Hajime Sorayama × 2GのアーカイブをアートピースにしたKOTA KAWAI。テクノロジーに脅かされた未来に、人間は存在するのか？

人間ではない存在が、世の中を支配する日は来るのだろうか？

AIの登場やロボット工学の発展は、あらゆる事柄が不自由なく進む手助けになる一方、人間の存在意義を否応なしに突きつける。ゆくゆくは思考することまで奪われるのか…

そんな逡巡を背景にもった作品が生まれました。つくったのは若手アーティストKOTA KAWAI、協力したのは、2G、そして空山基さんでした。

KOTA KAWAIは、古着の生地を椅子や物体にまとわせて作品をつくっているアーティスト。〈ファセッタズム〉や〈ダイリク〉とも作品づくりを行うなど、いま若手の中でも注目株のひとりです。つい先日フイナムでもロングインタビューを敢行、ぜひこちらも合わせてチェックを。

過去に2Gで販売された、2Gと空山基によるコラボレーションTシャツやジャケット、そのアーカイブを素材に、今回はKOTA KAWAIが一点もののアートピースを製作しました。

よくよく見ると、セクシーロボや2Gのロゴ、「SORAYAMA」印が随所に潜んでいます。通常の手法では出しえない、ソリッドな雰囲気に仕上がっています。椅子の形を生かしながら拡張させたり、あえてむき出しにしたり。KOTA KAWAIの絶妙な感覚は、今作でも健在と言えそうです。

8月7日（土）午前11時より、渋谷パルコの2G TOKYOにて数量限定で展示・販売されます。詳しくはインフォメーションでチェックしてください。

冒頭で触れた今作の背景ですが、KOTA KAWAIが文章で綴っているので、それを最後に引用しておきます。

〈非イ人間〉 Hiningen
座ることに縛られた作品は時に機械的であり、チェアという既成のフォーマットを 介して、現代の常識を創造している。本作品は、「非イ人間」を通して「ハイブ リッドの適合」に焦点を当てた作品。 アナログな常識に手を加える事を「欠如」と捉えるか「革新」と捉えるか. 人工知能やロボット工学の発展による自動化やニューノーマルに注目が集まる社会 でさえ、思考の自動化は存在しない。アナログな観点は人々の生活に浸透しており、 目紛しい社会変動の中で常に「何が正しく、何が間違っているのか」不確かな現実 を日々ジャッチせざるを得ない現代。 最新テクノロジーと同様に、「非イ人間」から発するアナログな思考や付加が、現 代の可能性を発展させる。