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連載「憧れの逸品」No.256 第二の皮膚のように溶け込むジャガー・ルクルトのウルトラスリムな一本。

“複雑時計の渓谷” といわれるスイスのジュウ渓谷で呱々の声をあげた「ルクルト」社の三代目、ジャック=ダヴィド・ルクルトは我が家から20キロ離れた街へ自転車を走らせていた。フランス随一の時計職人といわれたエドモンド・ジャガーからの電話をとるためだった。1903年当時、電話はまだインフラと呼べるほどには成熟していなかった。

〈ジャガー・ルクルト(JAEGER-LECOULTRE)〉の最重要人物である二人の、これがファーストコンタクトである。

受話器を耳にあてると、遠く、途切れがちなジャガーの声が聞こえてきた。「とても薄い懐中時計がつくりたい。そのためのキャリバーが欲しいんだ…」。そうして1907年に完成させたのが厚みわずか1.38ミリのキャリバー145だった。

ここで紹介する「マスター・ウルトラスリム・デイト」に搭載されるキャリバー899は、このキャリバー145の系譜を引くムーブメントだ。

卓越した技術をタイムレスな美しさと融合する ―― 〈ジャガー・ルクルト〉の理念を象徴するといわれる「マスター・ウルトラスリム・デイト」からは足すことも引くこともできない美しさが感じられるが、一目ではそれとわからないアップデートが図られている。シルバーサンレイ仕上げに並ぶ、気持ち長めに設定されたインデックスがそれだ。シンメトリーの美しさが際立っているのがわかるだろう。




MASTER ULTRA THIN DATE
CASE : STAINLESS STEEL,39mm
MECHANISM : AUTOMATIC WINDING
POWER RESERVE : 38 HOURS
WATERPROOFNESS : 5 BAR
THICKNESS : 7.8mm
PRICE : ¥1,135,200

Photo_Hiroyuki Takashima
Text_Kei Takegawa

INFORMATION

ジャガー・ルクルト

電話:0120-79-1833
オフィシャルサイト

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