〈エルメス(HERMÈS)〉の “H” をあしらった錨に貝。今シーズンのキーホルダーは海のもろもろがモチーフになっている。
〈エルメス〉といえば馬具のイメージが強く、実際その通りなのだけれど、実はビーチ方面のコレクションも侮れない。
最たるものが「シェーヌ・ダンクル」だろう。1938年に誕生したメゾンを代表する一品で、3代目のロベール・デュマが錨の鎖をモチーフに完成させたシルバージュエリーである。馬具のチェーンメイキングの技を応用したというそのチェーンは決して絡まないと評判だ。
その造形的な美しさもさることながら(貝をモチーフにした「シー」の繊細っぷりには惚れ惚れするだろう)、見逃せないのはそれぞれに相応しい素材を選び抜いている点だ。前述の「シー」はパラディウムプレーテッド、錨をモチーフにした「カーゴ」、そして定番の “H” をモチーフにしたマネークリップ「H」はステンレススティールを採用していて、いずれもこれ以上ない相性の良さをみせる。
Photo_Hiroyuki Takashima
Text_Kei Takegawa