洋服に機能を求めるとなると、ストレッチやタフさ、速乾性といった、“快適さ”を連想させるワードが浮かぶかと思います。
ですが、顔映りを良くするカラーリングや体型をカバーするシルエットも、洋服が持ち合わせる機能といえるのではないでしょうか。コンプレックスを洋服で補う、誰しもが経験していることのように感じられます。
そんな風に、装飾としての機能を追求しているのが、2018年に始動した大阪発のブランド〈アタ（ATHA）〉。“年齢や性差に縛られることのない服”というコンセプトのもと、今シーズンも美しく実用的なウェアが展開されます。
ラインナップの多くを占めるのは、身体のラインをすっぽりと覆い隠す中性的なシルエット。これは、身体の線に沿ってつくられる立体構成のウェアを、平面的なパターンと直線的なカッティングで身体を包むように再構築することで生まれるものです。これにより、体型や性別にとらわれない、自由な着こなしが楽しめるというわけです。
その中性的なシルエットに個性を加えているのが、つくり手の背景にある“着物文化”。和装や和服にみられるパターンを日常着に落とし込むことで、〈アタ〉のオリジナリティが生まれているのです。
独創性溢れる服づくりはそのままに、今季はリネンやコットン、ボタニカル柄のポリエステルで春夏らしい軽やかさを演出。また、自然界からヒントを得たエクリュやアクア、セージグリーンといったナチュラルな色味がミニマルななかに上品さを加えています。
サイズはいずれもフリーサイズ。緻密に計算されたシルエットは、着る人によって多彩な表情を見せます。ロールアップしたり、タックインしたり、ボタンを開けてみたり……。ぜひワードローブに迎え入れ、あれこれ膨らむスタイリングをじっくりと試してみてください。
