2022年もたくさんの話題を提供してくれた「ウィズム(WISM)」。小刻みに小粋な別注を繰り出し、セレクトショップという存在が、もはや昔のそれとはいい意味で異なるということを表現している、実に刺激的なショップです。
2023年のトップバッターは「ウィズム」が強力に入れ込む、岡山発のブランド〈アンセルム(ANCELLM)〉がいちから製作したデニムと、架空のデザイナー「ホームレスくん」が手掛けるファニーなファッションブランド〈ホームレス テイラー(HOMELESS TAILOR)〉から復刻別注を果たした、“GRANDMA COAT”の二本立てです、
〈アンセルム〉からは、半年間かけてパターンから製作し、ワイドでテーパードの効いたシルエットのデニム。
一番の特徴は、デッドストックブルーと呼ばれる非常に珍しい、緑がかった色のデニム。とくに緑が濃い部分は昔の染料技術で染めてそのまま生地を置いておいた際に自然発生的に起こる、インディゴの酸化が進んだ緑色とのことで、どこまでこだわってるの!?という突き詰めっぷり。
〈アンセルム〉が得意とする加工は、奥行きとグラデーションの良い塩梅を表現するのに何度もテストを繰り返したそう。
ブランドのテーゼである“経年変化をデザイン”を体現した、唯一無二の一本に仕上がりました。
お次は〈ホームレス テイラー〉。生きていく術として、衣類を重ねて生活を送る都市部のホームレスのレイヤードから着想を経て2019年にスタートブランドで、実験的でオリジナリティに溢れたコレクションを展開しているのですが、これが「ウィズム」によく合うのです。
今回、ラインナップされたのはブランドをスタートした頃にリリースしていた「グランマ コート(GRANDMA COAT)」。 名前の由来は、おばあちゃんが着ていそうな、ちょっと“しゃばついた”コート、ということからだそう。
一見するとオーバーサイズのトレンチのような、はたまたダブルのチェスターのようなシルエットで、フリーサイズの一着。
デザイン的にも縫い付けられたラペルや、ラグランのようでダービージャケットのカップショルダーのようでもある独特な肩の切り替えなど、見どころ多数です。
さらに、胸に配したハの字のスラッシュポケットや腰回りのフラップポケットなど、考え抜かれたディテールワークで機能性抜群。
何よりアイテム自体の存在感が抜群で、生地の分量感たっぷりのオーバーサイズで迫力のあるシルエットは、パッと羽織るだけで様になる一着です。
という感じで、「ウィズム」でしかなし得ないアイテムを新年早々仕込んでいるようです。1月2日より発売開始です。