配色の妙と振り幅の広さ=〈コロンビア〉の魅力。

長年〈コロンビア〉の古着を買い付けしてきた藤井さんと土井さんだけに、普段から説明不要の愛用者。そんな2人の古着の〈コロンビア〉の私物を一部持ち寄っていただきました。ここでは好きなモデルや〈コロンビア〉の魅力など、たっぷりとお話しいただきます。

―もともと〈コロンビア〉には、どんなイメージをお持ちでしたか?
藤井:1990年代のダックハンターカモのゴム引きのセットアップが印象的で。ダス・エフェックス(※クレイジー・ドレイズとスクーブによる2MCのHIP HOPユニットで、1990年代に活躍)が着ていたよね。
土井:うん。着てたね。ティンバー(※〈ティンバーランド〉)のブーツを履いて。
藤井:そういうひとが着るブランドなんだっていうのが入口。でもその後、日本でいろんな別注があって、みんなが肩肘を張らずに着られるブランドだなってイメージが変わった。そして古着を取り扱うようになって、自分も着るようになりました。いまでは、ひとを選ばないブランドって印象です。
土井:ぼくの場合、ダス・エフェックスが〈コロンビア〉を着ていたと認識したのは、アメリカで〈コロンビア〉と実際に触れたあとのこと。それから古着で買うようになって、おもしろいディテールが多いなってイメージでした。ここに気を遣うんだって、着眼点が変わっているのがいい。フィッシングラインの〈コロンビアPFG〉とかトレッキング&トラベルライン〈コロンビアGRT〉とか、独自機能の名前もキャッチーで分かりやすくて好きですね。そういうところが、ユーザーに寄り添っている印象です。
「コットンウッド」は前期・中期・後期に分かれていて、2人は主に前期と中期にスポットを当てて収集している。3色を用いたカラーリングは独自性があり、〈コロンビア〉らしさを感じるポイント。
〈コロンビアGRT〉のシャツとインターチェンジシステムを採用した『クアッドパーカ』のインナー、ナイロン素材の「マウンテンパーカ」。トレッキングやハンティングなど、幅広いアウトドアシーンで愛用されてきたどれも〈コロンビア〉が誇る名作です。

〈コロンビアPFG〉のパンツを土井さんは「水着としても使ってますね」とのこと。〈コロンビア〉の生みの親であるガード・ボイルの愛称でもあるタフマザーの名がついた〈タフマザージーンズ〉のデニムショーツは珍しいアイテム。ポケットの位置や素材使いに気が利いていて、ギアとして着用できることが分かります。
―お気に入りの〈コロンビア〉のアイテムはなんですか?
藤井:最初に手に入れたのが「コットンウッド」。ポケットがおもしろいし、なにより配色がいい。全色集めたいって思って、まだ探し続けています。非の打ちどころがないですよ。うちのスタッフはみんな大好き。復刻してもらいたいくらい。
土井:ぼくも「コットンウッド」の色が好き。基本的に3色使いで、〈コロンビア〉のいいところが全部詰まっている気が。レディースだったりするけど、逆の配色は必ずあるんですよね。
―確かにカラーリングが絶妙で、ほかのブランドでは見かけない色を組み合わせていますね。
土井:「コットンウッド」はつくりが大きいから、なかに着込むことができて便利なんですよ。寒い春先は、カバンに入れておけばいいし。あと裏地が付いていないアウターだと、シルエットがあんまりよくないんですけど、これはコシがあるから形を保ってくれる。着回せて、すごく使いやすい。
藤井:色を合わせるためにわざわざタグをつくっていて、コストがかかっているんですよ。そういう点も含めて〈コロンビア〉はいいブランドだと思いますね。

取材で訪れた際に「プロップスストア アネックス」で販売されていた2000年リリースの「パウダーケグ」(¥11,000)を発見。古着のためインナーは付属していません。ネイビーとグリーンの組み合わせが洒落ています。
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