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FEATURE|ロンドンに住まう若者たちの肖像 PORTRAIT IN LONDON VOL5 Yuki ミュージシャン

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ロンドンに住まう若者たちの肖像

PORTRAIT IN LONDON VOL5.Yuki ミュージシャン

EU離脱に揺れた昨年の英国。その時々の情勢によって多少の違いはあれど、いつの時代にも首都ロンドンにはあらゆる人種が集まり、様々な文化がうごめいています。これより激動の時代に入るだろう英国において、いまロンドンにはどんな人々が住まい、何を思い、どんなことをしているのか? 2016年より現地に滞在しているフォトグラファー、野田祐一郎によるロンドンレポートの第五弾です。

  • Photo & Interview & Text_Yuichiro Noda
  • Edit_Ryo Komuta

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Yuki ミュージシャン
boningen.info/

自己紹介をお願いします。

ゆうきゆうきと言います。ロンドンで音楽をやっていて、BO NINGENというバンドでギターを弾いてます。ロンドンには高校を卒業してすぐ、2004年に来て、丸々13 年ですね。年齢は31歳です。お酒と映画が好きです。出身は兵庫県の西宮市で、当時はよく大阪で遊んでました。

ロンドンに来た理由は?

ゆうき特別に何かを勉強したいというのがあったわけじゃなくて、とりあえず日本を出てみようかなって。当時は学生ビザが一番手っ取り早くて、今ほど規制もなくて楽だった。本当はニューヨークに行きたくて、メールとか送ったけどアメリカの学校からは1通も返事がこなかった(笑)。英語が下手すぎたのか、踏むべき段階を踏まずに俺が言ってたから無視されたのかわからないけど、それでもうアメリカはいいやってなって。じゃあロンドンかって。今思い返すと、とりあえず日本を出たかったかな。でも、こんなに住むと思ってなかった。自分の20代を全部こっちで過ごしてるのは重要だと思う。思春期とかティーンがあった後の20代だから、ある種2次的な人格の形成期というか。良い悪いではないけど、今の自分を形成する上では大きかった。18歳までは高校行って、親と住んでたし。

留学する時にはすでに音楽活動はやってたんですか?

ゆうきいや全く。趣味でギターは持ってたけど、ほぼ弾いてなかったし、音楽やるんだ! みたいな意気込みは全然なかった。とりあえず英語も喋れなかったし、馴染まなきゃっていうのが大きかったし、全然考えてなかったな。思い返せばとりあえず、日本から逃げたかったのかな。それで行き着いた先がここで。別に俺は音楽やるとか、映画撮るとか、デザイン学ぶとか、そういう明確なものは特に最初はなかったよ。

ロンドンの大学に行ってましたが、教育についてはどう思いますか?

ゆうき俺が行ったのは大学で、義務教育ではないから、いかようにも自分が学びたい方法で学べる。だから教育のシステム自体はそんなにわからないよね。逆に日本の大学に行ったわけでもないので、日本のことも分からないし。こっちの大学では実際、ほぼレクチャーに行かなかったし。というのも、行っても、当時英語がわかんないから。だからずっと図書館にいてずっと本を読んでた。本は好きだったので。日本人で自分達の世代だと、学校で習う英語って、どう書いてどう読むかであって、どうコミュニケートするかではなかったから、幸か不幸か文章を読んだりする力だけは学ぼうと思えば、つけられた時代。今は知らないけど。それで俺は喋れなかったけど、当時本を読んだりはできた。だから3年間の大学生活で、ほぼ友達とかいなかった。図書館が閉まるまでずっといて、ひたすら本を読むというのと、DVD化されてないVHSの映画をひたすら観るって作業をほぼ3年間してた(笑)。それが別に苦でもなかったし、その時期はただひたすらインプットする時期というか。それが楽しくてしょうがなかったな。夜に出歩くとかもほぼなかったし。酒もほぼやらなかったし、自分の糧というか、今の自分を形成した部分はあると思うよ。

さっきも言ったように、日本のことも高校までしか知らないので、比較しづらいけど、日本で育ってきた過程で、なんでこれがいけないんだろうっていうのにずっと小中高で固執してたな。何も不良じゃなくてもさ。これをやったら怒られるって、あったやん。俺らの世代だとどつかれるとかあったし。「なんであかんのやろ?」「なんでなん?」ってなった時に説明できない教師がほとんどだったから。子供に考える力を与えさせないっていうのは、日本の教育の顕著なところだと思う。時代や、学校や環境によっても変わるだろうから、一概には言えないけど、少なくとも自分のいた環境はそうだった。そして、嫌みに聞こえるかもしれないけれど、俺はそれほど努力しなかったにも関わらず、何故か結構成績が良かった。変な話、勉強ができたんよね。それもあって、中高一貫で学校行って、いわゆる特進コースみたいなのに入れられて。で、そこにいる人たちっていうのは、有名私立とか有名な国公立大学に行くようなためのコースで。でも、俺はその中で、まあ素行も悪いし、よく怒られてて。何したかは覚えてないけど、一回怒られた時に、俺ともう一人の仲良かった友達が呼び出されて、お前らはこうしなきゃいけないっていうのを教師が言ってくるわけ。高校2年生くらいっていうのは、自分は何で何がしたいかっていうのを考え出す時期でしょう、正しいか間違ってるかではなく。

