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壮大なスケールで贈る、アディダスと高橋理子のコラボが登場。つくり手がアイテムに込めた想いとは。

“Impossible Is Nothing(不可能なんて、ありえない)”をコンセプトに、これまで幾つもの不可能を可能に塗り替えてきた〈アディダス(adidas)〉が、円と直線という限られたモチーフのみで斬新なグラフィックを生み出すアーティスト・高橋理子さんとのチームアップを実現。

常に柔軟な発想で既成概念をぶち壊してきた両者が、全89型のアイテムから構成される大型カプセルコレクション「HIROKO TAKAHASHI COLLECTION」をリリースしました。

ウェアやシューズ、小物に至るまでフルラインで展開される本コレクション。膨大なラインナップのなかでも、とりわけ目を引くのは、法被や浴衣といった、日本古来の着物をモチーフとしたアイテムの数々です。

〈アディダス〉らしからぬアイテムを今回のコラボで製作した理由を高橋さんに尋ねてみたところ、返ってきたのは、「伝統の灯を後世にも伝えていきたい」という彼女の強い思いでした。

PROFILE

高橋理子
アーティスト

1977年生まれ。東京藝術大学にて伝統染織を学び、博士課程在学中に仏外務省「AFAA」の招聘により、パリにて活動をスタート。正円と直線によるソリッドなグラフィックで知られ、着物を表現媒体としたアートワークを多数展開。今年4月より、武蔵野美術大学造形学部工芸工業デザイン学科教授に就任。

ー グローバルスポーツブランドの〈アディダス〉と、独創的なグラフィックを通じて新しい着物のあり方を提案している高橋さん。正直、この組み合わせは新鮮に感じられました。

アディダス:以前から〈アディダス〉では、主要6都市に根付く文化にフォーカスしたコラボコレクションを展開しています。その取り組みのひとつとして、着物という日本ならではのアイテムを軸にクリエイティブな活動をしている高橋さんにお声かけさせていただいたんです。

ー では、東京代表として選ばれたのが高橋さんということでしょうか?

アディダス:そうですね。円と直線、いわゆる“限られた要素から無限の可能性を広げていく”という高橋さんのデザインフィロソフィーが、我々が掲げるメッセージ“Impossible Is Nothing(不可能なんて、ありえない)”とリンクしているという点もありました。オファーさせていただいたのは、2018年の年末ごろですかね。

ー それから発売まで二年半。かなりの時間を費やした理由を教えてください。

高橋:品番が89型にまで膨らんだというのもありますし、一つひとつ素材も製造方法も違う。それに、アイテムごとで担当されるデザイナーさんも違っているので、ただグラフィックをお渡しして完成、というわけにはいかなかったんです。

アディダス:〈アディダス〉のコラボコレクションのなかでも、これほど品番が展開されるケースはなかなかありません。それほど、各担当のデザイナーが高橋さんのクリエイティビティに共感したというわけなんです。

ー その話を聞くと、アイテムの世界観がここまで統一されていることに驚かされます。

高橋:最高の褒め言葉です(笑)。より多くの人に身につけていただきたいっていう気持ちがあったので、〈アディダス〉らしさを私のグラフィックで消してはいけない。お互いの個性を引き出した上で、その個性が調和する一番いいバランスを意識しました。

M HTC HAPPI ジャケット ¥8,789

W HTC YUKATA ジャケット ¥8,789

ー ウェアからシューズまでフルラインで展開されていますが、なかでも印象的だったのが法被や浴衣です。これまでの〈アディダス〉のイメージにはない、未開拓なジャンルのアイテムだったのかなと。

高橋:私が普段扱っている着物は、生地を無駄にしない直線的な裁断でつくられているんですね。そんな合理的なものづくりに〈アディダス〉さんが共感してくださったっていうのもあるので、着物のエッセンスを取り入れたアイテムもつくることになりました。ただ、どれにもスポーツウェアの素材を使っているので、“着物”というカテゴリーから抜け出して、デイリーウェア感覚で自由に楽しんでもらえたらいいなと思ってます。

アディダス:そういう思いを込めて、「法被ジャケット」や「浴衣ジャケット」といったネーミングにしているんです。

ー これまでも着物を街着として提案しているブランドはありましたが、そこにスポーツの要素を加えたのは本コラボならではですね。

アディダス:コンセプトムービーでも、コレクションのアイテムを着てスケートボードやバスケを楽しむ若者たちを映し出すことで、「法被ジャケット」や「浴衣ジャケット」と東京の日常をリンクさせています。

ー 和とストリートを融合させた自由な着こなしも東京らしく感じました。今回のグラフィックに込めた思いを教えてください。

高橋:円は世界共通の普遍的なモチーフで、“人の縁”や“循環再生”というようなこともイメージさせるものだと思うんです。今回のグラフィックでは、円の持つ力を最大限に活かしながら、世代も国籍も性別も越えて、誰にでも手に取ってもらえるものを目指しました。

ー なるほど。そういえば、高橋さんといえばの、仁王立ち姿のマネキンはここ(アディダス ブランドセンター 渋谷)に展示されないんですか?

高橋さんのInstagramより。

高橋:あのマネキン、実は私の等身大なんです(笑)。着物姿で仁王立ちをしている私の写真作品から発展して生まれたものなんですね。女性の着物姿でありながら、男性的なポーズをとることで、ジェンダー含め、世の中のさまざまな偏見や固定観念に向き合う私自身のスタンスを示しています。今回は、アディダスのフラッグシップストアに出張しています。

アディダス:オリジナルスフラッグシップストア原宿店と新宿店に飾らせていただきました。

高橋:10体の私がこのコレクションをまとっている姿をご覧いただけます(笑)。

ー そういう意味が込められていたんですね。では、高橋さんにとって着物はどういう意味を持つアイテムなのでしょうか?

高橋:高校時代に服づくりを学び、大学で伝統染織について学ぶなかで着物に出合ったのですが、日本の文化であるとか、伝統だということの前に、素材を無駄にせず丸ごと身に纏うことができるという合理的な構造に魅力を感じました。いまの時代ではサスティナブルという言葉に置き換えられると思うんですが、そんな着物の持つフィロソフィーを引き継いだ、「法被ジャケット」や「浴衣ジャケット」のような日本らしいアイテムを発表できたのはすごく光栄です。自由な着こなしとともにに、ものづくりの背景にも共感してもらえたら嬉しいですね。

ー 着物って、若い世代にとってあまり馴染みのないアイテムだと思ってました。ですが、〈アディダス〉のような影響力のあるブランドとの取り組みを通じて、幅広い層の人たちに親しみを感じてもらえそうですね。

高橋:コロナの影響で成人式や卒業式がなくなり、着物離れがますます深刻化しています。そんななかで、このコラボをきっかけに着物の存在や価値、そして纏う高揚感を思い出してもらえたら嬉しいです。

INFORMATION

HIROKO TAKAHASHI COLLECTION

取扱店舗:
アディダス オンラインショップ
アディダス ブランドセンター全店
アディダス ブランドコアストア全店
アディダス オリジナルス フラッグシップ ストア全店
アディダス オリジナルスショップ全店
アディダス ファクトリーアウトレット
その他、全国のアディダス取り扱い店舗
adidas アプリ
電話:0570-033-033
アディダス オフィシャルサイト

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