PROFILE

福岡県生まれ。2014年に〈キディル〉をスタート。デザイナー自身が90年代に体験してきたパンクカルチャーを軸に、現代の新しい精神を心に宿した不良たちに向けた服を制作。2022年にTOKYO FASHION AWARDを受賞、2021年より発表のベースをパリに移す。以降、国内外を問わずシーズンごとに話題を呼び続ける。
PROFILE

滋賀県生まれ。文化服装学院を主席で卒業後、イタリアでファッションデザイナーとして経験を積む。帰国後、ミュージカルや舞台で帽子・ヘッドピースの制作に携わったことをきっかけに、帽子職人としてのキャリアをスタート。2009年より拠点をフランスに移し活動開始。2019年には帽子職人部門における「フランス国家最優秀職人章」を日本人で初めて受賞し、同年に帽子ブランド〈ヒヅメ〉を始動。
二人の共通点。

―約2年前、共通の知り合いのパーティーを通してパリで出会ったということですが、お互いの第一印象は?
日爪: ヒロさん(末安さん)ってパンクで尖ったものをつくっているひとだから、キャラクターも尖ってるひとなんだろうって思っていたんです。だけど会ってみたらめちゃくちゃ腰が低くて、物腰柔らかくて、情熱があるひとだった。
自分はパンクからは遠いところにいるので、パンクの世界のことはわからなかったんですけど、これだけ情熱というか、熱量を持っているひとってなかなかいないなぁというのが第一印象ですね。
末安: 情熱…、日爪くんが情熱を語ると説得力ありますね。『情熱大陸』出ちゃうくらいだからね(笑)。自分は岡本太郎さんがすごく好きなので、やっぱり情熱は…ある方だと思います。技術は続けていればついてくるものですが、それよりも大切なものってやっぱりパワーとか情熱。ぼくもそれを日爪くんから感じましたね。

日爪: 肌感覚として、パリにいる外国人で5年10年と残れるひとって、ポジションがどうであれ、熱量というか、情熱がないと難しいと思うんです。ヒロさんの熱量は、パリで長年やっている自分と共鳴できるものだったから、何か一緒にできたらおもしろい化学反応が起きるんじゃないかなって思いました。

末安: 東京からパリに進出したら、フランス流のエレガンスに染まっちゃうこともあると思うんですけど、自分はそれに流されず、とにかくひとと違うもので勝負したいという想いがありました。そんな時に、たまたまタイミングよく日爪くんに出会って、やっていることは違うんだけど、根本にあるものは一緒だなと思うことが多々あった。それを感じられるひとってなかなかいないので、今では本当に数少ない同士だと思っています。