加賀美さん＆ゴローさんのザギン珍道中。

中津川： 普段一緒にお仕事をさせてもらっていて、その縁で今回やらせてもらうことになりました。

加賀美： 思いっきりコネを使ってもらいました。

一同：（笑）。

中津川： 打ち合わせのときに「ドーバーに〈セパバス〉を置いてもらうのが夢なんだ」って加賀美さんがお話されていて、それじゃあ聞いてみましょうってなったんです。

加賀美： だけど、聞いてみてダメな場合もあるんでしょう？

中津川： きっとあると思いますね。スケジュール的にNGっていうケースもあるでしょうし。

加賀美： 俺がゴローさんに声をかけたの。去年にとあるブランドがドーバーでやるイベントに招待されて、たまたま隣の席にゴローさんがいたんだよね。そこで食事をするみたいな会でさ。

中津川： めちゃくちゃバンズがデカいハンバーガーが出てきましたよね（笑）。

加賀美： そうそう（笑）。それでゴローさんとコラボしたいなと思って、一応〈セパバス〉のスタッフに確認したら「『ミンナノ』でチャリ買いました！」って言っててさ。さっそくゴローさんに訊ねてみたら、すぐにOKしてくれて。

中津川： もう即答でしたね（笑）。〈セパバス〉は長谷川昭雄さんとのコラボも見てましたし、ルックに出演しているモデルの子が撮影で一緒になったりして、親近感を勝手に感じていたんです。

中津川： ぼくはずっと加賀美さんっておしゃれだなって思っていたんです。だけど、加賀美さんのファッションに注目しているひとってあんまりいないじゃないですか。もちろん友達レベルではいたりするんですけど、どちらかといえば作品とか、普段の活動が語られがちですよね。

その中で加賀美さんの私服のサイジングとか、スエットの色褪せ具合とかがすごくいいなぁって常々思っていたので、つくりたいっていう提案をしましたね。

加賀美： まさかそんなアイデアを持ってくるとは思わなかったからビックリしたよ。

中津川： 「そんなこと言われたことない」って仰ってたのが意外でしたね。真っ先に目がいくところだと思うので。加賀美さんってみんなに親しまれているけど、生身の加賀美さんを知っているひとはそんなに多くないですよね。ぼくはそれを知っているので、勝負できるとしたらそこしかないというか。新しくグラフィックを描いてというよりは、そっちのほうがおもしろいんじゃないかって思ったんです。

加賀美： おもしろいアイデアだよね。

加賀美： うちって南向きの部屋だから、日当たりが超いいの。だから着ているものがあっという間に日焼けしちゃうんだよ。ジーパンも同じやつを何本も持っているんだけど、その中から色落ちがいいやつをピックアップして、シルエットは少しだけ太くしたんだよね。

中津川： 〈セパバス〉の生産背景がしっかりしているので、それを活かしてあえてオンボロなものをつくるのがおもしろいと思って。

中津川： かなりやりなおしましたね。全身揃えたら加賀美さんになれます（笑）。

加賀美： めちゃくちゃいい感じになったよね。ゴローさんのストーリーも含めておもしろいと思ってもらえたらいいね。「そもそも加賀美って誰！？」ってなったらどうしよう（笑）。

中津川： いやいや、それはないですよ（笑）。

加賀美： そうなってもおもしろいよね（笑）。