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ドコモ × STARBASEによる令和の反撃。 Quadratic Playgroundに集まれ。

「STARBASE®︎(スターベース)」という会社をご存知でしょうか?

サマソニに現れた「漆黒のハイエース」、ヒップホップフリークであれば「Nujabes “World Tour” Collection」でピンと来る方も少なくないことでしょう。

彼らの正体は、国内外のエンターテイメントコンテンツのプロデュースやクリエイティブコンサルティング、アーティストエージェント業を主体とした少数精鋭の総合エンタメ企業。そんな「STARBASE®」と「NTTドコモ」がタッグを組み今年9月より始動させた「Quadratic Playground」は、さまざまなテクノロジーや表現の融合により、これまでにない新しいエンターテイメントを生み出していくプロジェクトだそう。

ここでは、「STARBASE®︎」代表・日高良太郎さんの話を通じて、本プロジェクトの経緯やゴール、新時代のエンタメの在り方を紐解いていきます。

PROFILE

日高良太郎
STARBASE 代表取締役

1980年宮崎県生まれ。「VIEWレコード」に勤務したのち、2007年に独立。音楽制作やアグリゲーションを行う会社「onepeace」を設立し、マドンナやジャスティン・ビーバー、BTSをはじめとするトップアーティストの楽曲制作に携わる。2017年に「onepeace」からエンタメ事業を分社化し「STARBASE」を始動。現在は、菅田将暉やディズニー、パラリンピック開会式などの音楽企画・制作に加え、「TOYOTA」や「NTTドコモ」をはじめとしたコーポレートブランディングを担当している。

楽しいを力に変える。STARBASEが生み出すクリエイティブなエンタメ。

ー様々な取り組みを目にしますが、一言で説明すると「STARBASE®︎」は何をしている会社なのでしょうか?

エンターテイメントですね。もともとは音楽の会社なんです。ぼくらが扱う音楽の近くには常にファッションやアートのカルチャーがあったので、総合的なアプローチで事業を展開してきました。それらをミックスしてエンターテイメントとして何かやってみようという発想です。

ぼくらがやっているのはエンターテイメントで、広告代理店がやってるのはアドバタイズメント。ここに大きな違いがあります。ぼくらが扱うもの、それは商品や企業に限らず自治体とかアーティストでもよくて、その対象とユーザーの間にエンタメを置いてコミュニケーションを生んでいく。ファンをつくる為にエンタメを使ってもらうビジネスですね。

ーエンタメと広告をどのように定義しますか?

広告って一方向なんですよ。企業がポテンシャルマーケットに向けて出すだけ。でもいまはインターネットの時代だから、コミュニケーションが双方向になっていますよね。テレビの時代はCMに語りかけても何も返って来ませんが、いまはネット上でレスができるわけじゃないですか。インターネット上に情報がたくさんあるからこそ、どれが正しいか分からないなかでの一方的な情報発信はストレスになる。だから広告に対する嫌悪感が昔より強いんですよね。”これです。質問は答えません”よりも、“コミュニケーションをとっていきましょう”という姿勢を示す方が、誠実に感じませんか?

それだったら、この商品をこの人たちに知ってもらいたいって時に、両者の間に楽しいもの(商品を知ってもらう為の有益なコンテンツ)があるとコミュニケーションが生まれるから、そこで広告宣伝をしていこうという考え方です。双方向でコミュニケーションが生まれると、そこにいろんな可能性が広がりますよね。そういった意味でも時代は大きく変化していると思います。ぼくらはエンタメを用いてその事例をつくっている最中。でも、ぼくらみたいな会社が小さい規模でやっていてもスタンダードにならない。それなら、いちばん上から攻めていこうと思って。

ー音楽事業からスタートし、数々のグローバル企業のクリエイティブ制作に携わることで「スターベース」は成長していったわけですが、最初のターニングポイントは何だったんですか?

最初は「TOYOTA」でした。知人の紹介で会う機会があった際に、「日本の企業はもっとエンタメを活用しないとファンがつくれない。例えば、良い車だから売れるってロジックだけでは、企業価値としてもったいない。エンタメをもっと使っていくべきだ」って会話をし、後日改めて企画を提案したら通りまして。そこで成功できたのがターニングポイントだと思います。

そこから興味のある会社ひとつひとつに会って話を聞いてみて、求められる課題とぼくらのできることの接点を提案して実行するという、シンプルなことの積み重ねですね。特別なことはしていません。遊んでいるなかにビジネスを見つけて、普通のことを普通にやっているだけですね。

新しいドコモを感じる場所「Quadratic Playground」

ー「ドコモ」との取り組み「Quadratic Playground」は、どんな経緯で始まったプロジェクトですか?

ぼくらが最初に出した企画書の一ページ目に、「ドコモは真面目だけど面白くない」と書いたんですよ。だからこういうアプローチをしましょうって内容で、怒られてもこれが事実だから仕方ないなって思っていたら、それがハマったんですよね。副社長自身もメイキングのドキュメンタリーで「ドコモって面白くないと言われるのが悩み」とお話されていました。でも「タグボード(TUGBOAT)」がやってた「ドコモ2.0」の広告って当時すごく面白かったし、きっと変えられるんじゃないかなと思っていました。

いまの「NTTドコモ」にはぼくらのライフラインを支えているようなテクノロジーがたくさんあって、その技術をつくっている人たちと手を組めば良いコンテンツがつくれるはずだと。そこで、「ドコモ」が持っているテクノロジーをぼくらのエンタメの方程式に落とし込んだらこういう遊び場ができますよっていう提案が、そのままタイトルの“Quadratic(二次方程式)Playground(遊び場)”になりました。

ー「SPORTS」「MUSIC」「WEB CM」の3ジャンルでコンテンツを展開している「Quadratic Playground」ですが、それぞれの内容はどう決めていったのですか?

