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#06 長嶋太陽(編集部)
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01
filmelange
フィルメランジェのスウェットトップス
スウェットに抱かれる秋。
生まれたその日から、人の肌とコットンは一日たりとも離れず、そばに寄り添い続けているわけです。ワードローブの品質表示を見れば一目瞭然。「綿」を身につけない日はありません。そんな身近な素材を扱うことにおいて盤石の支持を得ているのが、ご存知〈フィルメランジェ〉。ド定番のスウェットトップスに今季採用された新素材は、地厚でやわらかな杢コットン。表と裏で異なる色の綿糸を使用しているから、わずかに透け感のあるメランジ具合が特徴的です。そして、特筆すべきはそのなめらかな着心地。服に抱かれているかんじ、という表現がどう考えてもいちばんしっくりきます。幼少からともに育ち、大人になった今でも優しく体に寄り添ってくれる。なんだかコットンが愛おしく思えてきますね。
スウェットシャツ ¥25,000+TAX
スウェットプルオーバー ¥28,000+TAX
お問い合わせ先:HOUSE FilMelange 電話:03-6447-1107
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02
ANDERSEN-ANDERSEN
アンデルセン アンデルセンのセーター
一生モノ論争に決着を。
「トレンド」という言葉にはアレルギー反応を覚えるのに、「一生モノ」には揺れ動いてしまいます。コマーシャルワードだとわかっていても、「ずっと使える」という言い訳を許してくれる服はやはり魅力的。〈アンデルセン アンデルセン〉のニットはまさにそんな一着で、ガッシリとした素材感に太めの畝と、密度濃くしなやかな着心地は、時の洗礼を経てなお増してゆく魅力を予感させます。藍染のネイビーは非常に珍しい製法により染色されているのだそうですが、工場の所在地やその技法の詳細は非公開。一説によるとイタリアの田舎の小さな工場らしいのですが、藍の定着率を高く仕上げる技術はあまりに稀少で公表できないのだとか。そんなこと言われたら、一生かけて検証してゆかなくちゃいけないじゃないですか。ズルい。
左 ¥74,000+TAX 中、右¥42,000+TAX
お問い合わせ先:MAIDEN COMPANY 電話:03-5410-9777
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03
NEAT
ニートのワイドパンツ
縁の下ならぬ、膝の下の力持ち。
ずいぶん前から欲しいと思っていたワイドパンツ。自分にとっては馴染みのないアイテムだし、自転車のチェーンに挟んじゃいそうだし、短足に見えたら嫌だし、とウジウジ決めあぐねていましたが、15AWにデビューするパンツブランド〈ニート〉のそれがバシッとフィットしてくれました。足を通した瞬間に、理屈を置き去りにして「欲しい」と思わせる。できたてホヤホヤのブランドなのに、そんな強引な魅力を秘めているわけです。テーパードとワイドの2型、各6色のみという潔いラインナップもさることながら、起毛感のあるウール・フランネルのやわらかさとスラックスらしい上品さのバランスが絶妙で、過剰な主張のない縁の下の力持ち的匿名性こそが、パンツの矜持なのかもと。ちなみに、〈ニート〉とは、定職につかずグダグダ…のアレではなく、その正反対とも言える「行儀のいい」「きちんとした」という意味の英語なのだそうです。オシャレなレストランもどんとこいな汎用性を誇りますが、自転車のチェーンだけはやっぱり気をつけたほうが良さそうです。
¥33,000+TAX
お問い合わせ先:NEAT 03-6455-1103
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04
Aeta
アエタのレザーリュック
実験音楽のようなバッグ。
「スティーブ・ライヒ」があらゆる角度から「音楽」にアプローチしミニマル・ミュージックに辿りついたように、〈アエタ〉のデザイナーは、レザーという素材に対しとことん向き合った帰結として、このミニマルなプロダクトに行き着きました。圧縮する、プレスする、折りたたむ、植物を圧接する(?)など、生産工場で思いつく限りの「実験」をレザーの上に施し、施行錯誤を重ねた末に洗練を獲得していったわけです。「変態」という最大級の賛辞を送りましょう。ちなみに、生産はバングラデシュ。メイドインジャパンは高品質の代名詞のように言われていますが、海外の工場にしかできないこともあるのだと豪語されていました。と、ここまで書いておいてなんですが、〈アエタ〉はバッグ専門でもレザー専門でもなく、モノづくりにまつわる「出会い」を活かしてプロダクトを制作するフレキシブルなクリエイティブ・レーベルなのだそうです。そのあたりも離散と集合を繰り返すプログレッシブ・バンドを彷彿とさせるなあと。
¥45,000+TAX
お問い合わせ先:alpha PR 電話:03-5413-3546
www.aeta.website