例えば、いい人生って何なのかみたいなことを提示していくのが教師だったり学校で。よくある“いい大学入って、いいところに就職して”みたいことがあるよね。でも、それは先生たちというか、そっちが決めたことで、俺はそうは思わないって言ったら「それは間違ってる」って言われて。俺とその友達で「先生狂ってんで」って言ってたら、その先生は逆に「僕が狂ってるだと!?」ってわめきだしてさ、どつかれて。いい証拠やん、自分があたふたしてるやんって。はっきり言って大笑いしたよね、その時。ああもうここにいる必要はないなと。俺は大学は行かずに、ニューヨークかロンドン行きますってなったら、すごい止められて。こっちで大学までは行けよって、成績いいんだからって。まあ学校もビジネスだし、言ってることはわかるんだけど。今いる自分っていうのも、その当時の自分の決断だしね。自分の決断が正しいか間違っているかさえ、死ぬ時にしか、あるいはそれでも分からないかもしれないし。その決断がその後の自分の人生を決めていくわけだから、それにフォローしていくくらいの気持ち。

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今は普段はどんな生活をしてますか?

ゆうき今アルバムを「BO NINGEN」で作ってるから、大体スタジオにいる。LIVEとかは、あんまりしてなくて、もう本当しょっちゅうスタジオで曲を作ってるという感じかな。大体昼にやるようにはしてる。夜だと飲んじゃうから。それはそれでいいけど、ちょっと酔ってやると全然別物になっちゃうから。曲として、成り立たせる場合は、やっぱり頭はシャープであった方がいいから、人間の生活を保つためというのもあるし。ちゃんと午前中に起きたりとか(笑)。

13年住んでたら、ホームは完全にこっちにある感覚ですか?

ゆうき生まれ育ったのは日本の関西だけど、さっきも言ったように、18歳以降、20代の自分というのは、また別だと思ってる。言い方は変だけど、セカンドホームというか。実家とかじゃない限り、日本にいる時よりも、こっちにいる方が自然ではある。友達も、もうこっちの方が多いし、日々のなんでもない小さい事でも自然なのは、こっちの方かな。「BO NINGEN」も10年くらいやってるから、自分のロンドンの生活のほぼ8割は、彼らと出会ってからという感じ。

イーストロンドンが拠点だと思うんですが、街は結構変わりましたか?

ゆうきそうだね、資本がどんどん入ってきている、特にイーストは。チェーン店も増えてるし。イーストが面白いって言われていた時代っていうのは、古い場所がいっぱいあった。空き地とか廃墟とか。治安が悪かったせいで土地も物価も安かった。そういうのを利用してクラブにしたり、venueにしたりっていうのが盛んで、アーティストがウェアハウスに住むとか。でも最近は、そういった建物とか場所をインヴェスター(投資家)に売ってお金に換えてっていうのが、悲しいけど多い。不釣り合いなモダンなマンションとかがすごい勢いで建設されてるし、大分変わったと思うよ、イーストは。安全になったという側面は勿論あるし、遊ぶ場所も増えた。安全なのはいいことやけど、逆に街のキャラクターやコミュニティ性っていうのはどんどんなくなっていってる気がする。ただ、自治体というか区としては、それがいいわけ、潤うから。でもコミュニティとしては、やっぱりよくない方向ではある。あったものが、どんどんなくなっていくわけだから。面白い人たちもいなくなるしね。銀行員がダルストンで遊ぶのはクールだって言って酔っぱらってるような街だよ、もはや。でもここらへんに住んで長いし、愛着もあるからね。音楽面では未だにイーストが中心だし、友達も多い。失われていないものだってまだあるからね、中々引っ越せずにいるよ。

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街が移っていくというのは、東京だとあんまり無い気がします。

