ポップなカラーをまぶしたノルディック・パターン、豪華絢爛なカーペットにインスパイアされたというボタニカル・パターン、ホワイトをベースとしたサイケデリックなグラフィック・パターン、極彩色のニットが不規則に走るボーダー・パターン…。
いずれも伝統的なパターンながら、仕上がってみれば唯一無二の存在感がある。ひとえにそれは、色使いの賜物。やっぱり〈ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)〉は “色の魔術師” だ。
2014年にパリの装飾芸術美術館で『インスピレーションズ展』が開催されて話題になったことは記憶に新しいが、つまりは〈ドリス ヴァン ノッテン〉はアートなのである。
もちろん、そのシルエットもファブリックも申し分がない。テーラードとの相性もいい、寸止めのオーバーサイズ加減も、エクストラファイン・メリノを惜しげもなく使ったその肌触りも、うっとりする域にある。
Photo_Hiroyuki Takashima
Text_Kei Takegawa