アメリカンハードコアの重鎮、キース・モリスがキュレーションするイメージクラブリミテッドの全貌。

Keith Morris（L）、Douglas Williams（R）

70年代中期から現在に至るまで、パンクカルチャーに身を置き、これまでにBLACK FLAGやCIRCLE JERKSといった伝説的バンドで名を馳せたキース・モリス（Keith Morris）。2009年にはOFF!を結成し、いまもなおハードコア界を牽引する重要人物です。

そのキース・モリスが、これまで培ってきた音楽的エッセンスを存分に注ぎ込んだTシャツブランド〈イメージクラブリミテッド（IMAGE CLUB LTD.）〉を2007年にスタートさせました。このブランドは、キースのホームタウンであるロサンゼルスのストリートやライブフォトがTシャツにプリントされ、これらの写真は彼と親交のあるエドワード・コルヴァー（Edward Colver）とゲイリー・レオナード（Gary Leonard）のアーカイブです。

今回、「ジャーナルスタンダード表参道」で開催されたポップアップイベントに合わせて、キースとファウンダーのダグラス・ウィリアムス（Douglas Williams）が来日。これまでのキャリアや〈イメージクラブリミテッド〉の全容を二人に訊いてみました。

ー〈イメージクラブリミテッド〉を始めた経緯について教えてください。

キース：友人でフォトグラファーのエドワード・コルヴァーが、俺の所属していたCIRCLE JERKSのライブフォトやアルバムジャケットを撮影していたんだ。その写真をもっと多くの人に知ってもらいたいと思い、ファッション業界に詳しいダグラスに相談して〈イメージクラブリミテッド〉を始めたんだ。彼はRED HOT CHILI PEPPERSのベーシスト、フリー（Flea）がやっているベースブランド〈フリーベース（Fleabass）〉のディレクションもしていたから適任だったよ。

ダグラス：そうそう。2年前に、キースがこれまで友人たちが撮りおろした写真をTシャツに載せて発信したいと持ちかけられたんだ。それが〈イメージクラブリミテッド〉の始まりだ。

キース：〈イメージクラブリミテッド〉はエドワード・コルヴァー以外に、ゲイリー・レオナードというヤツもフィーチャーしている。そいつはバンドのライブというよりは、ストリートにある面白いものを切り取ることが得意なんだ。例えば、駐車してあるアルファロメオが燃え上がっているのとか。そんな写真撮るヤツ、なかなかいないだろ（笑）。

ダグラス：主にロサンゼルスの音楽やスポーツ、エンターテイメントに関わるすべてをフィーチャーしているといっても過言ではないね。

ー二人にとって、ロサンゼルスは特別な場所なのでしょうか。

キース：そうだね。ずっとここを拠点に活動をしてきたし、いろんなことをロサンゼルスで見てきた。それをとどめておく理由はないと思うしね。

ー〈イメージクラブリミテッド〉の写真はどのくらいの年代が多いんですか？

ダグラス：このイベントで展示販売されている写真は80年代初期のものがメインだけど、幅広い年代をカバーしているよ。

キース：もちろん、その年代以外にも70年代のものもあるし、今後は若いフォトグラファーをフックアップして行きたいとも思っている。「プレイボーイ」のアシスタントフォトグラファーの作品をTシャツに刷ったりとかね。

ダグラス：時代やテーマを毎シーズン変えて、自分たちのペースでやるくらいのスタンスがちょうどいい。

ーいま気になっているアーティストはいますか？

ダグラス：RED HOT CHILI PEPPERSだね。

キース：昔からお互いのことを知っているし、彼らの良さを存分に引き出せる自身があるんだ。とは言っても、カリフォルニアを象徴するスケートボードやサーフィンなどのカルチャーにもスポットを当てて行きたいなとは思っている。

ー今回「ジャーナルスタンダード」とタッグを組み、イベントを企画したきっかけは？

ダグラス：元々、キースと何か面白いイベントをやろうと企んでいたんだ。そこで、彼が70年代に所属していたBLACK FLAGやCIRCLE JERKSのアートワークを担当していたレイモンド・ペティボン、ショーン・ケリーをフィーチャーしたパンクカプセルコレクションをつくろうって、「ジャーナルスタンダード」と盛り上がったんだよね。そこから、こういったアイテムをつくりたい、この写真を使いたいなどの意見を擦り合わせていったんだ。

ー最後に、今後の展望について教えてください。

ダグラス：ファッション業界に30年ぐらい携わっているので、いいものを作れば売れるっていうのは大体分かっているんだ。そして、俺たちは山ほどのアイディアを持っているし、それを生かすコネクションもたくさんある。だからこそ、やれることは無限にある。

キース：〈イメージクラブリミテッド〉はTシャツをキーアイテムにやっていきたいというのは根底にある。そこから色々なものに広がっていくと俺は信じている。

最後に、ポップアップイベント初日に開催されたオープニングパーティの模様をお届け。来場していた方々のスナップとともにどうぞ！