フランスが誇るシューブランド〈ジェイエムウエストン(J.M. WESTON)〉といえば「ゴルフ」は外すことのできないマスターピースだ。1955年に誕生した頑強なそのモデルはジャーナリストシューズの異名を持つ。足で稼ぐ新聞記者にとってまたとない相棒だったからだ。
この兄弟分として新たに登場しているのが「ユージーンゴルフ」。アップデートの要諦は、「ゴルフ」の面構えはそのままに “頑強” の目盛りを振り切っている点にある。
底付けはグッドイヤーウェルトからノルヴィージャンウェルトに、この靴のアイコンであるモカ縫いは拝み縫い(2枚の革を縫い合わせる)から被せ縫い(継ぎ目を被せるように縫う)に更新した。まさに、頑強。
そこにトドメを刺すのがレザーだ。王道をいくならトップの画像を飾った艶やかなカーフに軍配が上がるが、見逃せないのはしなやかなスエードをまとった一足である。カントリーシューズでお馴染みのスエードをブラックに染めたそれは、精悍さと同時にフレンチシックな品もこの靴にまぶしている。
モデル名の頭につけたユージーンは二代目の名前。製靴技術を学ぶためにアメリカに渡り、現在の礎を築いた立役者である。
頑強無比な一足には、製靴の道を踏破したパイオニアの名が相応しいというわけだ。
Eugene Golf #926
「ゴルフ」から派生した「ユージーンゴルフ」。靴のフロントの部分をモカ縫いにすることでより精悍な顔になった。¥137,500
Eugene Golf #C41
こちらはブラックスエードを纏った「ユージーンゴルフ」。上で紹介したカーフに比べると大人な印象だ。¥137,500
Golf #641
最後は〈ジェイエムウエストン〉のマスターピース「ゴルフ」。特に靴の顔、Uチップの部分を「ユージーンゴルフ」と比べてみてほしい。¥137,500
Photo_Hiroyuki Takashima
Text_Kei Takegawa