環境問題を解決しようと思えばひとりひとりの意識を変えていくことも求められる。分かってはいるけれど、サステナブルだからといって毛羽立った財布の紐はなかなか緩まない。紐の滑りをよくする潤滑油は、ものそのものの魅力に尽きる。
この点で、その雰囲気に惹かれて思わず手に取った〈ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)〉のラバーシューズは合格だ。
メリハリのある柔らかなシルエットに、彩度控えめのテクスチャー。枯葉が敷き詰められた並木道に馴染みつつ、その存在を主張する絶妙なバランスである。秋の気配を感じさせたいこれからのスタイリングの仕上げに格好だろう。
クロッグにはブランドのアイコンであるイントレチャートを彷彿とさせるエンボシング加工が施されている。モダンなアートを思わせて、これもたまらない。
カラーバリエーションはクロッグで3色、ブーツで11色。差し色的なカラーも豊富に用意されている。いずれもさすが〈ボッテガ・ヴェネタ〉といいたくなる色出しである。
で、肝心のボディには生分解性ラバーが採用されている。生分解とは微生物の働きにより分解される性質をいう。つまり、土に還ることのできる、サステナブルな時代を象徴するマテリアルだ。
Photo_Hiroyuki Takashima
Text_Kei Takegawa