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隅田川ローカルを自由気ままに散歩して、釣りもして。
In town and fishing wearing FISH LOCAL

隅田川ローカルを自由気ままに散歩して、釣りもして。

ソルトルアーを中心に展開するフィッシングメーカー〈ブルーブルー(Blue Blue)〉が、今季アウトドアアパレルブランドをローンチしました。その名は〈フィッシュローカル(FISH LOCAL)〉。世界中にある釣りスポットにフォーカスを当て、その地域に根ざした実践的な機能性と空気感をプロダクトに反映する、ユニークなコンセプトを掲げています。お披露目となるファーストコレクションのテーマは“SUMIDA”。隅田川は国内屈指のシーバス釣りのスポットでありながら、ご存じのとおり周辺の街は魅力たっぷり。そんな下町を満喫して釣りも楽しめる隅田川を2組の仲間たちがぶらりと散歩して、まったりとした1日を過ごしました。

  • Photo_Masashi Ura
  • Text_Shogo Komatsu
  • Edit_Yosuke Ishii, Shogo Komatsu

自分と向き合う時間。

ー器のセレクトショップ「proto 器とタカラモノ」にやってきました。みなさん、器が好きなんですね。

荒谷: いつも一目惚れで買っちゃいます。この一輪挿し、すごくいいですね。

佐藤: ぼくもこの一輪挿しが気に入った。

ー2人ともお花を飾る習慣があるんですか?

荒谷: いまは桜を飾っています。

佐藤: ぼくも日頃から飾るようにしているんです。

荒谷: 気に入った一輪挿しとかマグカップとか、愛着のあるものを部屋で使うと、嫌なことがあっても少し和らぐ気がするんです。

佐藤: 家で過ごす時間って、誰にも見られないじゃないですか。自分だけの時間と空間ですけど、そこに価値を見出してお気に入りのものを使うのは、心の豊かさそのものだと思うんです。誰かに見せるわけでもないのに、こだわりを持って満足するのは、すばらしいと思います。

多田: ぼくはなにかを所有すると、自分のフットワークが重くなっちゃうと思っていたんですよ。だから、いままでは自分の部屋を全然大切にしてなくて、外にばかり目を向けていました。でも、荒ちゃんと出会って、荒ちゃんの生活の豊かさが曲に直結しているんじゃないかと思ったし、岳歩のレストランの内装も、心が豊かだからこそ素敵なんだって感じました。それでぼくも生活を豊かにしようと自炊を始めて、器にも興味が湧いてきたんですよ。そうしたら、なんてラブリーな時間なんだろうって思った。日用品ひとつで、こんなに気分が変わることを2人から学びました。

ー3人ともお気に入りを見つけて、お買い上げされましたね。

荒谷: 店主さんが作家さんを丁寧に説明してくれて、ストーリーを感じました。愛を感じる、納得の買い物ができましたよ。

ー休憩がてら「封灯」へ来ました。ここは詩人の小山将平さんがオーナーを務める詩的喫茶です。ドリンクやスイーツに、小山さんの詩が添えてあります。

荒谷: 入口付近は喫茶店っぽくなくて新鮮です。

佐藤: そうだね。時間と言葉が漂う空間って感じ。詩が添えられているのがおもしろいです。

ーコーヒーが提供されてから、詩をじっくりと読む時間がいいですね。

多田: 最初に詩について話し合うと、そのあとの会話も変わると思います。

佐藤: 改めて言葉と向き合うのも大事ですね。小説とかエッセイじゃなくて、言葉が凝縮された詩と向き合うことはあまりなかった。言葉を考えるきっかけになった、いい時間でした。

荒谷: 誰かに話したくなるし、連れていきたくもなるね。

多田: ここにしかない経験があるよね。それをシェアできるのがいい。岳歩に出してもらった詩、いいね。

佐藤: うん。『惰性 IS GOLDEN』すごくいい。

ーどんなことが書かれているんですか?

佐藤: 日常のなかに潜む美しさや些細な豊かさについて書いてありました。すべてに意味を求められる時代だけど、必ずしも全部がそうじゃなくて、なんでもない瞬間も美しく豊かだ、と。

ーお客さんの雰囲気や注文したもの、時間帯に合わせてスタッフさんが詩を選んでくれるそうですよ。あと、「封灯」では、手紙を書くと1年後に届くサービスもあるんです。

多田: 荒ちゃんだったら、なに書いてた?

荒谷: 1年後か……。アルバムをリリースしようと思っていて、いま考えているタイトルを手紙に書いて答え合わせしたいな。あと、いまの心境を書いてみたり。どういう思いで活動していて、これからどこを目指しているか。それが変わらないのか、新しい感性を持っているのか。それを手紙に残したいな。

ー多田さんと佐藤さんは、考えていることを文字に起こすことはありますか?

多田: MVを作るときに企画書を書いたり。頭のなかで考えたイメージを、どんな言葉を選べば的確に伝えられるか考えます。

佐藤: ぼくはカフェレストランを経営しているけど、メインの仕事は空間作り。ブランドとコンセプトを考えて、その場所に命を吹き込むのがぼくの仕事なんです。そのために、キーワードや心情をメモ帳に残しているんですよ。新しいプロジェクトを始動させるとき、メモ帳に蓄積した言葉を見返しています。

荒谷: それ、いいね。考えていること、感じていることって、結構すぐに忘れちゃうからね。