突然ですが、“アラン・スミシー”という映画監督をご存知でしょうか?
彼のフィルモグラフィーを辿ると、西部劇やラブロマンス、SF、ホラーまで、実に幅広いジャンルが並びます。手札の多さに驚かされますが、実のところその正体は1968年から1999年にかけて使われていた、架空の映画監督名義なのです。
詳しい説明はウィキペディアに譲るとして、ここで言いたいのは掴みどころのない“謎”が、ときに人を引き寄せる大きな引力になり得るということ。
だからこそ、不定期リリースやデザイナー不明といったヴェールに包まれている〈アントワート(Antwort)〉に魅力を感じてしまうのです。業界内外から注目を集めているのもそういったところからでしょう。
そんな〈アントワート〉から、10月2日(木)ミニマルなアノラックパーカーが登場します。
SHADOW NYLON ANORAK
Color:BLACK, GRAY
ナイロンを用いた一着は、熱収縮による自然なシワ感が表情を生み、光を受けて上品な陰影を描きます。軽やかな生地は、秋口には羽織りとして、寒さが深まればインナーとして活躍。撥水性も備えているため、バッグに忍ばせておけば頼れる相棒となってくれそうです。
寡黙すぎるほどに声を潜めるブランドですが、アイテムを深く掘り下げれば、その背後にはストイックなモノづくりの姿勢が浮かび上がります。とはいえ、彼らが貫くのはあくまでも“クワイエット”。海外インディペンデントマガジンを思わせるビジュアルも、無機質でありながら、どこか日常に潜むユーモラスを忍ばせています。
クールな佇まいの中に、ときおり見せる笑顔。そのギャップに思わず心を奪われてしまう、まさにそんなブランドなのです。
さて、このアノラックパーカーを皮切りに、秋冬のアイテムがリリースされることが予告されています。
情報が氾濫する社会にあって、あえて逆行するような姿勢だからこそ、一挙手一投足を追いたくなるというもの。不定期なリリースに備えて、常にインスタグラムはチェックしておいた方が良さそうです。