップは似ている。


続いてのスポットに到着したところで、ジェリーさんも本腰を入れます。
ジェリー鵜飼: 普段はもっと山の中にある川を攻めているから、今回はいつもとは違うアプローチになりそう。やっぱり場所によって魚の特性も変わってくるから、それを探りながら釣れるようにがんばります!


普段から山の地図を眺め、釣りのスポットを探っているというジェリーさん。「どこまでクルマで入って、そこからどうゆうルートを辿って、狙ったスポットへ行くか。それを考えるのが楽しい」と話します。
ジェリー鵜飼: やっぱり他の釣りとフライフィッシングって全然違う。あんまり効率がよくないんです。釣るためにやらなきゃいけないこともたくさんあるし、いっぱい魚を釣りたいなら針の先にミミズをくっつければいいんだけど、そうじゃない。やっぱりフライで釣りたいんです。魚を釣るというよりも、フライフィッシングが上手になりたくてやっている感覚かな。




フライフィッシングは、川面を流れる水棲昆虫を捕食する魚の特徴を利用した釣りのこと。それらの虫に見せかけた “フライ=毛鉤” を流して魚を釣ります。だから、そこに住む魚がどんな餌を普段食べているのか。それを考えながら、周囲の環境を見渡し、どんな植物が生えていて、どんな虫が生息しているのかを観察することが大事なのです。
ジェリー鵜飼: フライフィッシングってヒップホップと似ている。ヒップホップには、ラップやダンス、グラフィティっていういろんな要素が含まれるでしょう。フライフィッシングも同じで、タイイング(毛鉤を巻くこと)をして、キャスティングも上手にできないといけないし、魚や環境のことも知らないといけない。だから面白いんです。




そうしたフライフィッシングのエレメントを学び、琉花さんもやり方が分かってきた様子。必要なフライを糸につけ、釣りをはじめます。

琉花: やっぱりフライを上手く投げるのが難しいですね。魚がどこにいるか考えて、その上で川がどんな流れになっているのか。魚がいる場所と川の流れを意識しながら、フライを投げるんだけど、思った場所にキャスティングできなくて悔しいです。

はじめてのことに苦戦中の琉花さん。それでもめげずに竿を振り続けます。
琉花: 魚に合わせてアプローチを変えるのは海も一緒。なんですけど、やっぱりフライフィッシングの方が繊細で、いろいろと考えないといけないから、釣れたときの喜びはきっとさらに大きいんだろうなって思います。