ゆうき俺は東京出身ではないし、住んだこともないけど、見てる限り、ここが今面白いよっていうエリアがあったとして、それが点在していて、交わらないし、変わらないイメージ。下北沢はずっと下北沢だし。それは非常にユニークではあると思う。ロンドンは、ここがもうダメってなったら、治安が悪くとも、もっと安くて何もないようなところに移って、そこから盛り上がってっていうのを繰り返す。その見切りの早さは多分ニューヨークとかも同じだと思うけど。パリとかベルリンとかでも、自分の経験や聞いた話だとね。だから、東京はすごく特殊に感じる。いいのか悪いのかは、ちょっと判断しづらいけど。ただ自分は音楽以外のことは分からないので、音楽、より狭義で言うとライブミュージック、やバンドシーンに限って言えば、交わらないというところだけは、つまらないと思う。例えば高円寺とかの中央線沿線の人たちが、青山でつるんだり、パーティやったり、演奏とかはしないわけでしょう。逆もそうだし。皆が皆そうではないとは思うけど。その住み分けが何でかっていうのは、色々な事情があるのだろうけど、規模を問わないとすれば、あれだけライブする場所が各地に提供されてて。これは受け入れるけど、これは受け入れないっていうメンタリティが絶対あると思う。こうでなきゃいけないっていうね、オープンではない。それは関係してる。いいと思ったものが純粋にいい、ではないんだよね。

まずライブハウスごとに担当するブッキングする人、がいるっていうのは廃止すべきだと俺は思う。お前個人の意見なんか聞いてへん、お前は実情を知らないって言われるだろうけど。まぁこうしたらもっと面白いのになっていう程度のものだよ。不思議だなっていう感じ。それが日本のやり方だって言われたらね。ライブハウスの家賃も高いし。ライブで飲まない人が多いし、つまりバーの売り上げも期待できない。でも、単純に色々交じった方がもっとおもろいと思うけどな。似たような人たちで、似たような思考と性格と趣味で集まってやるのも結構やけど、ずっとそうだとね。なんにせよ限界というのはあるから、次に進みたい、新しいものが欲しいという風になると思うんだけど。批判的になっちゃったな。まあこれは個人的な意見です。

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日本にはたまに帰ってますか?

ゆうき年に最低1回くらいは。大体夏と冬に。一回3年くらい帰らなかった時があって、 その時に、これはアカンと思った。浦島太郎じゃないけど、何やるにもソワソワ緊張しちゃって(笑)。例えば、大阪の梅田とか行くと、駅舎や周辺の光景がすごい変わってて。自分がよく遊んでたりしてたはずの場所なのに、知ってるはずの場所が、知らない所みたいになってしまっていて、切符買うのだけでも、ソワソワしたり。これで合ってるのかな?って。あと当たり前だけど、電車に乗ると誰もが日本語を喋っている、それが聞こえてきて、それがその人の言ってもない心の声が聞こえてくるようなイメージで、あんまり心地よくなかった。感覚としては、それはヘルシーなものではないなって思って。これはちゃんと定期的に帰って、親にも顔見せて、忘れないようにしなきゃなとは思った。それ以来「BO NINGEN」が日本でもLIVEやれるようになったのもあって、最低でも年に一度は定期的に帰れてるからいいけど、あの時はショックだったな、焦ったよ(笑)。やっぱり、どこまでいっても日本人だし、それはこっちに長くいればいるほど、自分は日本人だという感慨が深くなるから、いい意味で。

どこまでいっても日本人だなというのは、長くいればいるほど強く感じるように なったんですか?

ゆうき10代からこっちにいるからというのもあるけど、最初はこっちに慣れてきて、バンドも始めて、友達も増えてきてっていう感じで、それが楽しくてしょうがなかった。通俗的な言い方すると、こっちに長くいる人は多分誰でもかぶれる時期っていうのがあると思うんだよね。日本なんておもんないみたいになる時期というか。ずっと日本で執筆して、空想を繰り返した西洋かぶれの文豪達ですら、老成してヨーロッパではなく、自身の日本の文化へ還っていった人も多いでしょう。澁澤龍彦とか。少し似てる気がする。でもそれは日本を客観視できてないからであって、今は日本の何が好きで、何がよくないかみたいなのが、よく見えるようになってきたというか。 色んな意味で言えるけど、音楽にしたって、政治の話にしたって、日本にずっといたら見えてなかっただろうなっていう部分はある。例えば、日本は簡単に右翼だ左翼だって、右と左の意味も知らない10代の子供ですら良く発言するよね。日本にいた頃の自分もそうだった記憶があるし。でもロンドンにいて、家の窓にグレートブリテンの旗は掲げてなくて、まずイングランドの旗、それは国旗でもないし、スコットランド行ったら、スコットランドの旗があるし。アイデンティティというのが何なんだろうなっていうのをよく考えるようにはなった。

日本語の「イギリス」という国は、そこまで重要じゃないんだよ。イングランド、スコットランド、ウェールズや北アイルランドの人は自分がブリティッシュと呼ばれる事を嫌うように。それでもロンドンの街を歩いてて、窓にイングランドの旗が掲げてあったからって、別にライトウイング(右翼)だとは誰も言わないわけ。でも、日本だと街宣車が走ってたら右翼だとか、天皇誕生日に家に日の丸を掲げたら右翼だとかね。日本人はあまりにも偏見に満ちてるなっていうのは思うようになった。その側面も含めて、自分もそうだとより思うようになったし、反面日本が昔から持ってる美しいものっていうのは、こっちにいるから、より見えてくるっていうのもある。それは柳田國男や折口信夫を読むことで見えてくるし、三島由紀夫を読むことにも繋がると思う。日本人ってなんだろうって。よってこの質問への返答としては、年々より強く感じる、かな。

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日本の同世代に対しては、どういう印象がある?