例えば、はじめて自転車に乗れるようになる瞬間って、最初は誰かに後ろから押してもらっていたけれど気がついたら乗れてるって人が多いじゃないですか。だから、内田篤人の感性を体験したらいつの間にか同じようにプレーできちゃう子が出てくるんじゃないかなってアイデアでした。VRで自分視点を体験できる現代のテクノロジーだからこそできることの一つとして「SPORTS」。

「MUSIC」については、VR空間の特性を活かして使いこなせている映像コンテンツって、いままでなかったんですよね。何が難しいって、レコード会社の予算感ではなかなか実現できない。だから「ドコモ」の技術力と資金でそのハードルをクリアするコンテンツを「YOASOBI」の世界観でつくろうということになりました。360度すべて楽しめるギミックを入れてるのは、国内だとほかにないと思います。

そのふたつのVRを軸に、窪塚愛流やseidai、横田真悠といった若い世代を起用した「WEB CM」を入り口として表現しようという流れですね。

ーVRの特性を活かすコンテンツとして、音楽とスポーツを選んだのはどうしてですか?

音楽とスポーツって決めたのは、ぼくらが音楽が得意だから、そしてスポーツ好きだから。でもちゃんとした理由もあって、音楽とスポーツって、東日本大震災の時にいちばん早く国境を越えてきたものなんですよ。それにハプニングがつきものであまり操作できない。そういうリアルさは人間の心に響きやすいエンターテイメントのひとつ。それを最先端の技術で体験できるのが新しい取り組みと言えると思います。

ーいまの時代に求められる新しいエンターテイメントとはどんなものなのでしょう?

今回のプロジェクトにおいて言えば、5G環境でVRを楽しめるっていうこと自体が、過去の通信環境ではできなかったことなんですよね。とはいえ5Gもまだ始まったばかりなので、これから数年かけて定着していくなかで速さだったり新しさを実感していくことになります。身近になる前に挑戦したという点がポイント。しばらくすればVR技術のコストが下がっていくけれど、お金かけていち早くやってみようという。

ーさらにその先にはどんなことに挑戦したいですか?

『フォートナイト(Fortnite)』のようなゲームの世界を体験できるレベルまでいきたいですね。「NTTドコモ」にはXR(VR(仮想現実)、AR(拡張現実)、MR(複合現実)の総称)を研究しているチームがあって、エキシビジョンを仮想空間で行うといった事業にトライしているんですよ。でもそこにエンタメ感はまだないので、彼らと組んでみたいですね。

「5G国際標準化団体」の議長でミスター5Gと言われてる人が「NTTドコモ」に居るんです。彼はすでに6Gに携わっていて、その世界はもっとすごいんですよ。通信と仮想空間とエンタメを絡めたコンテンツをつくっていけたらと考えています。海外に比べると遅れていると言われますが、日本の技術力なら予算さえあればクリアできるんです。エンタメにお金をかける文化がないのは、もったいないと思いますね。

ー今日のお話を聞いて、“正解よりも、楽しいを答えに。”という切り口こそ、これからの新しいエンタメを切り開くものになると感じました。最後に、このコンセプトに込めた思いを教えてください。

いつも真面目に正解を目指しがちな「NTTドコモ」が自分たちにとってアイロニックなキャッチフレーズで変わろうとする。多様性の時代に正解を求めてもそれは正解にならないから、そうじゃなくて…… というアプローチでした。エンタメ畑の人間だからこそ、ぼくたちにとっては楽しいをつくるのが普通で、“楽しいを価値にしていく”が「スターベース」のキーワード。「申し訳ないですが休暇に入ります」とか言うのって日本ぐらいだと思うんですよ。楽しむことにネガティブというか、つつましく生きる意味を履き違えている。本来、謙虚に生きるという精神の話だったのが、裕福な暮らしをせずに耐える美学みたいな意味合いになっちゃっていますよね。ぼくたちはそれを変えたい。楽しい人がたくさんいた方が絶対いいじゃないですか。

ブロックチェーンやAIの発達でソリューションの価値が下がり、何をやっても同じレベルになっていく時にこそ、楽しいという感情により価値が出てくる。日本っていい国だし、四季があって、文化があってすごく楽しめる場所なのに、なんで楽しまないんだろうって思うんですよ。ぼくらはこれからもさまざまな取り組みを通して、そこを再定義したいと考えています。

Photo_Takao Iwasawa
Text_Shu Nissen

Quadratic Playground VR体験特設ブース

「Quadratic Playground」が制作したYOASOBI「⼤正浪漫」と内⽥篤⼈⽒のVRコンテンツをより多くの人に届けるべく、渋⾕駅ハチ公前広場にある「SHIBU HACHI BOX」にて期間限定でVR体験特設ブースを展開中。来場者全員にステッカーなどの特典があるほか、オリジナルグッズが抽選でその場で当たる豪華プレゼントも。

会期:〜12月28日(火)
住所:東京都渋谷区道玄坂2-1-1
時間:10:00~20:00
抽選プレゼント:
A賞 YOASOBIとのコラボフーディーもしくは内⽥篤⼈⽒とのコラボユニフォーム
B賞 VRゴーグル

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