アートとは見た瞬間、好きと思えるかどうかだと思います。作家の意図や狙いなどを聞くまでもなく、直感的にいいと思えるのか、そうでないのか。他人がいいと言っているというのは、評価の尺度としてはどうかなと思います。
陶芸と並行して生物学を学び、発生学、寄生虫学、植物学、形態学にも造詣が深いフランス系アメリカ人作家、ゾーイ・パウエル（Zoe Powell）。
彼女が生み出す有機的なフォームは、見た瞬間いいなと思いました。
このたび、自身初となる日本での単独展「Ethereal」が、「アイムオーケー（I’M OK）」の各店にて10月8日（土）より順次開催されます。
「私の作品のテーマは、強さ、不確かさ、そして聖域の間のバランスを見つけること。作品を通じて、感情の変化が時間の経過とともに身体にどのような影響を与えるのか、器の中の空間がどのような安らぎを与えるのか。それを記録し続けていきたい」
Mitch Iburg
そう語るゾーイ・パウエルが創り出すのは、自ら採取した粘土や鉱物を素材とした、有機的で彫刻のような器たち。作品の元となるのは、子宮、繭、種子のさやなど自然界のモチーフだそうです。
ゾーイ・パウエルの作品を見ていると、言語化しづらい感情が湧き上がってきます。それこそがこうしたアートの主たる役割なのではないでしょうか。
Zoe Powell -Ethereal-
I’M OK 代官山
会期：10月8日（土）〜10月16日（日）
住所：東京都渋谷区猿楽町 10-8 1F
営業：11：00〜19：00
I’M OK 千駄ヶ谷
会期：10月22日(土)‒ 10月30日(日)
住所：東京都渋谷区千駄ヶ谷 2-11-1
営業：11:00 – 19:30
I’M OK 二子玉川
会期：11月3日(木)‒ 11月13日(日)
住所：東京都世田谷区玉川 3-17-1 玉川髙島屋 S・C 南館 1F
営業：11:00 – 20:00
Zoe Powell
1994年シカゴ（イリノイ州）生まれ。フランス系アメリカ人。
2016年にウィリアム&メアリー大学を卒業、美術と生物の博士号を取得。
現在はミネソタ州セントポールにパートナーとともに設立したギャラリー兼ネイティブクレイプロダクションスタジオ「 Studio Alluvium 」を拠点に活動中。 自ら収集した粘土や鉱物を加工し、土本来の光沢を出すために釉薬は使用せず、一点一点手作業で磨き上げた、有機的で彫刻のような器を創作。 地元で採取した素材を使うことはサスティナビリティの実践であるという考えのもと、素材に敬意を払い、責任を持つ制作プロセスを目指しています。
作品はDwell、American Craft、Ceramics Monthlyなどに掲載され、個展に加え、アメリカ、ヨーロッパの様々なギャラリー、学術機関(*1)、美術館(*2)に展示されています。
*1 North Dakota Museum of Art – Grand Forks, North Dakota *2 The College of William and Mary – Williamsburg, Virginia
Award
2019年 Jerome Ceramic Artist Project Grant, Northern Clay Center, Minneapolis, MN