ゆうき自分は自分のフィールド以外の人のことは、基本的に口出しするべきではないと思っていて、さらに日本のこととなると正直住んでいないので、良く分からない。で も、そうだな、全体的に“ゆるい“メンタリティに覆われている気がする。ギラギラしてないんだよね。これは表現する人も、一般的な面でも東京はまず間違いなくゆるい。例えば、東京だけではなく、ニューヨークとかロンドンみたいな大都市にいる以上は、ピリピリしている方のメンタリティが俺は好き。曖昧だけど、あくまでイメージというか、質感というかね。そこから生まれてくるもので、パンクとかモダンジャズとかもあったわけで。政治的な背景とかで、不安とか緊張がある中で生まれてきたものっていうのは、いい悪いは別にしても、絶対的なエナジーがあるから。あ、でもヒップホップは東京や日本でも未だにそういう危なっかしいところがあっていいと思う。でもそれ以外のシーンは、なんか皆仲良くしようと努めている、あるいはそうでなければ成り立たないような感じがするなあ。それはちょっと憂いてる。皆仲良しってのが悪いわけじゃないけど、別のものがあるが故に、ゆるい方もゆるくない方も、浮き立つと思うんやけど。皆で良いものを作ろうとは違う気がする。

これは極論だけど、日本に帰って実家でテレビを観たりすると、もう愕然とするもん。大丈夫かこの国?って。街を歩いていて流れてる音楽とかね。俺は自分の音楽には政治的な主張や思想を持ち込む気はないけど、日本のメインストリームはあまりにもひどい。サブカルもサウンドプロダクションも糞もないよ。ゴミとコンビニのおにぎりの区別もつかないような音楽。女性と少女の境界もなければ、少年と老人の区別もない、ある一定の音楽がどういう風に制作され、演奏され、結果ジェネラルに音楽あるいは、音たらしめている流れを止めてしまってると、個人的には思う。全員ドラッグのやり過ぎで神を見たとか、見ないとか言ってるならまだ救いはあるけど、みんな素面でしょう。危ないよ。でもそれ故に音楽だけの範囲でいうと、日本にいるから面白い人も勿論いる、マイノリティなのは間違いないけど。ロンドンとか、欧米には自分の知っている範囲では まずいないなって。なんでこんなところに目つけたんやろってって人は、今も昔も圧倒的に日本の方が多いんじゃない?それはやっぱり面白いと思う。音楽における正史/非•正史のミックスが非常に歪んでるからだと思うけどね。日本のフリージャズとかが、良い例で。どっちかっていうと、ダークな側面に傾倒しがちだけど、今も昔も変な人や音楽が多いと思う。素晴しいよね。

そういう人は評価はされてる?

ゆうきされてないと思う。少なくとも日本では。そこは問題だよね、日本の。例えば、灰 野敬二さんにしても、こっちであの人が「不失者」っていう彼のメインバンド引き連れて、ハックニーのクラプトンの教会でやった時は700人くらい来たわけ。でも日本では、100人くらいのキャパのライブハウスでsold outしない。同じラインナップでやっても、っていう状況なので。だから、音楽が社会に提供しているものというのが、はっきり言って、消費かそうじゃないかっていうだけになってると思う、日本って。音楽も一般的なアートの一翼を担っているという意識はすごく薄い。映画や絵画や、ファッションや、建築や、なんでもいい、音楽だけは乖離してしまっている。途方もなく、地下か、天空にいるかしかないというか。国も助成しないしね。それはすごく勿体ない。だから、そういう人たちは欧米でより活動するようになるんだろうし、日本から離れていくようになるって人たちは、いっぱいいる。勿体無いよね、自らの国で活動することを制限するというか。自分の国の言葉があって、自らの言語(日本語のことだけではなくて、念のため)で発信できるのに、それができない場所で高評価を得ているというのは、不思議なことだと思うと同時に、誇らしくもあるし、自分にとっても励みになる、本当に。

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ロンドンの好きなところはどこですか?

