水を防いで、汗を逃がす。その仕組みを検証!
― ゴアテックス スニーカーは「水を防ぐ」「汗を逃がす」という機能性の高さで知られています。Yoppiさんとseidaiさんとその技術的な仕組みをご存知ですか?
Yoppi: 私はこれまで「アトモス」でのゴアテックス スニーカーのポップアップの取り組みを進めるなかで、平井さんから詳しくご説明いただく機会があり、ある程度は理解しているつもりです。
seidai: ぼくはまったく知らないです。防水性が高いことは知っていますが、その仕組みについて考えたことはないかも。
― 平井さん、解説してもらってもいいですか?

平井: わかりました。ゴアテックス スニーカーの最大の特徴は、高い防水性と透湿性を両立していることです。
seidai: 透湿性ってなんですか?
平井: 汗を水蒸気として外に逃がす機能のこと。透湿性は、ゴアテックス スニーカーが快適な履き心地を実現している大きなポイントです。
seidai: だからドライな履き心地なんですね。
平井: 一般的な防水のシューズを例に挙げて考えてみましょう。たとえば、ゴム長靴。水には強いけれど、長時間履き続けると蒸れてしまいますよね。
seidai: たしかに、ゴム長靴は蒸れます。
平井: なぜゴム長靴が蒸れるのか。透湿性がないからです。一方、ゴアテックス スニーカーは、防水性だけでなく、透湿性も確保しています。汗を水蒸気として外に逃がすから、シューズ内部が蒸れにくく、長時間履き続けても快適なんです。また、防風性も備えているので、冷たい風が吹く日でも足の体温を快適に保持してくれます。
seidai: なるほど。そういうことなんですね。
平井: ゴアテックス スニーカーの技術的な仕組みをご説明しましょう。ちょっとこれを見てみてください。

seidai: それはなんですか?
平井: ゴアテックス メンブレンという、薄いフィルムです。ゴアテックス スニーカーのライニング生地にラミネートされています。

seidai: かなり薄くて軽いですね。
平井: このメンブレンには、微細な孔(あな)が無数に空いています。孔の大きさは水蒸気の700倍で水滴の20,000分の1。水蒸気は通しますが、水は通しません。メンブレンをライニング用の生地でラミネートしたゴアテックス ファブリクスをソックス状にしたものがスニーカーに内蔵されているので、外部からの水の浸入を防いでくれます。


seidai: 外からは見えない内側に秘密があるんですね。全然知らなかった…。ゴアテックスって外側の素材のことだと思っていました。
Yoppi: 「アトモス」のお客様でもそう思っている人は少なくありません。私自身、平井さんから説明されるまで誤解していました。
平井: 続いて、デモンストレーション用のキットを使って、透湿性の具体的な機能について説明しましょう。

seidai: 左のほうには「ゴアテックス ファブリクス」、右のほうには「ビニール素材」と書いてありますね。
平井: それぞれにお湯を注いでみると、すぐに違いがわかりますよ。


seidai: ん? 水を通さないのはどちらも同じだけど、左のゴアテックス ファブリクスのほうはコップが曇ってきました。
平井: 曇ってきたということは、つまり…、どういうことだと思いますか?

seidai: あ! 細かい孔から水蒸気が排出されているから?
平井: その通りです。ゴアテックス ファブリクスの透湿性を視覚的にご理解いただけたと思います。
seidai: はい。すごくわかりやすかったです。
平井: 続いてもうひとつ。今度は手袋を用意しました。片方は「ゴアテックス ファブリクス」、もう片方は「ビニール素材」です。左右それぞれの手に着けてみてもらえますか。


seidai: 右手に着けたビニール素材のほうは、徐々に蒸れてきて、ちょっと不快な感じ。一方、左手に着けたゴアテックス ファブリクスのほうは、ドライなままで何も感じません。
平井: ですよね。ゴアテックス ファブリクスの透湿性がどういうことか、おわかりいただけましたか?
seidai: よく理解できました! ゴアテックス スニーカーの快適な履き心地の裏には、こんな仕組みがあったんですね。