森山大道の伝説的な写真集『Daido hysteric no.4』がリマスター！ 90年代以降の原宿カルチャーの歴史的なクロスポイントをお見逃しなく。

Daido Moriyama, Untitled. 2012. Silkscreen on canvas. 110 x 165 cm. Edition 1 of 3
©Daido Moriyama Photo Foundation.

1993年に〈ヒステリックグラマー（HYSTERIC GLAMOUR）〉から出版された、写真家・森山大道の伝説的な写真集『Daido hysteric no.4』。

ファッションとアートのクロスオーバーの先駆けであり、90年代以降の原宿を象徴するコラボレーションカルチャーの礎となるアイテムなのではないでしょうか。

Daido hysteric no. 4 Remastered Edition. Courtesy of Gallery COMMON.

高感度なキュレーションを連発して、昨今のアートシーンを牽引する「ギャラリー コモン（Gallery COMMON）」が今回仕掛けた「DAIDO HYSTERIC」も、また話題になりそうです。

Gallery COMMON

Photo by Yosuke Torii. Courtesy of Gallery COMMON.

本展では『Daido hysteric no.4』を中心とした写真に加え、本展に向け作家により過去アーカイブより選り抜かれた同時代の未公開写真を含む、48点のゼラチン・シルバープリントと9点のシルクスクリーンキャンバス作品の展示が行われます。

また、今回「アキオ ナガサワ パブリッシング（Akio Nagasawa Publishing）」と共同出版で『Daido hysteric no.4』のリマスター版を制作。当時限定300部で発売された貴重な一冊を限定900部で復活します。そのうちの50冊は、オリジナルのゼラチン・シルバープリント付きのスペシャルコレクターズエディションとして出版いたします。

さらに「ヒステリックグラマー渋谷店」では、1993年の森山大道 ×〈ヒステリックグラマー〉のコラボレーションによるシルクスクリーンプリントの展示を同時開催いたします。

Daido hysteric no. 4 Remastered Edition. Courtesy of Gallery COMMON.

ちなみに、『Daido hysteric no.4』の制作が決まった経緯は、それまで数人の写真家を招いたオムニバス形式で出版されていた「hysteric」シリーズに対し、森山が冗談半分で「1冊400ページ丸ごと出させてくれるなら、この企画に参加したい」と言ったのが始まりだったそう。

森山はそれから1年半かけて街を撮影、1993年に渋谷ワタリウム美術館のオン・サンデーズで開催された「森山大道インスタレーション」展の開催と同時に、本写真集は300部限定でひっそりとリリースされました。

その後、人々がこの『Daidohystericno.4』の存在を知ったときには、既に入手困難な貴重なアイテムとなっていました。

原宿の文化的変遷を物語る貴重な出版物であり、アーティストにとっても重要な作品群の、初の展示開催そして、リマスター版写真集の販売ということで、アート、ファッション、カルチャー好きのみならず、多くの人に見てもらいたい、歴史的なイベントとなっています。