ゆうきパッと思い浮かぶのは、これはロンドンに限らず欧米はそうだと思うけど、柔軟なところかな。思考の話ね。何か面白いことがありそうだな、これ面白そうだなっていうことが起こりやすい。アイディアで終わらないというか。それを会議とかミーティングとかいう、場合によってはまどろっこしいものを介さずに、実際に起こる。ダメだったらダメでいいし、よかったらよかったねっていう。みんな何か面白いものに飢えてる感じがする。エキサイトできるものに。それに対してまっすぐな感じ。それが、ミュージシャンだろうが、映像作家だろうが、ファッションデザイナーだろうが、どんなフィールドの人でも。それが我々が、いわゆる括りでいうロックバンドで、それとは交わらないようなファッションの人でも、アートの人でも、それが無名有名関係なく、向こうが我々の作品やライブを良いと思ってくれて、こちらもいいと思えば、いわゆるコラボレーションがすごく簡単に起こるんだよね、反応し合うというか。あの瞬発力はこっちならではだなと思う。いいと思ったものは、いい。それが何であるかっていうのは別にいちいち考える必要はなくって、いいからやるっていう。利益云々じゃなく、表現や活動の肥やしになるとか、自分を向上させてくれるとか。何か面白そうだからやろうっていうのが、すごいスムーズ。経験上ね。例えば、こういう見た目してて、こういう音楽やってて、日本でもし結成して、拠点が東京だったとしたら、悪く言ってるわけじゃなくて「UFO club」とか高円寺にいそうだとかその界隈でずっと活動してるようなくくりになるでしょう、未だに。

これだけ機微とニュアンスに満ちた、素晴しい言語である日本語の中で、一番嫌いなフレーズは何か、と聞かれたら「変態サイケ」と即答します。繰り返し天地神妙に誓って言いますが、高円寺界隈を悪く言ってるわけではありませんよ。「UFO club」は好きなライブハウスだし、素晴しいライブをたくさん見たし、良いバンドもたくさんいます。ただ、こっちだと手前味噌だけど、その「変態サイケ」のバンドがMcQのキャンペーンの広告に出演して、ユルゲン•テラーと一緒にコラボレーションするわけで。そういったクロスオーバーは日本ではまず起こらない。もちろん、いいとこ取りしてるっていう認識もあるけど、それはしょうがないというか。たまたまこっちに来て、こっちでバンドもスタートしてるから、本質的にロンドンのバンドではあるし。その恩恵を受けてるっていう自覚は勿論ある。だからコラボレーションは楽しいし、より鼓舞されるし、ライブするのとはまた違う刺激だし、面白いしありがたいと思う。あと音楽だけをとってみても、こっちでやる方が健全だと思う。ある程度、こっちでエスタブリッシュされてるというのもあるけど、仮に日本で始めてたら、ここまで続いてないと思うよ。今年で、結成10年なんだけど、日本で初めてたら、まずライブハウスの人にブッキングして、ノルマがあって、チケット何枚はけなくちゃってのがあって、どうしたってやりたいことと現実の差がありすぎる状況に、皆立ち向かわないといけない。いいとこ取りっていうのは、そういう意味もあって、ロンドンはそういうのがないから。昨日組んだバンドで無名だろうが、パブでライブやって人が入って、バーの売り上げがあれば、その日初めてやったライブで£50もらえたりとか。大した額じゃないけど、モチベーションになるし、これで今日飲めるやんとか、人によっては、ドラッグ買おうとか。何かしらプラスに繋がるっていうのがこっちの良さ。勿論それだけが理由ではないけど、13年もいると、こっちがほぼホームだしね、居続けるというよりはもっと自然なこと。だから色々あるよ。好きなところ。

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ロンドンの嫌いなところは?

ゆうきそれも勿論色々あるんだけど、そのほとんどが自分が日本人というところに起因してるものが多い。時刻表が存在しない、遅延は当たり前といった交通機関がゆるいことに関しては、まぁいいかなって。遅刻の言い訳にもできるし(笑)。郵便関係はひどいよ。機材とかも、イギリスにないものをアメリカとかから買うってなった場合に、時間がかかるのは当然としても、届かないっていう状況が普通にあるからね。日本に住んでる人にとっては当たり前のことだろうけど、不在届けがちゃんと入ってるし、それにドライバーの番号が書いてあって、タッチの差で受け取れなかった場合でも、その番号にかけ直したら戻ってきてくれる。あと時間指定もできるというのがね、衝撃だよ。そんなサービスがあること自体。こっちはいなかったら、ドアの前に荷物置いていく配達員もいるし、隣の家に預けていくとか、そんなのザラだしね。つまりまあ、その人が余りにも怠惰で働かないことだね。カスタマーサービスという語彙は本来英語のはずなんだけど。おかしなことに。

日本の好きなところは?

ゆうき人かな。あの独特の“空気を読む”っていう表現とかさ、一応、英語にもあるんだけど、全然意味合いが違ってて。沈黙や「間」の捉え方とかも、やっぱり独特だしね。あとは基本的に自分より先に人を立てたり敬うっていうメンタリティーは、美しいと思う。そういう細やかさというか、言語化や翻訳ができないような、機微みたいなもの、そもそもの美意識が欧米や他の極東のアジアの国とも違うよね。すごいなって帰るたびに思う。あとこれは皆言うと思うけど、食事とその素材のレヴェルの高さ。これはもう異常。外食においても質、価格と利便性のバランスが崩壊してるよ。24時間オープンしていて1000円しない値段で、どこの街や駅にもあって、当たり前のラーメンとか牛丼屋が、こっちでは当たり前じゃないからね。未だに帰るたびに歓喜の慟哭を禁じ得ません。

日本の嫌いなところは?

