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仲野太賀、吉岡里帆ら出演『泣く子はいねぇが』。大人になり父になる、その萌芽を映画に見る。

「ナマハゲ」は、秋田県は男鹿が世界に誇る伝統行事。子供に、親の言うことを聞かないと怖い目に合うという教訓を覚えさせるためのものでもあり、家の中の邪気も払ってくれる。

映画『泣く子はいねぇが』はそんな神の遣いであるナマハゲから着想を経て作られた、オリジナル作品。新進気鋭の佐藤快磨がメガホンを握り、その脚本に惚れた是枝裕和監督は企画で参加し、5年もの歳月を経て完成に至りました。

〜ストーリー〜
秋田県・男鹿市。小さな港町で生まれ育った若者・たすく(仲野太賀)は、娘が生まれたものの、父親としての責任感がなく、 妻・ことね(吉岡里帆)はそんな夫に苛立ちを募らせていた。 そして迎えた大晦日、たすくはナマハゲとして街をまわっていく中、一時の気の迷いで大きな間違いを犯してしまう。それから2年が経ち、東京。離婚してから自分を追い詰め、禊は済んだと故郷に戻ったたすくだったがー。大人になる、父親になることから逃げつづけてきたたすくは、自ら手放したものを取り戻すことができるのか。

取り返しのつかない過ちを犯すも、前進しようと奮起する不器用な主人公・たすくを演じたのは、仲野太賀。徐々に露わになるたすくの揺らぎを、誠実に描きました。

妻・ことねは吉岡里帆。夫に対する憤りを、言葉ではなくその沈黙で表現しており、彼女の新たな才能が垣間見れます。そのほか、親友・志波に若手最注目株の寛 一 郎、たすくの母・せつ子を余貴美子、「なまはげ存続の会」会長・夏井を柳葉敏郎、たすくの兄・悠馬を山中崇、とベテランキャストが脇を固めました。

劇中の音楽は、たおやかな歌声で感動を誘う折坂悠太さん。そして本作のスチールを担当したのは、草野庸子さん。柔らかさのなかに切なさを内包した写真は、本作に奥行きを与えてくれます。

さらに注目したいのは、”待ち”を貫く演出。主人公らが過ごしていく時間を、そのまま映像に乗せたロングカットは、彼らの心情をなぞるよう。観客の心を締めつけます。

懺悔も虚しく、故郷で迎えた3年ぶりの大晦日。ことねの再婚、娘の成長を知ったたすくの取った行動とは。親としての責任の芽生えや、道徳のありかを問う作品になっています。

公開は11月20日(金)です。

INFORMATION

映画『泣く子はいねぇが』

公開日:11月20日(金) 新宿ピカデリー他全国ロードショー
監督・脚本・編集:佐藤快磨
企画:是枝裕和
出演:仲野太賀、吉岡里帆、寛 一 郎、山中 崇、田村健太郎、古川琴音、松浦祐也、師岡広明、高橋周平、板橋駿谷、猪股俊明、余 貴美子、柳葉敏郎
エグゼクティブプロデューサー:河村光庸
プロデューサー:大日向 隼、伴瀬 萌、古市秀人
音楽:折坂悠太
スチール:草野庸子
企画協力:分福
制作プロダクション:AOIPro.
配給:バンダイナムコアーツ/スターサンズ
宣伝:KICCORIT
製作:『泣く子はいねぇが』製作委員会、バンダイナムコアーツ、 AOI Pro.、朝日新聞社、まるふく、スターサンズ、秋田魁新報社
©2020「泣く子はいねぇが」製作委員会
公式サイト

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