オープンハートやバイザヤードなど数々の名作を手がけてきた〈ティファニー(TIFFANY&CO.)〉のデザイナー、エルサ・ペレッティの忘れてはならない一品が「ボーン カフ」だ。「ボーン カフ」がモチーフとしたのは文字どおり、骨。ローマの「カプチン修道教会」の納骨堂と、アントニオ・ガウディの「カサ・ミラ」から着想を得てデザインされた。近代ジュエリー史を書き換えたといわれるこのバングルは半世紀を経てなおメゾンに欠かせないひとつである。
50周年を記念したモデルもいくつか出ているが、そのストイックな佇まいに惹かれて手にとったのはインラインの3つ──ブラック、あるいはチャコールで染めたコッパー(銅)、そしてスターリングシルバー。体の一部のようにフィットする、アシンメトリーで官能的なフォルムを見ていると、20世紀のジュエリー・デザインのアイコンともいわれる「ボーン カフ」の魅力がくっきりと浮かび上がっているのが分かるだろう。
ユニークなのは、左手用、右手用、それぞれワイドとナローのモデルを用意しているところ。人間工学に基づいたフォルムにしているだけあるこだわりだ。