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連載【で、NEW VINTAGEってなんなのさ?】Vol.19 まだまだ選べて日常的に穿けて“なのに洒落てる”ポロのチノパンシリーズ。

そもそもニュー・ヴィンテージとは?

1990年代、誕生から100年経過している“アンティーク”に対し、その定義は満たしていないけど、価値のありそうな古着を打ち出す際に使われ出した言葉“ヴィンテージ”。いまではさらに、当時“レギュラー”と呼ばれていた80年代以降の古着にも、“ニュー・ヴィンテージ”という新たな価値を見出す動きがあります。本企画ではこの古着の新たな楽しみ方を、スタイルの異なる4つの古着屋が提案。それぞれの感覚でその魅力を語ります。

前回から、3ショップが入れ替わってリスタート。第19回目も新たに加わった「アームズ クロージング ストア(ARMSCLOTHINGSTORE)」の星野泰平さん。

Text_Tommy
Edit_Yosuke Ishii


星野泰平 / ARMSCLOTHINGSTORE ディレクター
Vol.19_ポロ ラルフ ローレンのチノパンツ

―この連載をいつも読んでいただけているとか。

そうなんです! 個人的にもいつも楽しみに拝読していました。皆さんそれぞれの言葉で“ニュー・ヴィンテージ”を定義されていますよね。そもそもヴィンテージという概念自体が、常にアップデートされていくもので、この先もヴィンテージとしてカテゴライズされる範囲は広がり続けていくものだとぼくは考えています。お店、人ごとにそのカテゴライズには大幅なズレがあって当たり前で、それがお店ごとの色になっていたりもする。すごく面白いですよね。

―その価値観や認識のズレがあるからこそ、自由に楽しめますしね。では、星野さんにとっての、ニュー・ヴィンテージとは?

いまの時代でもファッションとして取り入れられるというのが大前提。デザインや機能、素材に縫製など、服としてのクオリティー。そして、その服を取り巻くカルチャーや時代背景。また、後の時代にも認知されるだけの生産数。大きく分けてこの辺の要素が優れているモノが、時代が流れて面白いモノ、良いモノ=ヴィンテージとして残っていくのではないでしょうか。注目される要素は時代によって変わっていくものですが“一周回って面白い、良い”と思えるモノは残っていくし、改めて評価がされて、この連載で紹介されるアイテムのように“ニュー・ヴィンテージ”という価値が与えられていくんだと思います。 

―なるほど。そしてニュー・ヴィンテージなアイテムとして今回ピックしたのがコチラ。

ポロ ラルフ ローレンのチノパンツ ¥8,690〜¥11,990-(すべてアームズ クロージング ストア

〈ポロ ラルフ ローレン(POLO RALPH LAUREN)〉のチノパンツシリーズ、通称“ポロチノ”です。どんなに眺めても写真映えのしない地味なアイテムなんですが(笑)、こんな地味な普通のチノパンを〈ラルフローレン〉は1980年代から現在に至るまで、大小のアップデートを繰り返しながら作り続けています。

―世間的にも当たり前に存在しているモノとして認識されていますし、それこそ古着市場ではかなりの数が出回っています。どういった部分におもしろみを感じますか?

そもそも足掛け40年間にも渡って、こんな当たり前のモノを作り続けられているブランドもなかなか無いですよね。それって〈ラルフローレン〉だからできたこと。シーズンごとに色、型、生地、サイズもかなりの種類を展開し続けていますし、もはやサスティナブルとはかけ離れた生産数なんじゃないでしょうか(笑)? ですがそのおかげもあって、古着のポロチノは“好みで選べて気軽に穿ける、それでいてちゃんと洒落ている”。そんな他にはないチノパンとしての価値があります。

―かなりの種類が展開されてきたということですが、具体的にはどんな違いが?

ポロチノはある年代から、モデルごとに人名のような名前が付きます。この点は〈ラルフローレン〉のシャツとも同じですね。種類はノータックとツータックの二つに大別され、テーパード具合や股上の深さ、裾の仕上げなど、ディテールによって細かくモデルが分かれています。定番カラーだって絶妙なトーン違いが存在しますし、原色系の色や淡い色モノまであったりして。ただ、なんだかんだ一番穿く色はカーキ系の定番色だったりします(笑)

―その中でも注目すべきモデルといえば?

ポロチノも時代の流れで仕様変更があったりしますが、モデルでいえば「アンドリュー」、「ハモンド」、「プロスペクト」といった、ゆとりのあるシルエットのモデルは近年減少傾向。代わりに2000年代以降に生産されているスッキリしたスリムなシルエットのモデルが、古着でも増えてきています。なので、ゆったりシルエットをお探しの方は、ストックも買っておいても良いかもしれません。

―汎用性も高く、1本持っていると重宝しますしね。

〈ラルフローレン〉というブランドの懐の深さでもあると思うんですが、どんなスタイルにも馴染みますからね。ある意味、無色透明でいつの時代も色んなカルチャー、バックボーンの人々から愛されていて。特にポロチノはその色が強いアイテムだと思います。もちろんオーセンティックな着こなしにも、90年代風な着こなしにもバッチリですが、アメリカントラッドという枠に収まることなく、例えば現行のドメスティックのブランド、海外のハイブランドがお好きな方でも、違和感無く愛用して頂けるかと。

ポロ ラルフ ローレンのチノパンツ 各¥8,690(ともにアームズ クロージング ストア

―そう考えるとやはり、手に入れるならいまの内かもしれませんね。

現在ヴィンテージと呼ばれているモノって、かつてはいまより沢山ありましたよね。古着は石油なんかと同じ有限資源なので、数が減ると気軽に手に入れられなくなってしまいます。でもポロチノはまだ選べて探せる。穿き潰して穴が開いたら、また買える。アメリカ製〈リーバイス(LEVI’S)〉の501、〈ディッキーズ(DICKIES)〉のワークパンツ、アメリカ軍のベイカーパンツなんかと同じ感覚で、日常的なデイリーウェアとして愛用できる。そこが最大の魅力と言えるのではないでしょうか。

星野泰平 / ARMSCLOTHINGSTORE ディレクター
オーセンティックながらも気の利いたアイテムが見つかり、古着ビギナーから玄人までを虜にする祐天寺の人気店「アームズ クロージング ストア(ARMSCLOTHINGSTORE)」にて、販売やバイイングを中心に、店舗運営業務全般をディレクションしている。またアームズでの勤務の傍ら、フリーでイベントの企画や運営にも携わる。一番好きなジャンルは1980年代以降の〈エル エル ビーン(L.L.bean)〉。
インスタグラム:@armsclothingstore
公式サイト:armsclothingstore.com

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