革靴回帰の流れで注目されている靴種、それがタッセルローファーだ。スニーカーの延長で履ける脱ぎ履き容易なスリップオンをベースとしつつ、甲にあしらったタッセルがスニーカーにないドレッシーな雰囲気を醸し出す、というのが勘どころだ。
数あるタッセルローファーのなかでもおすすめは〈クロケット&ジョーンズ(CROCKETT&JONES)〉の「キャベンディッシュ3」。
甲の立ち上がりを抑えることで丸みを帯びたシルエットにエレガンスをまぶすさじ加減は〈クロケット&ジョーンズ〉の本領だ。肌理の細かなカーフレザーや端正なモカステッチもこの老舗のアドバンテージである。
見逃せないのはフィッティングの要となるアーチや踵を日本人の足に合うようモダナイズしたラスト、375が採用されている点だ。紐で調整できない構造上、スリップオンの履き心地はラストの出来如何にかかっているといっても過言ではない。この点で「キャベンディッシュ3」は試して損のない一足といえる。
クロケット&ジョーンズの名作「キャベンディッシュ3」は、先日掲載したこちらの革靴特集でも取り上げたモデルだ。もちろんメイド・イン・イングランド。ソールはレザーになる。各¥86,900
Photo_Hiroyuki Takashima
Text_Kei Takegawa