軍手を思わせる風貌に、鮮やかなカラーパレットとモダンなタイポグラフィ。これぞヴァージル・アブローの面目躍如といったところだろう。
ヴァージル手がける〈ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)〉のファーストコレクションは、アクセサリー・コレクションの切れ味がとりわけ鋭い。
ヴァージルが愛してやまないバッシュをモチーフにした一足はいわずもがな、ロゴを3Dで表現したサイケデリックなバンダナ、レインボーをモチーフにしたストール、真っ白なキャットアイ・シェイプのサングラス…どれをとってもストリートをラグジュアリーに昇華するというヴァージルの流儀が貫かれている。
そのコレクションをすんなりと受け入れることができるのは、もちろん時代感を捉えているということもあるけれど、何よりリスペクトを忘れないスタンスが伝わってくるからだ。くだんのグローブを例に引けば、甲にプリントされたタイポグラフィは創業年の1854、本社住所のPont Neuf、トランク職人の大切な工具であるハンマー、そして創業者のポートレートなどから構成されている。さながら〈ルイ・ヴィトン〉のヒストリーブックであり、この老舗への愛は溢れんばかりである。
この美談は多くのメディアが紹介しているけれど、ショーが終わり、ランウェイを歩くヴァージルは盟友、カニエ・ウェストをフロントロウにみつけると、涙を流して熱い抱擁を交わした。
大の男には少々厄介な感情を刺激してしまったのは、“憧れの” メゾンで存分に手腕を振るうことのできた達成感にほかならない。
Photo_Hiroyuki Takashima
Text_Kei Takegawa
Edit_Ryo Muramatsu
Louis Vuitton Men’s SS19 Pop-Up Store
期間:〜1月31日(木)
時間:11:00〜19:00
住所:東京都渋谷区神宮前6-35-6
※製品の状況により開催期間が変更になる場合もあります
ルイ・ヴィトン クライアントサービス
電話:0120-00-1854
www.louisvuitton.com