憧れのアーティストたちと肩を並べている実感を得た。


紫 今: むかし「あなたはプロとしてなにを目指しているの?」と聞かれたことがあるんですが、答えられなかったんです。自分にとってプロになることは当たり前だったけど、それが答えられなかったことが悔しくて、いろいろ考えたんです。
いま思うと、目的はひとつじゃないんですよね。音楽をつくることはもちろんだけど、MVもつくりたいし、こうしてインタビューをしてもらうのも好きだし、ライブもやりたいし、曲をヒットさせて大勢のひとたちに聴いてもらいたいし。そうやって、いろいろやりたいことがあることに気づいて。仮にドームでツアーをしたいという目標を掲げるなら、やっぱり売れないといけないし。そのためにはテレビに出たり、大きなメディアで取り上げてもらえるようにならないといけない。がんばらなきゃいけないことってひとつだけじゃないし、夢もひとつじゃなくて。
ーいろんなことを地続きでやっていくしかない、ということですよね。
紫 今: そのすべてを叶えるために、いまはひたすらがむしゃらにがんばってます。
ー「Up Next Japan」に選ばれたことも含めて肩書きに書けることが増えると、同時にプレッシャーも強くなるし、期待されていることと、自分のやりたい表現とのあいだで葛藤を感じることも少なからずあると思うんです。
紫 今: 私はいろんな曲を書いていて、文学的な歌詞を書くことがあれば、ストレートなメッセージを書くこともあるし、その曲ごとで届けたいひとが変わるんです。だけど、有名になるにつれて「紫 今といえばこの曲」って一部だけを取り上げて、そういう印象づけがされてしまう。だけど、本当はそうじゃないということを知ってほしいです。それをするには、もっとたくさん曲をつくって、それが売れて、もっと有名になればいろんな曲を聴いてもらえると思うので、いまは踏ん張ってますね。時間の問題、いまに見てろよっていう気持ちでいます。