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連載【で、NEW VINTAGEってなんなのさ?】Vol.42 ジメジメ梅雨と暑い夏にピリリとスパイス。“知ってるようで知らなかった”タバスコ。

そもそもニュー・ヴィンテージとは?

1990年代、誕生から100年経過している“アンティーク”に対し、その定義は満たしていないけど、価値のありそうな古着を打ち出す際に使われ出した言葉“ヴィンテージ”。いまではさらに“レギュラー”と呼ばれていた80年代以降の古着にも、“ニュー・ヴィンテージ”という新たな価値を見出す動きがあります。本企画ではこの古着の新たな楽しみ方を、スタイルの異なる4つの古着屋が提案。それぞれの感覚でその魅力を語ります。

なんだかんだ6シーズン目に突入した本連載。というワケで、今回からショップが入れ替わってリスタート。第42回目は「喜楽」の真喜志&小池さん。

Text_Tommy
Edit_Yosuke Ishii


真喜志&小池/喜楽 オーナー
Vol.42_タバスコのTシャツ

―「喜楽」さんにとっての、ニュー・ヴィンテージとは?

真喜志:リード部分でも書かれていますが、80年代以降のレギュラー古着で、当時あまり注目されていなかったり、自分たち自身もスルーしていたけど“今だからこそ”面白いなと感じられるモノ。それがニュー・ヴィンテージなのかなって思います。

―それでいいますと、“今だからこそ面白いなと感じられるモノ”の条件っていうのはありますか?

小池:条件かぁ……例を挙げるなら“メイド・イン・USA”とか? 当時はそこら中で見かけたのに、今は“メイド・イン・USA”であるというのが、手に取る理由のひとつになっているじゃないですか。そこはぼくら的にも結構ポイントかなぁって。

真喜志:その辺は年齢的なハナシでもありますよね。ぼくらも、色々なモノを見てきて、ようやくその良さが分かるようになったというか。最初に服に興味を持ち出し、ドメスティックブランドを着るようになり、次にそれらのブランドが古着からサンプリングしていることを知って古着の道に入って、そこでいわゆるトゥルー・ヴィンテージを通って。で、一周して今はレギュラー古着を楽しんでいるっていう。

小池:もちろん、トゥルー・ヴィンテージは変わらず好きですが“格好つけず自分らしく楽しめる”という意味では、レギュラー古着の方がフィットするのかなぁ。それに、同じレギュラーでも80年代はまだ服としてカチッとしているなって感じのが、90年代にはどこかユルくなっていくんですよね。なんていうのかなぁ。ファッションがライフスタイルの中で、より身近になっていく感覚といいますか。

真喜志:アウトドア系なんかは特にソレを感じますね。80年代以前のアイテムに比べると、90年代のアイテムは、シルエットも今っぽいし取り入れやすいというか。

ーなるほど。なんかわかる気がします。そんなお二人に、今回ご紹介いただくニュー・ヴィンテージなアイテムとは?

真喜志:雨続きでジメジメする梅雨、そして夏をホットに過ごすためのアイテムとして、Tシャツ、それも企業モノの中でもちょっと面白い「タバスコ(TABASCO®️)」Tシャツをピックしました。

ーあまり意識していなかったけれど、「タバスコ」ってマキルヘニー社のブランドで、調味料としての正式名称は「レッドペパーソース」なんだとか。ご存知でしたか?

小池:へ〜、そうなんですね。「タバスコ」といえばコレってイメージで特に意識していませんでしたが、むしろコレ以外には存在していなかったと。古着でいうと、デザインとしては真っ赤なボディにロゴプリントのモノがが多く、これなんかまさにそうですね。

タバスコのTシャツ ¥6,000(喜楽)

―「タバスコ」以外の調味料ネタだと、どんなのがあるんでしょうか?

真喜志:有名どころだと、ハインツ(Heinz)のトマトケチャップとかはあるでしょうね。あんまり見かけないけど、たまに出てきたりして。この辺だと90年代後半から2000年代位でしょうね。両方ともメイド・イン・USAです。

小池:パッケージデザインにまで、こんなに誇らしげにメイド・イン・USAと書かれている位ですからね、相当なこだわりがあるんでしょう(笑)。先ほども話したように、この真っ赤の方は、まんまロゴのデザインを落とし込んでいますが、対するコチラはちょっと気が利いています。

タバスコのTシャツ ¥8,800(喜楽)

真喜志:蚊が血だと思って寄ってきたら、「タバスコ」だったというジョークですね。“Bite me”には、英語のスラングで「消え失せろ」とか「ふざけんな」という意味合いがあるみたいですね。なので、蚊目線では、血が吸えると思ったら吸えなくて「ふざけんな!」。タバスコ目線では「およびじゃないから、消え失せろ!」と両方からの意味合いを持たせているみたいな。

小池:カテゴリー的は企業モノなんですが、こんな風に立派なオリジナルタグまで付いているのは、ちょっと珍しいですよね。

―「喜楽」的には、ここらのアイテムをどんなノリで合わせるのオススメですか?

真喜志:これだけインパクトがあるアイテムなので、本当にフツ〜な感じでショーパン×サンダルとか、格好つけないで合わせるのが良さそうっすね。

小池:その際はサイズ感も大きめがイイですね。で、あくまで“適当に合わせる感じ”というか。とにかく肩ヒジ張らず、ユル〜く(笑)。

ーちなみに、お二人は「タバスコ」好きですか?

小池:そうっすね。調味料としてでいえば、あれば使いますし。

真喜志:ぼくは結構好きですねぇ。どんな料理にも、ついついかけちゃう。例えば、チキン南蛮なんかもかけますね。あのタルタルソースとタレが織りなす甘酸っぱさに、「タバスコ」の辛味が抜群に合うんですよ。ぜひ一度お試しあれ!(笑)。

―なるほど。チキン南蛮に「タバスコ」を振りかけるが如く、これらのTシャツも“適当にスパイスとして取り入れる”のが良いということですね。

真喜志&小池 / 喜楽 オーナー
十数年来の友人2人が、2017年11月、東京・代田橋の沖縄タウン内にオープンした「喜楽」。レギュラーからヴィンテージまでアメリカンカジュアルを中心に様々なラインナップを展開し、営業時間は17時〜24時。仕事帰りにちょっとディグ、飲んだ帰りにちょっとディグも可能。2号店の「楽喜」も下北沢にて営業中。
公式サイト:kiraku-store.com
インスタグラム:@kiraku_store

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