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#04 小林真理(編集部)
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01
文春新書
村上春樹・柴田元幸の『翻訳夜話2 サリンジャー戦記』
読書体験を何倍にもしてくれる。
『ライ麦畑をつかまえて』(以下、『ライ麦』)を思い出すと、初めて読んだ中学生の頃も同時に思い出す。多感な当時の、大人に対する怒りや社会に対する義憤みたいなものを形にできずにいた自分を、代弁してくれていると感じたのが、同作品の主人公、H・コールフィールドでした。ここでは『ライ麦』そのものもさることながら、この作品について語った解説書をオススメさせてもらいます。本書では村上春樹と柴田元幸の二人が永遠の青春小説とも呼ばれる『ライ麦』を丁寧に解体、解説していきます。『ライ麦』を読んだことのない人には入門書として、読んだ人には解説書として、この上ない“本語り本”なのは間違いありません。
¥740+TAX
文藝春秋
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02
KAPTAIN SUNSHINE
キャプテンサンシャインのコート
カジュアルと高貴のこの塩梅!
なんだか気恥ずかしいのと自分には似合わない気がして、長年ロングコートを敬遠してきた。しかし、昨今のロングコートの盛り上がりを見るにつけ、徐々に、そして確実にコート欲が高まっています。とはいえ、トレンチコートのようなお上品なアイテムは無理があるのだけど、かたやショップコートというきわめてカジュアルなアイテムでもあまりに芸がない。その点、このキャプテン サンシャインのコートは、細身すぎないシルエット、機能的なラグランスリーブ、大容量のフラップポケットというカジュアル仕様ながらも、佇まいは非常に洗練されているという絶妙なバランス。このコートをバサっと羽織って、ラフに着るぐらいがちょうどの気分なのです。『ライ麦』のH・コールフィールドならば、本とハンティング帽をポケットにねじこんで、ニューヨークを歩いている気がする。
¥64,000+TAX
お問い合わせ先:CLIP CLOP 電話:03-5793-8588
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03
ASICS Tiger
アシックスタイガーのゲルライトⅤ
ネイビー一色という魔力。
猫も杓子も同じブランドのスニーカーばかりを履いている昨今ですが、ほかの人と差別化をはかりつつも、奇をてらわないデザインのスニーカーというとなかなかないわけです。そんなわがままに応えてくれるのが〈アシックスタイガー〉のゲルシリーズ。アシックスのランニングシューズの代名詞ともいえる、シリコンを使った衝撃緩衝材「GEL」を搭載しながら、レトロな雰囲気満載のデザインは、日常使いにぴったり。いい意味でいなたいというか、デザインされすぎていない感じは、H・コールフィールドにぴったりな気がする。それにしてもネイビー一色というのは、どうしてこうも色気があるのでしょうね。
¥12,000+TAX
お問い合わせ先:アシックスジャパン株式会社お客様相談室 電話:0120-068-806
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04
FAIR TRADE ORIGINAL
フェアトレードオリジナルの食器
理屈もデザインも秀逸。
デザイナー、ピート・へイン・イークが作るものは、デザイン単体の力強さもさることながら、その背景に隠されたな巧妙なコンセプトにも感嘆してしまう。タイで製造される、この食器は、皿やコップ、取っ手の厚みなどが統一されているが、その理由はこの厚さが一番製造しやすく、難しい技術が不要だから。つまりは製造面から考えられたユニバーサルデザインなのです。という蘊蓄はさておき、このぼってりとした厚み、きれいな彩色などデザイン面だけでも魅力十分。グッドデザイン+フェアトレードという、まさに鬼に金棒の製品といえます。人の善意やピュアネスに敏感なH・コールフィールドならば、このプロジェクトに賛同してくれると思います。
左から¥1,500+TAX ¥1,300+TAX ¥1,800+TAX ¥2,200+TAX
お問い合わせ先:HOEK 電話:03-6805-0146
www.hoek.jp