ゆうき偏見に満ち満ちていること。歴史を学ばせないこと。あと、井の中の蛙、大海を知らずじゃないけど、イギリスも日本も同じ島国で、イギリスは他の国の人がたくさん住んでいて、日本の場合、単一民族っていう意識が異常に強い。未だに大東亜共栄圏が生きてるよ。高齢の方を除くと、今の若い人がほぼ理由もなしに、中国や韓国の、近い人たちを嫌うとかっていうのが、結構衝撃だった。位置関係だけでいったら、日本と中国とか韓国って、イギリスとフランスとかドイツみたいなものでしょう。その根拠のない異常な誇りみたいなものが、それはきっと教育とか戦後のアメリカの指導とか冷戦とかの影響だと思うけど、あれはいただけないと俺は思う。年寄りが保守に走るのは当たり前だけど、若い人が意識がないから。俺だって、どうでもいい部類ではあるけど、こうなってああなったら自分にどう影響してくるのかっていうのを一切考えてない若い子たちが多い。自分の活動や生活に関わってくる問題なのに、自分の国のリーダーや政党に無関心というのは、ちょっと危ないなって思う。こっちの子はどれだけ狂ってて、放蕩の限りを尽くす、まあ無茶苦茶なライフスタイルの子でも、そこだけはしっかりしてるよ、みんな。自分たちのことだよっていう意識がちゃんとある。日本は帰るたびに、そこはちょっと大丈夫かって毎回思う。あまりにもチルし過ぎてるというか。好きなことやってるのは、勿論いいし一番大事だけど、それでいいの?って思う。別に政治活動をしろとか、一定の政党をサポートしろっていう事じゃなくて、意識の部分でね。

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イギリスのEU離脱に関しては、どう思いましたか?

ゆうきこの国も、ここまでアホなんだなっていうのが最初の印象だった。ヨーロッパの中でも一番国際的なロンドンという都市を抱えてる国で。昔のあり方というか、大英帝国の潜在的な影響なんじゃない? 自分たちが一番になりたかった国の1つだから。 ロンドンの若い人たちは、離脱が20%、ステイが80%くらいだったけど。トランプのアメリカも、そういう意味では一緒だと思う。ニューヨークとかの大都市ではトランプは劣勢だったけど、内陸ではほぼ圧勝だったし。外国人や海外の文化と関わったことのない田舎の白人の人たちにとっては、おそらくは関係のないことだもんね。世界がどうなろうが、彼がどれほどミソジニストだろうが、人種差別をしようが、それよりも、自分たちの生活があるし、彼らは彼らのリアリティがあるから。愛国的であればそれでいいんだよ。普段全く政治に関する発言はしないけどね。そう考えた時に、最初アホやなと思ったけど、一概にそんな単純ではないとは思った。経済効果の面や、移民政策の側面も大きいので、単純なわけはないんだけどね。勿論、嘆くべき事態ではあることは確かだけど、70年前は自分たちの国が一番って言って、戦争まで起こしてたわけだから。またそういった時代になるのかもしれないし。自分はブレグジットによって、そこまで左右されないから客観的な部分はあるけど。この国に住むには、俺は13年前からビザが必要だったわけだし、基本的には傍観してる。

自分の周りだと、大体がミュージシャンとかデザイナーとかアーティストの友達が多いから、UKから離れて活動することを念頭に置いてるんじゃないかな。今まで問題なかったことが、急にできなくなる可能性があるし。それは、ヨーロピアンの子だけじゃなくて、ブリティシュの子も。UALに通ってる子が一年インターンがあって、パリとかアントワープでやろうと思った時に、ビザが必要になってきたりするわけだからね。予想もしてなかっただろうし。でもまぁ、俺もどうにかやってきたし、同じフィールドに立つみたいな事だから、嘆くことは簡単だけど、それに対してアクションを起こすのか、享受してその中で自分が何ができるかっていうのを突き詰めてやっていくかだと思ってる、誰もが。自分ができることをやるのが大事。でもそれも一生続くものではないし、自分が生きてる間に終わるのかもしれないし。 自分がやるべき事があって、何があるかわからない状況で、与えられたものにいかに自分を奉仕できるか。それだけかな。

ロンドンに来て、ここは変わったなというところ、変わらないなというところはありますか?

