アイテムをひと晩干した翌朝、染色が完了したアイテムを金井さんが見せてくれました。
奄美泥染め × J.S.Homestead S/S Pocket Tee ¥10,000+TAX
こちらはシャリンバイで染めたTシャツ。パープルに近い赤褐色に染まっています。他の染料は使っていないので、これがシャリンバイ本来の色。自然由来の優しい色合いが魅力です。
奄美泥染め × J.S.Homestead Blouson ¥25,000+TAX
続いてジャケット。藍染めによるインディゴブルーと泥染の黒が相まって、奥行きのある色に染まっています。光に当たってブルーが鮮やかに輝くのは、深くて濃い影があるからこそ。その深みは泥染によってつくられています。
奄美泥染め × Dickies ×J.S.Homestead Pants ¥18,000+TAX
パンツはベージュのような色に染まりました。シャリンバイと泥染だけではこの色を表現することはできません。下地として染めた黄土色に奄美の染色技法が加わって成立しています。「いろんな組み合わせにチャレンジする」という金井さんの話にあったように、多角的なアプローチをすることで、こうした淡い色に染め上げることも可能になるのです。
金井さんと共に新しい泥染めの可能性を模索する若手の職人。この他にもたくさんの職人たちが金井工芸で働いている。
ひとつひとつのアイテムを丁寧に扱う姿が印象的だった金井さん。この工房には大島紬の伝統を守る年配の職人たちと、新しいことにチャレンジする若手の職人が在籍しています。どちらにも共通しているのは、両手を使って、染める対象をひとつ一つ丁寧に扱っているということ。機械に頼らず、受け継いできた技術を信じて確かな品質を届ける。そのため、染色できるアイテム数には限りがあり、工場で大量生産されるモノとは異なる表情がそこには宿っているのです。それを“ハンドメイド”や“手仕事”といった言葉で表現するのは簡単ですが、その言葉の核は、伝統、技術、そして職人たちの汗によって構成されています。店頭でこの商品を手にとったき、その構成要素を思い出してみてください。デザインのよさはもちろんですが、表層部分には表れない分厚い魅力を感じ取ることができるはずです。
また「ジャーナルスタンダード 表参道」では、奄美大島在住の木工作家・ Woodworks-CUEの今田智幸氏に別注し、金井工芸にて泥染め・藍染め別注を施したウッドボウルや、通常商材の皿やフラワーベースなどの販売も同時展開しております。そちらも合わせてチェックしてみてください。