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連載「憧れの逸品」No.261 日仏米のカルチャーが溶け合ったケンゾーのバッグ。

リバーシブルのスーヴェニアジャケットからインスパイアされたというその名も「リバーシブルサテンバッグ」は表地にフランス、裏地に日本のマップ、ならびにランドマークを刺繍している。鮮やかなサテンの裏地は思わず笑みがこぼれるほどかわいくて、用もないのにカバンの中身を確かめたくなってしまいそうだ。コンパートメントは身の回りのものがすっぽり収まるほどよいサイズ感で、レザーストラップを肩からかければハンズフリーで闊歩できる。

1950年代のアメリカンファッションへの憧憬、フランスと日本というメゾンのルーツを融合した――というのももっともなバッグである。

〈ケンゾー(KENZO)〉のアーティスティック ディレクターに就任したNigoのデビューコレクションは喝采を浴びた。彼の美意識は隅々にまで息づいていた。このバッグをみれば一目瞭然だろう。

慣らし運転と呼べるような期間もなく、いきなりフルスロットルで走り抜いてみせたNigoには驚くほかない。なおさら、彼の抜擢は運命づけられていたのかも知れないと思いたくなる。

高田賢三がパリのギャラリーヴィヴィエンヌに「ジャングル・ジャップ」をオープンし、勝鬨の声をあげたその年、1970年にNigoは生まれた。〈ケンゾー〉が「LVMHグループ」に入った1993年は、Nigoがキャリアをスタートさせた年だった。



日本とフランスの地図が表裏に刺繍されたショルダーバッグ。遊び心のあるデザインはNigoならでは。背面にカードケースが付く。¥85,800



こちらはサコッシュに近いポーチタイプのバッグ。性別問わず使えるデザインで、スマホやカードケースなどを入れるのに便利。¥61,600

Photo_Hiroyuki Takashima
Text_Kei Takegawa

INFORMATION

ケンゾーパリ ジャパン

電話:03-5410-7153
オフィシャルサイト

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