【劇場鑑賞券プレゼント】岡崎京子原作、映画『ジオラマボーイ・パノラマガール』は21世紀の都市に若者のもがきを見る。

見知らぬ土地の女子高生が自殺、国会前でデモ行進をする大人たち。テレビから流れてくるニュースと地続きの世界に生きるハルコとケンイチは、21世紀の日本、東京に住んでいます。

今回ご紹介する映画は、同じ出来事が量産されていく時代のなかで、自分の存在と感情はどこにあるのか、彼女らがあがきながら見つけていく物語です。

原作は、若者の形容しがたい痛みを表現する漫画家・岡崎京子さんの『ジオラマボーイ・パノラマガール』。映画『PARKS パークス』などでおなじみ、瀬田なつき監督がメガホンを撮りました。そして若手俳優のなかでもトップを走る、山田杏奈さんと鈴木仁さんを主演に据え、映画という形で現代に蘇ります。

〜ストーリー〜
東京に住む平坦で平凡な高校生・渋谷ハルコ、16歳。ある夜、橋の上で倒れていた神奈川ケンイチにひとめぼれする。“世紀の恋”だとはしゃぐハルコに対して、真面目でおとなしいケンイチは、衝動的に学校を辞めてしまいそれどころではない。さらに、勢いでナンパした危険な香りのする女の子・マユミに夢中になっていく。ふたりの平行線の恋はどこへ行くのかー。

ある日をきっかけに、小さな点でつながったふたり。しかし、それぞれ別の世界線で別の物語が動いていきます。

ハルコは高校の友達との、ほとばしるような青春を過ごしながらも、どこかもの足りなさを覚え、未知の世界へ。知らない感情を覚えていくにつれ、変わっていくハルコの表情。だれかがだれかを想う、その行為の暴力性について考えさせられます。

一方、衝動にまかせて学校を辞めたケンイチは、自分を求めてくれるだれかを探し、大学生のマユミに出会う。のめり込んでいく彼は、彼女が抱える痛みに触れ、人間の価値について気づきはじめます。

原作同様、主人公らが放つ言葉には、ふしぎな重み（軽やかさ）が内包されています。それは岡崎京子が当時（80年代）の社会に突き刺したかったものだったり、かの有名な一節を引用したものだったり、はたまた俳優自身から吐露されたようなものだったり。ひとつひとつ掬いあげたくなるような台詞にも注目してみてください。

時代が巡れど、ひとの神秘は変わらず。彼女らはその目を通して、眼下に広がっているであろう景色を見ることができるのか。公開は11月6日（金）。ぜひ劇場でその岡崎ワールドを浴びてください。

そしてフイナムでは、劇場鑑賞券を3組6名様にプレゼントいたします。応募詳細については、下記をご確認ください。
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