スニーカーやカジュアルな靴ばかりでいささか食傷気味。たまには背筋が伸びる思いを味わいたい――そんなあなたにおすすめしたいのが〈クロケット&ジョーンズ(Crockett & Jones)〉の「フェントン」だ。
脱ぎ履き容易なローファーながら、つややかなブラックカーフ(あるいは繊維が密なブラウンスエード)、すらりとしたフォルム、そしてホースビットで構成された「フェントン」は気軽に履けて、いつもの服がぐっと洗練される。
細部のつくり込みも申し分がない。シルバーと見紛うペールゴールド仕上げのホースビットやその存在を主張しないエプロンフロントのステッチは好例だ。
木型は日本人の足のクセを踏まえ、かかとやウェストを絞った376ラスト。自他ともに認めるローファー不朽の名作「ボストン2」にも使われる木型だ。
ソールはシティーソール。ダイナイトソール擁する「ハルボロ・ラバー」社と共同開発したスマートなラバーソールだ。記憶が確かならば、レザーソールと見紛うラバーソールをいち早くメニューに加えたのが〈クロケット&ジョーンズ〉だった。
Photo_Hiroyuki Takashima
Text_Kei Takegawa