レザーをアイデンティティとするメゾンは数多あるが、価格以上の価値を感じさせてくれるメゾンといえば〈ロエベ(LOEWE)〉が頭ひとつ抜けている。スモールレザーグッズはそんなメゾンの地力を知るのにまたとない。この春、売り場に並ぶコレクションからエントリーモデルに相応しい3つを紹介したい。
ペブルグレインカーフスキンをまとったウォレットとカードホルダーはその本命だ。柔らかなシボを刻むボディはキズに強く、そして手に馴染む。目に優しいグリーンやオレンジにアナグラムをかたどったパラジウム製のバックルが映える。コンストラクションはウォレットがカードスロット6つ、紙幣用ラージガゼット1つ、コインコンパートメント1つ、カードホルダーはカードスロット6つ、センタージッパーポケット1つ。ウォレットはボディと同色のカーフで覆ったライニングも見どころだ。
対抗馬は、アナグラムロゴ入りストラップ&ジッパープルでコントラストを利かせたソフトグレインカーフスキンのウォレット。その佇まいはポップアートを思わせる美しさがある。コンパートメントはカードスロット6つ、紙幣&メモ用ラージポケット1つ、スモールポケット2つ。
〈ロエベ〉は数人の革職人が1846年にマドリードで起こした工房がルーツだ。葉巻入れやコインケースにはじまる〈ロエベ〉のものづくりは王侯貴族を魅了し、そうしてほどなくアルフォンソ13世より王室御用達の称号を授かった。サクセスストーリーのキーマンがドイツの職人、エンリケ・ロエベ・ロスバーグ。その工房のポテンシャルに魅せられ、仲間に加わったエンリケの八面六臂の活躍が現在の〈ロエベ〉を形づくったといわれている。
ラグジュアリーブランドにのぼりつめたいまもレザーコレクションの魅力は色褪せることがない。カラーバリエーションも豊富なそれらコレクションは店頭で確かめるのが吉。