馬具のくつわをモチーフにした「ホースビット ローファー」はその名をシューヒストリーに太字で記載される〈グッチ(GUCCI)〉の一品だ。1953年に誕生するなりフレッド・アステアなどハリウッドスターの足元を飾り、アイビーリーガーは社会に出るとこぞって足を滑り込ませた。
今シーズン、お馴染みのホースビットの代わりに「ウェブ ストライプ」とともにあしらったのは、“G” をモチーフにした「インターロッキングG」。ホースビットと双璧をなす言わずと知れた〈グッチ〉のアイコンである。
垂直に立ち上がったサイドウォール、脇をビーフロールで固めたサドル、そしてトライアングルモカ…世界中のキャンパスを闊歩したペニーローファーを彷彿とさせる一足に、なだらかな甲の峰にタッセルを添えたヨーロピアンな香りのする一足。いずれも「インターロッキングG」が巧妙なアクセントになっていて、甲乙つけがたい。
Photo_Hiroyuki Takashima
Text_Kei Takegawa