ゆうきはっきり言って、自分のことをあまり理解・把握していないのだけど、俺は良くも 悪くも人からはエゴイストだって言われる。悪い意味で言われる場合の方が多いけど。 そこは多分変わらないし、変えたくても変わらない。だから、もう変える必要はないかなって。それが色濃くなったというのはあると思う。歳とれば益々変えにくいものだし、どうあっても最後は自分みたいなのは、永久に譲れないと思う。それが別にいい結果を生もうが悪い結果を生もうが、結局自分の判断だから。だから、すごいざっくり言うと俺は、多分嫌な奴なんだよね。でも変な話、俺はそれでいいと思ってる。人って勿論変わっていくものだし、4、50歳になって変わっていくこともあると思うし、好ましい変化かどうかっていうのは置いといて、人はどうあったって変わっていくから。ただ、その中でそこは変わらないのかなって今は思ってる。 あと、こっちに来て、単純に柔軟にはなったとは思う。それはやっぱり、色んな国の人と会うから、ロンドンにいると。それは友情もだし、恋愛においても。それで、柔軟になったところはあると思うけど、自分のエゴというか、どうあったって「俺や」みたいなのはこの先もたぶん変わらないと思う。いいか悪いかは別で、それで友達がいなくなることもあれば、誰かを傷つけることもあるし、逆にずっと関係が続くこともあるし。でも、そういう事も日本にずっといたら考えてなかったと思う。同化していくからね、日本って。もちろんみんながそうではないけど、一般的な社会のあり方としては、バランサーになるのが一番いいというか。

でもね、当たり前のことなんだけど、一人一人の在り方も違うし、恋人関係にしたって友人関係にしたって、全てのリレーションシップというのは、その人それぞれ。だから、自分がどう変わってどう変わってないかとかと、自分がどうあるべきかっていうことに関しては、悲観も楽観もしてない。積み重ねだし、その上で今の自分ができること、自分が自分であることっていうのは 異なってくるから。自分が40歳になったらまたわからんし、50歳になったらそれもまたわからんから。だから、例えばこれも日本に多いけど、この歳になって、こんな事してるの?っていうのは、あんまり信じてない。わかりやすいのは、そろそろ落ちつけよっとかっていうの、あるやん。お前いくつなんだからさ、とか。っていうのは、人からいろいろ言われるだろうけど、実際すでに言われた経験も何度かあるけれど、俺は信じてない。それが、人として間違っていようがっていうレベルでだね。いわゆる倫理観、モラルみたいな事は、どこの国とか人種であっても、育ってくる過程で学んでくるもので、一番エクストリームな人間のタブーである、殺人、 食人、近親相姦とか、強盗とかさ、それらを除いて、年齢とかバックグラウンドに限って限定されて、これをやって良くてこれはダメ、こうするべき、こうするべきじゃないっていうのは、ナンセンスだと俺は思う。ロンドンでこういう風に思えるようになった、変化した。日本の「こういう風に思えない」状況から逃げることに成功しているんだね。良いとこどりです。そう思われても構わないし、実際そうだよ。

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未来については、どんなことを考えてますか?

ゆうきずっとこっちにいる気はする。大雑把な感覚でしかないけど。自分が今別のところにいるっていうイメージは想像がつかないから、いるんだろうし、いるべきだと思う。自分個人の展望みたいなのは、あんまり考えてないな。等しく歳をとっていくし。ただ単純に過去があって、今があって未来があってって、一方向に進んでいくだけではないっていうのは、ずっと思ってる。それは音楽にしてもそうだし。時間は止まらないと思うけど、必ずしも一方向ではないっていう風に思ってるから。実際にはそうだとしてもね。今というところに固執すればするほど、その時点ですら、未来になってるし、過去を反芻してるとも言えるし。絶え間なく進むってことではないと思う。止まることもあるし。仮に80歳くらいまで生きるとして、そこに至るまでに自分と自分が向き合ってるものが、未来のためのものであることには間違いないけれど、絶対一方通行ではないんじゃないかっていう風に考えて生きていきたいとは思ってる。じゃないと後悔だらけやし。戻りたいやん。振り向きた いやん(笑)。オルフェウスだよ、正に。オルフェウス的投影。現実の世界はこうだからって、切り離して考えちゃうだけだと、あまりにも味気ない。必ずしも過去があって今があって未来があるっていう図式が、本当にそうなのか?と思って生きていくだけで、違うと思うし。観念的な話としてね。思い出すっていう行為だって、それでしかないでしょう。それは非常にノスタルジックな行為で、失恋した時、誰かを亡くした時とかもそうだし。それは誰しもがやる行為だけど、気づいてないだけというか。それって、少なくとも戻りたがってるわけやん? 矛盾に絶対的に立ち向かっていかないといけないっていう。誰でもやること。後悔すること、許し合うこと、思い出すこと。例えば、来週のプランを立てるとかでもそうだし。わかりきってることと、わかんないことの区別を人は無くしがちやから、自分を含めて。今の一点というのがなんなのかっていうのは、凄く見つけるのが難しいから、結局見つからないまま終わるんだろうなっていうのが、自分の今の所の結論やけどね(笑)。

