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#05 長嶋太陽(編集部)

エンターテイメント・イズ・ジャスティス
スーパーマンVSバットマン。とんでもない力技ですよね。アメリカのエンターテイメント産業はとにかくすごい。大統領選さえもエンタメにしちゃうくらいだし。そのポップな姿勢を見習って、もっとおもしろがって生きてみようジャパニーズ・ピーポー!

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01
LQQK STUDIO
ルックスタジオのパーカとロングスリーブT

シンク・スモールな服 ポートランドという言葉はさすがに聞き飽きましたが、小商いの時代を牽引したという意味ではやはり避けて通れないキーワードです。日本においてもそんな思想を継承し、小さくも骨太に運営されるショップがあります。一つは「min-nano」、そしてもう一つは「BACKDOOR/SUPPLY」。世界広しといえど、〈ルックスタジオ〉の定常的な卸先はなんとこの二店舗だけ。(ポップアップなどで限定的に取り扱うことはあります。)これはひとえに、ビジネス上の付き合いではなく、人対人のコミュニケーションを積み重ねてきたがゆえ。人間の営みを感じますね。あ、このブランドの魅力については、アンプラグド03の「AMERICAN INDIE BRAND」をご参照ください。はい。お察しの通り、今回は雑誌の告知を兼ねてますよっと。
パーカ ¥20,000、ロングスリーブT ¥7,000(すべて+TAX)

BACKDOOR 03-6804-7037

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02
C.E
C.Eのスウェットパンツ

ポストモダンのフロンティア そうです。言わずと知れた日本のブランドです。日本のブランドなんですけど、いろいろ調べてゆく中で、その強大な影響力に今更気づきました。「ポストモダン」という新たなストリートの世界線は、〈C.E〉が切り拓いたフロンティア。大小・国籍を問わずさまざまなブランドがこの新たなる大地に集い、それぞれのクリエーションが花開いています。狙っても一筋縄ではいかない領域ゆえ、ロゴモノとは一線を画す複雑でアーティスティックなデザインが魅力。〈C.E〉らしいアイテムといえばやはりTシャツやスウェットシャツになると思うのですが、敢えてこの主張しすぎないパンツを推したいなと。ちょっと矛盾しますが、このブランドの本質はカテゴライズされないスタンドアローンな姿勢にこそあるとも思うんです。
¥18,000+TAX

C.E www.cavempt.com

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03
N.HOOLYWOOD EXCHANGE SERVICE × WILD THINGS
N.ハリウッド エクスチェンジサービス × ワイルドシングスのセットアップ

オールブラックの切り札 またもや日本を代表するブランドですが、ブランド名に「ハリウッド」と入っているので勘弁してください。最近、ミリタリーのディテールが共通して持つ、非ファッション的なムードに惹かれているということを自覚しました。このコートは襟元と袖口のマジックテープがまさにそんなポイント。本気っぽいイナたさとファッション的な洗練の完璧な共存は〈N.ハリウッド〉のお家芸といったところです。オールブラックは、ともすればギラついたキメキメ感が出てしまうのですが、この無骨さが程よく中和してくれています。ところで、「フェスいこ!フェス!」という魔法の誘いはいつ何時、誰の身に起こるかわかりません。信頼のワイルドシングスが担保する機能性は、アウトドアシーンで圧倒的に活躍することでしょう。準備は、万端だ。
各 ¥48,000+TAX

Mister hollywood 03-5414-5071

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04
crepuscule
クレプスキュールのサーマルニット

昭和最終世代のアメリカ観 正直なところ、アメリカに対して特別な思い入れってないんです。まだ行ったこともないし、憧れみたいな感覚もない。MADE IN USAはちょっと嬉しいけど、それだって誰かの受け売りのような気がする。たぶん僕らの世代にとって、アメリカというのは日常の一部なのだと思います。フルハウスを観て育ち、毎週のようにマクドナルドに足を運び、ギャップのTシャツとリーバイスのジーンズを身につける。それが当たり前。歴史が手繰り寄せたアメリカの文化・経済圏が根付いた後の社会が、僕らの思春期の背景にあるのでしょう。この一着は、普段はオーバーサイズのゆったりとしたニットの印象が強いcrepusculeから発売された、インナーとしても着用可能なコンパクトなサイズ感のワッフル・サーマルニット。アメリカ的質実剛健の象徴であるサーマルを、同ブランドらしい繊細さによって再構築するというアプローチに、勝手に共感しました。たぶんデザイナーの方、同世代なのでは。
¥12,000+TAX

オーバーリバー 03-6434-9494