数ミリのステッチワークに宿る品格。これぞ、L.L.の美学です。

〈L.L.ビーン〉の服って、どうしてこうも魅力的なんでしょうね。特にこのゼロ年代初期のアイテムが好物です。

今回紹介する生成りのワークシャツもいいツラしてます。

ゴワッとタフなコットン地に走らせたステッチワークが、軽快なリズムを生み出してませんか？ ステッチって、いわば服の留め具であり、下支えする裏方だと思うんですよね。

フランス料理で言うところのフランベ、中華で言えば火加減、和食なら出汁、みたいな。

そんな目に見えない部分にフォーカスし、デザインとして昇華させる小気味良さったらないです。どこかで見たことがあるような既視感があったんですが、HAg-Leさんがズバッと言い当ててくれました。

「90年代のジルボーに似たルックスですね」

いや、そうなんですよ。おっしゃる通り。

ストリートのツンとした香りは控えめで、どこかモードな風が鼻先をかすめます。ショーツにガバッと合わせるスタイルでいかがでしょう。

アメリカンアウトドアがつくる優美繊細な一着。そのギャップがまたいいんですよね。