HOUYHNHNM

東京・中目黒に位置しながらも、限りなくカリフォルニアに近い空気感を漂わせるショップ「SUNDAYS BEST」のYOKさん。お店さながらのゆるい空気感をまとった人柄にファンも多く、知る人ぞ知る名物オーナーだ。常に笑顔を絶やさぬその姿は、まさに夏の太陽的な存在。古くからの友人が手掛けるブランドを身につけているからか、どこか肩の力が抜けたリラックスした装いに。

人気イラストレーターにして、若者に人気のブランド〈I&ME〉も手掛ける小田原さん。彼女の魅力といえば、トレンドとは一線を置いた個性的な着こなしと歯に衣着せぬ物言い。そしてトレードマークのアイウェア。この日披露してくれた夏のスタイルは、海外のスタイリッシュなスケーターを彷彿とさせるタックインが見どころ。一見難易度の高そうなフォルムのサングラスも自然と馴染ませてしまう着こなしには脱帽だ。

かつては倉庫だった建物を改築し、現在は自身が手掛けるブランドのショップ兼アトリエを構えるWINさん。90年代当時の原宿カルチャーを知る生き証人でもあり、スニーカー、バスケ、グラフィティを中心にその界隈の造詣は博士並み。足もとには名機として知られる〈NIKE〉ダンクの「温故知新」モデルをチョイス、威風堂々とした夏の着こなしを披露してくれた。40代でこれだけ金髪が似合う人もそういないはず。

毎シーズン、コンセプチュアルなテーマを掲げ、半歩先の時流を読み取り、独自のアプローチを提案する〈METAPHORE〉。そのデザイナーを務める川口さんは服への深い愛情を持ちながらも、他とは一線を画すユニークなセンスも持ち合わせる人物。ヴィンテージの柄シャツにクリアフレームのサングラスを合わせ、上品に昇華させた着こなしには熟練の技が垣間見える。

若い頃に傾倒していたというスケートカルチャーをはじめ、ユースカルチャー全般に関心の強い竹崎さんも、ブランド同様にカルチャーが背景に見え隠れする人物。スタイリストという服選びのプロであるが故に、自身のスタイリングにも独自のロジックがある。この日は“テキ屋のアンチャン”をテーマに掲げ、北野武監督映画から抜きでてきたような見事な着こなしを披露してくれた。

最近リニューアルを果たした、代官山の隠れ家的カフェとして知られる「pells cafe」のバリスタとして日々働く渡邉さん。小動物のような人懐っこい笑顔と自然と滲み出る気遣いによって、訪れる人たちにとっても自然と憩いの場となっている様子。そんな渡邉さんの着こなしは、ボーイッシュな要素を随所に散りばめたレイヤード感がポイント。女性らしいアクセサリーの取り入れ方もグッドセンス！

俳優、モデル、ミュージシャン、スケーターなど数え上げれば枚挙に暇がないほど多彩な才能を持ち合わせる大柴さん。長年シーンの第一線で活躍し続け、現在も多くのファンから尊敬の眼差しを受ける稀有な存在だ。その理由はきっと、誰にでもフランクに接することのできる懐の深さにあるのかもしれない。そんな大柴さんの着こなしは、性格同様に20年前と変わらず普段通りを貫く大柴裕介スタイルだった。

サーフやモーターカルチャーを背景として持つ〈Rough and Rugged〉のデザイナーENOSHIさんは、モデルのようなプロモーションが目を惹くファッション界きってのスタイルアイコン。ブランド名にもある通り、東京生まれらしくラフで気さくな人柄が印象的。この日はブラックとグレーを軸にした大人のストリートライクな着こなしで登場。巷で話題のTシャツをさらりと合わせるセンスにも脱帽だ。

ファッション関係者やアーティストなど感度の高い人々が集う渋谷の美容室「bloc」で次世代のトップスタイリストとして頭角を現すのが、若くしてスタイリストディレクターを務める丸林さん。ヘアカットのみならず、メイクの分野でもファンが多いことでも知られる。そんな丸林さんは夏らしくインディゴカラーのセットアップを颯爽と着こなし、小顔の冴えるサングラスが引き立つスタイルを披露してくれた。

「BALABUSHKA REMNANTS」のデザイナーを務める傍ら、東京を拠点とするランニングチームの「AFE」や最近巷でも話題のベースボールキャップブランド〈’47〉でディレクターを務めるDKJさんは、自他共に認めるスポーツフリーク。そのスポーツへの飽くなき愛情は着こなしにも十分に注がれ、まさにスポーツとファッションの融合を見事に体現してくれた。

モデルやタレントが足繁く通う話題のネイル&アイラッシュサロン「HOME」をプロデュースする難波さんは、アイリストとしての評判はもちろんのこと、その華やかなファッションセンスにも定評がある。そんな若い女性から絶大な人気を誇る難波さんの着こなしは、ノースリーブトップスにワイドデニムを合わせたベーシックなスタイル。彼女曰く夏のコーディネイトはいかにシンプルに着こなすかがテーマのだとか。

国内のBMXカルチャーを語る上で欠かすことのできない存在である中村さんは、自身が運営陣としても携わる〈430〉をはじめとする数々のブランドからスポンサードを受ける超本格派。現役のライダーとしてはもちろん、様々な立場からシーンの繁栄に情熱を注ぐ中村さんのコーディネイトは、真夏に相応しいカリフォルニアスタイルを表現。ストローハットにデニム、そして自身のトレードマークともなるサングラスが三位一体となった着こなしだ。

フリーランスモデルとしてレディースファッション誌やブランドカタログなどで活躍するKaranさん。メンズブランドへの関心も高く、レディースにこだわることなくミックス感のあるスタイルが得意分野。さらにストリートからモード、コンサバと変幻自在なスタイリングを魅せる彼女のこの日の着こなしは、難易度の高いハイウエストのワイドパンツを難なく攻略。是非とも参考にしたい好例だ。

80年代はスケートボードに明け暮れ、90年代にサーフィンと出会ったことを機に海外を放浪する旅に出た新倉さん。その旅の最中でアート作品の制作を始め、現在は駒沢公園近くに構えるカフェ「NICO」を手掛けながら、「RVCA ANP」のアーティストとして絵画を中心とした作品を多く発表するなど精力的に活動。常に等身大のスタイルであり続ける新倉さんのスタンスは、同世代のスケーターやアーティストから一目置かれる理由として納得だ。

雑誌の編集者を経て、現在はアーティストマネージメントやアートショウのディレクションなどで手腕を発揮するキュレーターの池田さん。国内外を問わずインディペンデントなブランドや無名なアーティストにも積極的に目を向けるその姿勢は、池田さんの着こなしにも如実に現れる。そしてこの日の主役となったのは、池田さんにとって定番のボストンブロータイプのサングラスとヴィンテージのボーイスカウトシャツだった。