ただ、投げかけというか、果たして時間は未来に向けてのみ進んでいくのかっていう気持ちを常に持ち続けて、音楽を演奏している気はする。わかりやすいのが、音楽とか映画。途切れずに時間が継続してるっていうのは。音楽だったら極端なものを除けば、だいたい3-5分くらいで1曲終わるわけじゃん。映画だったら2時間とか。でも、その中で行われているものは、必ずしもまっすぐではない。一点からAに行くわけじゃなくて、BにもCにも行ったりするわけで。単純だけど、実際の人間の一生にだって、そういう考えがあってもいいかなと思うだけだよ。あと、速さとかいうものの捉え方も。テンポが早ければ早いのかっていうと、そうじゃない。BPMが遅くても、早く感じるっていう方法はあるわけで。ヘヴィさみたいなのも然りで、全部のチューニングを落として、ヘヴィなことをやるのが重いかって言ったら、それだけが重いではないし。それは前後のコンテクストを含めてのことだし、他の楽器との関係性も作用してくる。 そして楽曲を作ってる側は、また感覚が違うしね。同じ5分の曲を制作して演奏する、そして聞くっていう行為は、完全に別のアクティビティで異なった5分間だから。”今”なんていうのは、はっきり言って無いに等しいんやけど、そこは自分で設定しないと完結できないから。決めつけに近いけど、何かにかけてやるしかないから。それが正しいか間違ってるかっていう風に考え出すと、俺は何もできない。その結果、何かを失っても、それはその1つのたどり着いた結果というだけで。それでも得られるものがあれば、俺はそれでいいと思って生きてる。未来に正解があるとは思えない、ただ少なくとも、自分が何を欲しいかっていうのを知ってることっていうのは大事かな。 自分はこうやなっていうのは、少なくとも。音楽が好きなんだよ。だからまあ自分と深くもっと付き合えるようにはなりたいけど、身体が動く限りはアルバム作って、ツアーして、出逢って、愛されたり、愛したり、裏切ったり、裏切られたりして、生きていくんじゃないですか。だいぶ良い感じに酔っぱらってきました。

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留学したいと思ってる日本の子に何かあれば。

ゆうきしたいなら出るべきだと思う。ロンドンだろうがニューヨークだろうがパリだろ うが、どこでもいい。ベルリンだろうがシドニーだろうがモスクワだろうが、ブエ ノスアイレスだろうが、ケープタウンだろうが、北京だろうがコソボだろうが、グ リーンランドでもいいしムンバイでもいい。行きたいと思ったところに行くべきだ と思う。やっぱり自由だとはいえ、歳をとると縛られてくるものでしょう。10代とかでやりたいと思ったことは、みんな色々あるだろうけど、物理的に可能な状況にいるのでれば、絶対行くべきだと思う。とりあえず行ってみる、しのごの言わずに。行ってどうなるかなんて、自分もわからなかったし、こうなるとも思ってなかった。こんなに長くロンドンにいるとも、ミュージシャンになってるとも思ってなかった。とりあえず行動を起こすのが絶対1番だと思うな、わかんないから。もし、何か学びたいってものがあるんだったら、学べる場所を選ぶべきだし、俺みたいに特にないけど、漠然と何かどっか出たいっていうのがあったら、尚更とりあえず出てみるべきだと思う。行ってみなきゃ本当にわからないよ。こればっかりは。行かないと一生わからないけど、行けば何かわかるし、何かは確実にね。嫌いかもしれないし、好きかもしれない。予想通りであることはほぼないと思うけど。時間とともに街の印象も、自分との関わり方も変わってくるしね。例えば雑誌に載ってるロンドン特集とかいうのは嘘ではないんだけど、はっきり言ってリアルじゃないね。海外のインディーズのバンドのインタビューとかで、例えばコカインだヘロインだみたいな単語がよく出てくるけど、そういう類いの雑誌を読んでた、日本のごく普通の高校生だった当時の自分としては、一切つなぐものがないでしょう、麻薬っていう括りだけで。それがどんなものかも分からないし、それがどういう事を引き起こすかも知らないわけで。 文字だけの経験じゃ難しい。文字1つとっても、こっちでいうpartyと日本でいうパーティって違うしさ。だからこのインタビューですらも、読んだ人が「こいつ何言うとんねん? 意味わからん」と思う余地は残しておきたいけどね。実際これ話してて酔っぱらってるし。留学したいなら行ってみたら、わかるんちゃう?くらいで(笑)。直接話したって伝えられることなんて、たかが知れているしね。参考にとも思わないけど「分からない」ってことに、しがみついて生きることも、また一興だということを皆忘れがちだから。ロンドンに住んでて音楽やってて、こういう人もおるんやなって思ってくれれば、それでいいかな。

BO NINGEN
boningen.info/

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